Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

腫瘍の免疫診断

執筆者:

Dmitry Gabrilovich

, MD, PhD, Department of Pathology and Laboratory Medicine, Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2019年 4月
患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
  • 腫瘍組織のみから放出される

  • 特定の種類の腫瘍に特異的である

  • 腫瘍細胞量が少なくても検出できる

  • 腫瘍細胞量と直接相関する

  • その腫瘍の患者全員で認められる

ほとんどの腫瘍は検出可能な抗原性高分子を循環血中に放出するが,がんの早期診断や集団検診プログラムに使用できる十分な特異度または感度をもたらす必須の特徴を全て備えた腫瘍マーカーは存在しない。

がん胎児抗原(CEA)は,結腸癌のほか,正常な胎児の腸,膵臓,および肝臓に存在するタンパク質-多糖類複合体である。結腸癌 大腸癌 大腸癌は極めてよくみられる。症状としては血便や排便習慣の変化などがある。いくつかある方法のうち1つを用いたスクリーニングを,適切な集団に対して行うことが推奨される。診断は大腸内視鏡検査による。治療は外科的切除とリンパ節転移に対する化学療法である。 米国では,大腸癌の年間症例数は推定140,250例,年間死亡数は50,630例である(1)。およそ40~50歳で発生率が急激に高まる。全症例の半数以上が直腸およびS状結腸で発生し,95%は腺癌... さらに読む 大腸癌 患者では血中濃度が上昇するが,ヘビースモーカーに加え,肝硬変 肝硬変 肝硬変は,正常な肝構築が広範に失われた肝線維化の後期の病像である。肝硬変は,密な線維化組織に囲まれた再生結節を特徴とする。症状は何年も現れないことがあり,しばしば非特異的である(例,食欲不振,疲労,体重減少)。後期の臨床像には,門脈圧亢進症,腹水,代償不全に至った場合の肝不全などがある。診断にはしばしば肝生検が必要となる。肝硬変は通常,不可逆的と考えられている。治療は支持療法である。... さらに読む 潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎は,大腸粘膜を侵す炎症性かつ潰瘍性の慢性疾患で,ほとんどの場合に血性下痢を特徴とする。腸管外合併症が発生することがあり,特に関節炎がよくみられる。結腸癌の長期リスクが非罹患者と比較して高くなる。診断は大腸内視鏡検査による。治療はメサラジン,コルチコステロイド,免疫調節薬,生物製剤,および抗菌薬のほか,ときに手術である。 (炎症性腸疾患の概要も参照のこと。) 潰瘍性大腸炎は通常,直腸から始まる。直腸に限局することもあれば(潰瘍... さらに読む 潰瘍性大腸炎 ,その他のがん(例,乳癌 乳癌 乳癌は乳管や小葉の腺性の乳腺細胞を侵す。大半の患者に無症状の腫瘤があり,それらは診察やスクリーニングのマンモグラフィーで発見される。診断は生検により確定される。治療は通常,外科的切除と,しばしば放射線療法を併用し,場合によりアジュバント化学療法,ホルモン療法,またはその両方を施行する。 米国では,白人,黒人,アジア系/太平洋諸島系,およびアメリカンインディアン/アラスカ先住民の女性において,乳癌は癌による死亡原因として2番目に多いが(肺... さらに読む 乳癌 膵癌 膵癌 膵癌は主として膵管腺癌であり,米国での年間の症例数は55,440例,死亡例数は43,330例と推定されている(1)。症状としては体重減少,腹痛,黄疸などがある。診断はCT,超音波内視鏡検査,およびMRIによる。治療は外科的切除と化学療法および放射線療法によるアジュバント療法である。膵癌は診断時点で進行している場合が多いため,予後は不良である。 ほとんどの膵癌は,膵管細胞および腺房細胞から発生する外分泌腫瘍である。膵内分泌腫瘍については,... さらに読む 膀胱癌 膀胱癌 膀胱癌は通常,移行上皮癌(尿路上皮癌)である。通常は血尿(最も多い)または頻尿や尿意切迫などの刺激性排尿症状がみられ,続いて尿路閉塞により疼痛が生じる可能性がある。診断は膀胱鏡検査および生検による。治療は,高周波治療,経尿道的切除術,膀胱内注入,根治的手術,化学療法,外照射療法,またはこれらの組合せによる。... さらに読む 膀胱癌 卵巣がん 卵巣がん 卵巣がんは通常,診断時には進行しているため,致死的となることが多い。通常,症状は早期にはなく,進行期にも非特異的である。評価として通常,超音波検査,CTまたはMRI,および腫瘍マーカー(例,CA125)の測定を行う。診断は組織学的分析による。進行期診断は外科的に行う。治療として,子宮摘出術,両側卵管卵巣摘出術,浸潤病変の可能な限りの切除(腫瘍減量手術)が必要であり,がんが限局性である場合を除き,化学療法が必要である。... さらに読む 子宮頸癌 子宮頸癌 子宮頸癌は,多くは扁平上皮癌であり,ヒトパピローマウイルス感染により引き起こされる;頻度は低いが腺癌であることもある。子宮頸部腫瘍は無症状である;早期子宮頸癌の最初の症状は通常,不正性器出血,しばしば性交後の性器出血である。診断は,頸部パパニコロウ検査および生検による。進行期診断は臨床的に行う。治療は通常,早期疾患に対しては外科的切除,局所進行例には放射線療法に加え化学療法が行われる。広範に転移している場合は,化学療法が単独で用いられる... さらに読む 子宮頸癌 )の患者でも陽性となるため,特異度は比較的低い。CEA値のモニタリングは,最初にCEAが上昇していた患者で腫瘍切除後の再発を検出するため,および病期分類による予後の推定を改善するために有用な場合がある。

ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニット(β-hCG)は,免疫測定法により測定され,妊娠絨毛性腫瘍 妊娠性絨毛性疾患 妊娠性絨毛性疾患は,妊婦または最近まで妊娠していた女性におけるトロホブラストの増殖である。症状として,特に妊娠早期に,過度の子宮腫大,嘔吐,性器出血,および妊娠高血圧腎症が現れうる。診断には,ヒト絨毛性ゴナドトロピンβサブユニットの測定,骨盤内超音波検査を含み,生検による確定を行う。腫瘍は吸引掻爬により除去する。疾患が除去後も継続する場合には,化学療法の適応となる。 妊娠性絨毛性疾患は,胚盤胞を取り囲み絨毛膜および羊膜へと発達する細胞で... さらに読む 妊娠性絨毛性疾患 (GTN)―胞状奇胎,非転移性GTN,転移性GTNを含む疾患スペクトラムの女性,および精巣胎芽性癌または絨毛癌の約3分の2の男性における主要な臨床マーカーである。βサブユニットは,hCGに特異的であることから,測定される。このマーカーは,健常者でも低濃度で認められる。妊娠中に上昇する。

前立腺特異抗原(PSA)は,前立腺の腺管上皮細胞にみられる糖タンパク質であり,健康な男性の血清中にも低濃度で検出される。適切な正常上限を採用すれば,モノクローナル抗体を用いた測定により,たとえ明らかな転移病変が存在せずとも,進行前立腺癌 前立腺癌 前立腺癌は通常腺癌である。典型的には,腫瘍の増殖によって血尿や疼痛を伴う閉塞が引き起こされるまで,症状はみられない。診断は直腸指診または前立腺特異抗原測定によって示唆され,経直腸的超音波生検によって確定される。スクリーニングについては議論があり,意思決定の共有が行われるべきである。大部分の前立腺癌患者の予後は,特に癌が限局または局在する場合(通常は症状の発生前),非常に良好であり,前立腺癌で死亡する患者と比較してそれ以外の原因で死亡する... さらに読む 患者の約90%においてPSAの血清中濃度の上昇が検出される。PSAの感度は,前立腺酸性ホスファターゼよりも高い。ただし,他の疾患(例,前立腺肥大症,前立腺炎,泌尿生殖器に対する最近の器具操作)でもPSAが上昇するため,特異度は低い。PSAは,前立腺癌と診断され,治療を行った後の再発のモニタリングに使用可能である。

クロモグラニンAは,カルチノイド カルチノイド腫瘍の概要 カルチノイド腫瘍は,消化管(90%),膵臓,および肺気管支の神経内分泌細胞から発生する。消化管カルチノイド全体の95%以上が虫垂,回腸,直腸という3カ所から発生する。 カルチノイドはしばしば良性であるか,浸潤性であっても限局的であるが,回腸および気管支を侵すものは悪性であることが多い。... さらに読む およびその他の神経内分泌腫瘍のマーカーとして用いられる。神経内分泌腫瘍に対する感度および特異度は,75%を超えることがあり,診断精度は,限局性腫瘍よりもびまん性腫瘍で高い。肺癌および前立腺癌などの他のがんに加え,一部の良性疾患(例,本態性高血圧症,慢性腎臓病,慢性萎縮性胃炎)で高値となることがある。

TA-90は,高い免疫原性を示す尿中の腫瘍関連抗原のサブユニットであり,黒色腫,軟部肉腫,乳癌,結腸癌,および肺癌の70%で認められる。TA-90の値により黒色腫の手術後の生存期間および無症候性病変の存在を正確に予測できることを示した研究もある。

患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
家庭版で同じトピック をみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP