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癌における悪液質

執筆者:

Bruce A. Chabner

, MD, Massachusetts General Hospital Cancer Center;


Elizabeth Chabner Thompson

, MD, MPH, BFFL Co

最終査読/改訂年月 2013年 7月

悪液質は,脂肪組織と骨格筋の両方が消耗する病態である。多くの疾患で発生し,多くの癌において寛解または病勢制御に失敗した場合によくみられる。一部の癌,特に膵癌および胃癌では,深刻な悪液質を生じる。悪液質の患者は,体重が10~20%減少することがある。男性は女性と比べて,癌の結果としての悪液質がより重度となる傾向がある。腫瘍の大きさによっても,転移巣の範囲によっても,悪液質の程度は予測されない。悪液質に伴い,化学療法に対する反応低下,機能的能力の悪化,および死亡率の上昇がみられる。

悪液質の主な原因は,食欲不振またはカロリー摂取量の減少ではない。むしろ,この複雑な代謝状態が組織異化の亢進に関与している;タンパク合成が減少し,タンパク分解が増加する。悪液質は,ある種のサイトカイン,特に腫瘍細胞および組織腫瘤中の宿主細胞によって産生される腫瘍壊死因子α,IL-1b,およびIL-6によって引き起こされる。同様に,ATP-ユビキチン-プロテアーゼ経路も関与している。

悪液質は,主に体重減少によって確認しやすく,顔面の側頭筋喪失が最も明白である。皮下脂肪の喪失により骨隆起部の褥瘡のリスクが増大する。

治療

治療は癌治療に関係する。癌がコントロールまたは治癒できれば,方法にかかわらず,悪液質は消退する。

カロリー補給を追加しても悪液質は緩和されない。体重増加がみられたとしても通常はわずかであり,筋肉よりもむしろ脂肪組織の増加による可能性が高い。機能も予後も改善されない。そのため,癌で悪液質がみられる患者のほとんどに対して高カロリー補給は推奨されず,十分な栄養が経口摂取できない状況を除いて静脈栄養の適応はない。

一方で,他の治療により悪液質を軽減し,機能を改善できる可能性がある。コルチコステロイドでは,食欲が増進して健康感が改善する場合があるが,体重はほとんど増加しない。同様に,カンナビノイド(マリファナ,ドロナビノール)でも食欲が増進するが,体重は増加しない。プロゲストゲンでは,酢酸メゲストロール40mgの1日2回または1日3回投与などで食欲および体重の両方が増加することがある。サイトカインの産生および作用を変化させる薬剤が研究段階にある。

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