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ヒト白血球抗原 (HLA) 系

執筆者:

Peter J. Delves

, PhD, University College London, London, UK

最終査読/改訂年月 2018年 12月

ヒト白血球抗原(HLA)系(ヒトにおける主要組織適合抗原複合体[MHC])は,免疫系の重要な要素であり,6番染色体にある遺伝子によって制御される。T細胞上のT細胞受容体(TCR)に抗原ペプチドを提示することを専門とする細胞の表面分子をコードしている。(免疫系の概要も参照のこと。)

抗原を提示するMHC分子は,以下の2つの主要クラスに分けられる:

  • MHCクラスI分子

  • MHCクラスII分子

MHCクラスI分子は,全ての有核細胞表面上に膜貫通型糖タンパク質として存在する。本来のクラスI分子は,β2ミクログロブリン分子に結合したα重鎖から成る。この重鎖には,2個のペプチド結合ドメイン,1個のIg様ドメイン,および細胞質側末端を伴う1カ所の膜貫通領域がある。クラスI分子の重鎖は,HLA-A,HLA-B,およびHLA-C座の遺伝子によってコードされている。CD8分子を発現するT細胞はMHCクラスI分子に反応する。これらのリンパ球は,細胞傷害性機能を有することが多く,どのような感染細胞でも認識できるようになる必要がある。いずれの有核細胞もMHCクラスI分子を発現しているため,全ての感染細胞はCD8陽性T細胞(CD8はクラスI分子重鎖の非多形部分に結合する)に対して抗原提示細胞として振る舞うことができる。一部のMHCクラスI遺伝子は,HLA-G(母体の免疫応答から胎児を守る役割を果たしている可能性がある)およびHLA-E(ナチュラルキラー[NK]細胞上の特定の受容体にペプチドを提示する)などの非古典的なMHC分子をコードする。

MHCクラスII分子は通常,プロフェッショナル抗原提示細胞(B細胞,マクロファージ,樹状細胞,ランゲルハンス細胞),胸腺上皮,および活性化(ただし静止状態ではない)T細胞のみが発現している;ほとんどの有核細胞はインターフェロン(IFN)-γによってMHCクラスII分子の発現が誘導されうる。MHCクラスII分子は2本のポリペプチド(αおよびβ)鎖から成る;それぞれの鎖は,ペプチド結合ドメイン,Ig様ドメイン,および細胞質側末端を伴う膜貫通領域を有する。両ポリペプチド鎖は,6番染色体のHLA-DP,HLA-DQまたはHLA-DR領域の遺伝子によってコードされている。クラスII分子に反応するT細胞はCD4を発現し,ヘルパー細胞であることが多い。

ゲノムのMHCクラスIII領域は炎症に重要ないくつかの分子をコードしている;その中には,補体成分のC2,C4,およびB因子,腫瘍壊死因子(TNF)α,リンホトキシン,ならびに3種類の熱ショックタンパク質がある。

HLAクラスIおよびクラスII遺伝子座でコードされている血清学的に定義された個々の抗原には,標準的な名称が与えられている(例,HLA-A1,HLA-B5,HLA-C1,HLA-DR1)。DNA配列決定法によって定義されたアレル(対立遺伝子)は,遺伝子を識別する名称が付けられ,その後に,アスタリスク,アレル群を代表する数字(そのアレルによってコードされる血清学的な抗原に対応していることが多い),コロン,および特異的アレルを代表する数字が続く(例,A*02:01,DRB1*01:03,DQA1*01:02)。ときにコロンの後ろに,同一のタンパク質をコードするアレル異型を識別するための追加の番号を加えて,もう1つのコロンの後ろに,イントロンまたは5’もしくは3’非翻訳領域における多型を示すための他の番号を加える(例,A*02:101:01:02,DRB1*03:01:01:02)。

MHCクラスIおよびII分子は免疫原性が最大の抗原で,同種移植の拒絶反応で認識される。最強の決定基はHLA-DRで,続いてHLA-BおよびHLA-Aである。そのため,これら3遺伝子座は,ドナーとレシピエントの適合に最も重要である。

一部の自己免疫疾患は,特異的HLAアレルと関連する―例を以下に示す:

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