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Splenic sequestrationによる血小板減少症

執筆者:

David J. Kuter

, MD, DPhil, Harvard Medical School

レビュー/改訂 2020年 6月
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血小板のsplenic sequestrationの亢進は, 脾腫 脾腫 脾腫とは,脾臓が異常に腫大した状態である。 ( 脾臓の概要も参照のこと。) 脾腫はほぼ常に,他の疾患による二次的なものである。脾腫の原因は無数にあるため,可能な分類法も多くある( 脾腫の一般的な原因の表を参照)。温帯気候で最も一般的な原因は,以下のものである: 骨髄増殖性腫瘍 リンパ増殖性疾患 さらに読む を来す様々な疾患で発生することがある。ただし,進行した 肝硬変 肝硬変 肝硬変は,正常な肝構築が広範に失われた 肝線維化の後期の病像である。肝硬変は,密な線維化組織に囲まれた再生結節を特徴とする。症状は何年も現れないことがあり,しばしば非特異的である(例,食欲不振,疲労,体重減少)。後期の臨床像には, 門脈圧亢進症, 腹水,代償不全に至った場合の 肝不全などがある。診断にはしばしば肝生検が必要となる。肝硬変は通常,不可逆的と考えられている。治療は支持療法である。... さらに読む で生じる血小板減少症は,splenic sequestrationではなく,主に肝臓でのトロンボポエチン産生の低下(およびその結果としての血小板産生減少)に起因する(1 総論の参考文献 血小板のsplenic sequestrationの亢進は, 脾腫を来す様々な疾患で発生することがある。ただし,進行した 肝硬変で生じる血小板減少症は,splenic sequestrationではなく,主に肝臓でのトロンボポエチン産生の低下(およびその結果としての血小板産生減少)に起因する( 1)。( 血小板疾患の概要も参照のこと。) 脾腫を引き起こしている疾患が同時に血小板産生を障害している場合(例,骨髄化生を伴う骨髄線維症にみられ... さらに読む )。(血小板疾患の概要 血小板疾患の概要 血小板は,凝固系で機能する細胞片である。トロンボポエチンは,その細胞質から血小板を産生・分離する巨核球を産生するよう骨髄を刺激することによって,循環血小板の数をコントロールすることに役立っている。トロンボポエチンは,肝臓において一定のペースで産生され,その循環血中濃度は,循環血小板が除去される程度のほか,おそらく骨髄の巨核球によって規定さ... さらに読む 血小板疾患の概要 も参照のこと。)

脾腫を引き起こしている疾患が同時に血小板産生を障害している場合(例,骨髄化生を伴う骨髄線維症にみられる)を除き,血小板数は通常30,000/μLを上回る。

捕捉された血小板はストレス下で脾臓から放出される。そのため,splenic sequestrationのみに起因する血小板減少症が出血を引き起こすことはまれである。

肝機能が正常な患者では,脾臓摘出により血小板減少症が是正される;しかし,骨髄不全の合併による重度の血小板減少症が認められない限り,脾臓摘出が適応となることはない。

総論の参考文献

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