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高比重リポタンパク(HDL)濃度高値

執筆者:

Anne Carol Goldberg

, MD, Washington University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2015年 8月

高比重リポタンパク(HDL) 濃度高値とは,HDLコレステロールが80mg/dL超(2.1mmol/L超)である場合をいう。

HDLコレステロール高値は通常,心血管リスクの低下と相関するが,一部の遺伝性疾患によるHDLコレステロール高値は,心血管疾患の予防に役立たない可能性があり,これはおそらく脂質異常および代謝異常を随伴するためであると考えられる。

HDL高値の原発性の原因は,HDLの産生過剰またはクリアランス低下をもたらす単一または複数の遺伝子変異である。HDLコレステロール高値の二次性の原因としては以下のものがある:

  • 肝硬変を伴わない慢性アルコール中毒

  • 原発性胆汁性肝硬変

  • 甲状腺機能亢進症

  • 薬剤(例,コルチコステロイド,インスリン,フェニトイン)

脂質低下薬を使用していない患者でHDLコレステロールの予期しない高値が発見されたときには,AST,ALT,および甲状腺刺激ホルモンを測定して二次性の原因の診断的評価を進める;評価結果が陰性であれば,原発性の原因の可能性が示唆される。

コレステロールエステル転送タンパク(CETP)欠損症は,CETP遺伝子の変異によって引き起こされるまれな常染色体劣性遺伝疾患である。CETPはHDLから他のリポタンパクへのコレステロールエステル移送を促進するが,CETPの欠損は低比重リポタンパク(LDL)コレステロールに影響し,HDLのクリアランスを遅延させる。罹患者には症状または徴候はみられないが,HDLコレステロール値は150mg/dL(3.9mmol/L)を上回る。心血管疾患からの保護作用は証明されていない。治療の必要はない。

家族性高αリポタンパク血症は常染色体優性遺伝疾患で,アポタンパクA-I過剰産生およびアポタンパクC-III変異体をもたらす遺伝子変異の他,未確認のものを含む様々な遺伝子変異によって引き起こされる。本疾患は通常,血漿HDLコレステロール濃度が80mg/dLを上回るときに偶然診断される。罹患者はその他の症状や徴候を呈さない。治療の必要はない。

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