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まれな遺伝性凝固障害

執筆者:

Joel L. Moake

, MD, Baylor College of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 9月
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凝固障害の概要も参照のこと。)

血友病以外の遺伝性凝固障害は,ほとんどがまれな常染色体劣性遺伝性疾患であり,ホモ接合体でのみ過度の出血を引き起こす( 遺伝性血液凝固障害のスクリーニングにおける臨床検査結果)。まれな遺伝性凝固障害によって,第II,第V,第VII,第X,第XI,および第XIII因子が侵されることがある。そのうち,第XI因子欠乏症が最も一般的である。

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遺伝性血液凝固障害のスクリーニングにおける臨床検査結果

スクリーニング検査結果*

異常

備考

PTT延長

PT正常

第XII因子,高分子キニノーゲン,またはプレカリクレイン

臨床的出血を伴わない臨床検査値異常

外傷後および周術期の出血が起こりうる第XI因子欠乏症との鑑別に特異的検査が必要

PTT延長

PT正常

第XI因子

常染色体劣性

アシュケナージ系ユダヤ人において高頻度

外傷後および周術期の出血

特異的検査による診断

出血に対して:正常値の30%を超える第XI因子濃度を維持するために新鮮凍結血漿5~20mL/kg/日

PTT延長

PT正常

第VIII因子または第IX因子

第VIII因子欠乏症(血友病A

第IX因子欠乏症(血友病B

X連鎖遺伝

男性では,第VIIIまたはIX因子濃度に応じて軽度または重度の出血

PTT正常

PT延長

第VII因子

常染色体劣性

まれ

欠乏症が重度の場合(正常値の2%未満),重篤な出血

濃度が5%を超える場合,軽度の出血または出血なし

選択すべき治療:遺伝子組換え活性化第VII因子

PTT延長

PT延長

第X因子,第V因子,またはプロトロンビン

常染色体劣性

まれ

軽度から重度の出血

特異的検査により診断

第X因子またはプロトロンビン欠乏症による出血エピソードに対して:新鮮凍結血漿またはプロトロンビン複合体濃縮製剤

第V因子欠乏症の治療:新鮮凍結血漿,場合により血小板濃厚液を併用(血小板第V因子を補充するため)

無フィブリノーゲン血症(フィブリノーゲンが10mg/dL未満)では,機械での最終反応が起こらないため,PTTまたはPTで凝固が生じない

低フィブリノーゲン血症(フィブリノーゲンが70~100mg/dL)では,PTTおよびPTがしばしば数秒間延長し,トロンビン時間が延長する

フィブリノーゲン

無フィブリノーゲン血症(ホモ接合体)における重度の出血

低フィブリノーゲン血症(ヘテロ接合体)における外傷後および周術期の出血

治療:クリオプレシピテート(5~10袋,1袋にフィブリノーゲン約250mg含有)

PTTおよびPT延長

トロンビン時間延長

異常フィブリノーゲン血症

様々な症状(無出血,または軽度にとどまる外傷後および周術期の出血,血栓症の傾向,創傷離開)

フィブリノーゲンは凝固測定で低値であるが,免疫学的測定では正常

PTT正常

PT正常

トロンビン時間正常

5M尿素で血栓溶解

第XIII因子

常染色体劣性

まれ

創傷治癒不良

女性の自然流産

濃度が正常値の1%未満の場合,重度の出血

治療:新鮮凍結血漿(第XIII因子の半減期は約10日であるため,4~6週毎に1~2単位が効果的)

PTTおよびPT正常

5M尿素または生理食塩水で血栓溶解時間短縮

α2-アンチプラスミン欠乏症

ホモ接合体で重度の出血

ヘテロ接合体で外傷後および周術期の出血

確定診断には特異的検査が必要

*PTの結果は典型的にINRで報告される。

第XI因子欠乏症

第XI因子欠乏症は,一般集団においてまれであるが,欧州系ユダヤ人の子孫にはよくみられる(遺伝子頻度は約5~9%)。出血は,ホモ接合体または複合ヘテロ接合体の人で,外傷または外科手術を含む重大な傷害後に典型的に発生する。

α2-アンチプラスミン欠乏症

プラスミンの主要な生理的阻害因子であるα2アンチプラスミンの重度の欠乏症(正常濃度の1~3%)でも,プラスミンを介したフィブリンポリマーのタンパク分解が制御できなくなり,出血を起こすことがある。診断は,α2アンチプラスミンの特異的測定に基づく。プラスミノーゲンのフィブリンポリマーへの結合を阻害することで急性出血をコントロールまたは予防するために,アミノカプロン酸またはトラネキサム酸が使用されている。α2アンチプラスミン濃度が正常値の40~60%であるヘテロ接合体の人では,二次線溶が過剰な場合(例,開腹による前立腺摘除術中に過剰な量のウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターが放出された患者),ときに手術時の過度の出血を起こすことがある。

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