(移植の概要も参照のこと。)
小腸移植が行われるのはまれである(例,2012年の米国での移植はおよそ106例)。続発性の胆汁うっ滞性肝疾患に対する新しい治療(例,Omegaven®,ω脂肪酸の豊富な栄養補助食品)およびより安全な中心静脈ラインの留置方法が開発されたことにより,小腸移植が行われる頻度は下がっている。
小腸移植は以下の患者に適応となる:
手技
合併症
拒絶反応
拒絶反応をチェックするため,週1回の内視鏡検査が適応となる。移植後1年以内に約30~50%のレシピエントに拒絶反応の発作が1回以上みられる。
拒絶反応の症状と徴候には,下痢,発熱,および腹部痙攣などがある。内視鏡検査所見としては,粘膜の発赤,脆弱性,潰瘍,剥脱などがあり,変化は不均一に分布し,検出困難なこともあるが,ウイルス封入体の有無によってサイトメガロウイルス性小腸炎と鑑別できる。生検所見には,鈍化した絨毛および粘膜固有層の炎症性浸潤などがある( カテゴリー別小腸移植拒絶反応の症状)。
急性拒絶反応の治療は,高用量コルチコステロイド,抗胸腺細胞グロブリン,またはその両方の投与である。