多発性内分泌腫瘍症(MEN)の概要

(家族性内分泌腺腫症,多発性内分泌腺腫症)

執筆者:Patricia A. Daly, MD, University of Virginia;
Lewis Landsberg, MD, Northwestern University Feinberg School of Medicine
レビュー/改訂 2019年 3月
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    多発性内分泌腫瘍症(MEN)は遺伝的に異なる3つの家族性疾患から成り,いくつかの内分泌腺における腺腫様過形成および悪性腫瘍を伴う。

    • MEN 1では,主に副甲状腺の過形成またはときに腺腫(その結果副甲状腺機能亢進症が生じる)ならびに膵島細胞および/または下垂体の腫瘍を認める。

    • MEN 2Aでは,主に甲状腺髄様癌,褐色細胞腫,副甲状腺の過形成またはときに腺腫(その結果副甲状腺機能亢進症が生じる)のほか,ときに皮膚アミロイド苔癬を認める。

    • MEN 2Bでは,主に甲状腺髄様癌,褐色細胞腫,複数の粘膜および腸管の神経腫,ならびにマルファン症候群様体型を認める。

    臨床的特徴はどの腺が侵されるかによって異なる。

    表&コラム

    いずれの症候群も常染色体優性遺伝形質として継承され,浸透率が高く,表現度は様々であり,単一変異遺伝子に起因する一見互いに無関連な複数の症候を来す。特定の遺伝子変異が知られていないものもある。

    症状および徴候はいかなる年齢でも発現する。適切な管理は,家系内での罹患者を早期同定することで,可能なときには腫瘍の外科的切除も行う。これらの症候群は遺伝的および臨床的に区別されているが,大幅な重複がみられる(多発性内分泌腫瘍症に伴う病態の表を参照)。

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