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腫瘍抗原

執筆者:

Dmitry Gabrilovich

, MD, PhD, Department of Pathology and Laboratory Medicine, Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2019年 4月

多くの腫瘍細胞が抗原を産生し,血流に放出されたり,細胞表面上に発現したりしている。免疫系によって認識される可能性がある全ての分子が抗原とみなされる。バーキットリンパ腫 バーキットリンパ腫 バーキットリンパ腫は,小児および成人にみられるアグレッシブB細胞リンパ腫である。病型として風土病型(アフリカ人),散発型(非アフリカ人),および免疫不全型がある。 (リンパ腫の概要も参照のこと。) 古典的バーキットリンパ腫は,中央アフリカで風土病となっており,米国では小児リンパ腫の30%を占めている。アフリカに多い風土病型は,下顎または顔... さらに読む バーキットリンパ腫 神経芽腫 神経芽腫 神経芽腫は,副腎から,またはより頻度は低いが後腹膜,胸部,頸部を含む副腎外の交感神経鎖から発生するがんである。診断は生検により確定される。治療には外科的切除,化学療法,放射線療法,造血幹細胞移植併用大量化学療法,シス-レチノイン酸投与,免疫療法などがある。 神経芽腫は,乳児のがんとして最も多くみられるものである。神経芽腫のほぼ90%が5歳... さらに読む 黒色腫 黒色腫 悪性黒色腫は,色素のある部位(例,皮膚,粘膜,眼,中枢神経系)のメラノサイトから発生する。転移は真皮浸潤の深さと相関する。進展した場合の予後は不良である。診断は生検による。手術可能な腫瘍には広範な外科的切除を行うのが原則である。転移例には全身療法が必要であるが,治癒は困難である。... さらに読む 黒色腫 骨肉腫 骨肉腫(骨原性肉腫) 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には,多発性骨髄腫,骨肉腫,アダマンチノーマ,軟骨肉腫,脊索腫,骨のユーイング肉腫,線維肉腫および未分化多形肉腫,骨のリンパ腫,悪性巨細胞腫などがある。(骨と関節の腫瘍の概要および白血病の概要も参照のこと。)... さらに読む 骨肉腫(骨原性肉腫) 腎細胞癌 腎細胞癌 腎細胞癌(RCC)は,最も頻度の高い腎癌である。症状としては,血尿,側腹部痛,触知可能な腫瘤,不明熱などがみられる。しかしながら,症状はしばしば認められないため,診断は通常所見の偶然の発見に基づいて疑われる。診断はCTまたはMRI,ときに生検により確定される。治療は早期疾患に対しては手術,進行した疾患に対しては分子標的療法,実験的プロトコ... さらに読む 乳癌 乳癌 乳癌は乳管や小葉の腺性の乳腺細胞を侵す。大半の患者に無症状の腫瘤があり,それらは診察やスクリーニングのマンモグラフィーで発見される。診断は生検により確定される。治療は通常,外科的切除と,しばしば放射線療法を併用し,場合によりアジュバント化学療法,ホルモン療法,またはその両方を施行する。... さらに読む 乳癌 前立腺癌 前立腺癌 前立腺癌は通常腺癌である。典型的には,腫瘍の増殖によって血尿や疼痛を伴う閉塞が引き起こされるまで,症状はみられない。診断は直腸指診または前立腺特異抗原測定によって示唆され,経直腸的超音波生検によって確定される。スクリーニングについては議論があり,意思決定の共有が行われるべきである。大部分の前立腺癌患者の予後は,特に癌が限局または局在する場... さらに読む 肺癌 肺癌 肺癌は世界におけるがん関連死因の第1位である。約85%の症例に喫煙の関連がみられる。症状としては,咳嗽,胸部不快感または胸痛,体重減少などのほか,頻度は低いものの喀血もありうるが,多くの患者では何の臨床症状もないまま転移を来す。診断は,典型的には胸部X線またはCTによって行い,生検によって確定する。治療には,病期に応じ手術,化学療法,放射... さらに読む 肺癌 結腸癌 大腸癌 大腸癌は極めてよくみられる。症状としては血便や排便習慣の変化などがある。いくつかある方法のうち1つを用いたスクリーニングを,適切な集団に対して行うことが推奨される。診断は大腸内視鏡検査による。治療は外科的切除とリンパ節転移に対する化学療法である。 米国では,大腸癌の年間症例数は推定140... さらに読む 大腸癌 などのヒト悪性腫瘍のほとんどで抗原が同定されている。免疫系の重要な役割は,これらの抗原を検出し,その後の根絶に向けての標的化を可能にすることである。しかしながら,腫瘍抗原の異物としての構造にもかかわらず,それに対する免疫応答は様々であり,多くの場合,腫瘍増殖を阻止するには不十分である(腫瘍に対する宿主応答 腫瘍に対する宿主応答 異種抗原に対する免疫応答は,以下の機序から構成される: 液性(例,抗体) 細胞性 (腫瘍抗原も参照のこと。) 大半の液性免疫応答では腫瘍増殖を阻止することはできない。しかしながら,T細胞,マクロファージ,ナチュラルキラー細胞などのエフェクター細胞は,比較的強力な殺腫瘍能力を有している。エフェクター細胞の活性は,膜表面上に腫瘍特異的抗原(T... さらに読む も参照)。

腫瘍関連抗原(TAA)は,腫瘍細胞に比較的限定された抗原である。

腫瘍特異抗原(TSA)は,腫瘍細胞に特有な抗原である。

TSAおよびTAAは通常,主要組織適合抗原複合体の一部として細胞表面に発現している細胞内分子の断片である。

腫瘍抗原が発生する機序としては,以下のものが提唱されている:

  • ウイルスから新たな遺伝子情報が導入される(例,子宮頸癌におけるヒトパピローマウイルスE6およびE7タンパク質)

  • 発がん物質によるがん遺伝子またはがん抑制遺伝子の変異は,新たなタンパク質配列を直接創出するか,それらのタンパク質の蓄積を誘導することにより,新たな抗原の形成(新たなタンパク質配列またはrasやp53のように正常であれば発現しないか極めて発現量が少ないタンパク質の蓄積)をもたらす

  • がん抑制遺伝子またはがん遺伝子とは直接関連しない様々な遺伝子におけるミスセンス変異の発生が,細胞表面上への腫瘍特異的な新しい抗原の発現につながる

  • 正常であればかなり量が少ないタンパク質(例,前立腺特異抗原,黒色腫関連抗原)または胚発生期のみに発現するタンパク質(がん胎児抗原)の濃度が異常に上昇する

  • 腫瘍細胞で細胞膜の恒常性が損なわれたために,正常であれば細胞膜内に埋もれている抗原が露出する

  • 腫瘍細胞が死滅する際に,正常であれば細胞内または細胞内小器官内に隔離されている抗原が放出する

参考文献

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