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二次性副腎機能不全

執筆者:

Ashley B. Grossman

, MD, University of Oxford; Fellow, Green-Templeton College

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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二次性副腎機能不全は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏による副腎機能低下である。症状はアジソン病 アジソン病 アジソン病は潜行性で通常は進行性の副腎皮質の機能低下である。低血圧,色素沈着など種々の症状を引き起こし,心血管虚脱を伴う副腎クリーゼにつながる恐れがある。診断は臨床的に行われ,血漿副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)高値および血漿コルチゾール低値の所見によってなされる。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンや,ときに他のホルモンを用いる。 (副腎機能の概要も参照のこと。)... さらに読む アジソン病 と同じで,疲労,筋力低下,体重減少,悪心,嘔吐,および下痢などがあるが,通常,循環血液量減少の程度は比較的小さい。診断は臨床的に行い,血漿コルチゾール低値を伴う血漿ACTH低値などの臨床検査所見による。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンを用いる。

二次性副腎機能不全は以下の状態で起こりうる:

  • 汎下垂体機能低下症

  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独の産生不全

  • コルチコステロイド使用患者(高用量コルチコステロイドの吸入投与,関節内投与,または外用を含め,投与経路は問わない)

  • コルチコステロイドの使用を中止した患者

ACTHの不足は,視床下部の下垂体でのACTH産生を刺激する機能が低下した結果生じる可能性もあり,これはときに三次性副腎機能不全と呼ばれる。

4週間を超えるコルチコステロイド投与を受けている患者では,代謝ストレス下でのACTH分泌量が不十分で,副腎を刺激し十分なコルチコステロイドの産生が得られないか,または副腎が萎縮しACTHに反応しない可能性がある。これらの問題はコルチコステロイドによる治療終了後1年まで続く可能性がある。

症状と徴候

症状と徴候はアジソン病 症状と徴候 アジソン病は潜行性で通常は進行性の副腎皮質の機能低下である。低血圧,色素沈着など種々の症状を引き起こし,心血管虚脱を伴う副腎クリーゼにつながる恐れがある。診断は臨床的に行われ,血漿副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)高値および血漿コルチゾール低値の所見によってなされる。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンや,ときに他のホルモンを用いる。 (副腎機能の概要も参照のこと。)... さらに読む 症状と徴候 のそれと似ており,具体的には疲労,脱力,体重減少,悪心,嘔吐,下痢などがみられる。鑑別に役立つ臨床的または一般的な臨床検査における特徴は,色素沈着がないこと,および電解質やBUN(血中尿素窒素)が比較的正常範囲内に収まっていることなどである;低ナトリウム血症は(もしあれば),通常は希釈性である。

診断

  • 血清コルチゾール

  • 血清ACTH

  • ACTH刺激試験

  • 中枢神経系の画像検査

原発性と二次性の副腎機能不全を鑑別する検査についてはアジソン病 診断 アジソン病は潜行性で通常は進行性の副腎皮質の機能低下である。低血圧,色素沈着など種々の症状を引き起こし,心血管虚脱を伴う副腎クリーゼにつながる恐れがある。診断は臨床的に行われ,血漿副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)高値および血漿コルチゾール低値の所見によってなされる。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンや,ときに他のホルモンを用いる。 (副腎機能の概要も参照のこと。)... さらに読む 診断 の項で考察されている。二次性副腎機能不全(二次性副腎機能不全の診断確定のための血清検査 二次性副腎機能不全の診断確定のための血清検査 二次性副腎機能不全は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏による副腎機能低下である。症状はアジソン病と同じで,疲労,筋力低下,体重減少,悪心,嘔吐,および下痢などがあるが,通常,循環血液量減少の程度は比較的小さい。診断は臨床的に行い,血漿コルチゾール低値を伴う血漿ACTH低値などの臨床検査所見による。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンを用いる。 (副腎機能の概要も参照のこと。)... さらに読む の表を参照)が確定した患者には脳のCTまたはMRIを施行し,下垂体の腫瘍や萎縮を除外すべきである。

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長期コルチコステロイド療法の漸減中または中止後に視床下部-下垂体-副腎系 内分泌系の概要 内分泌系は,内分泌腺内の特定の種類の細胞から血流中に放出される化学物質であるホルモンによって,様々な臓器の機能を調整する。一度循環血中に入ると,ホルモンは標的組織(他の内分泌腺であることもあれば,臓器であることもある)の機能に影響を及ぼす。分泌元の臓器の細胞に影響するホルモンもあれば(パラクリン作用),同じ種類の細胞に作用するホルモンもあ... さらに読む が正常に機能しているかは,テトラコサクチド250μgを静注または筋注することで確認できる。投与後30分の時点で,血清コルチゾール値が20μg/dL(552nmol/L)を超えるはずであるが,具体的な値は採用する測定法にいくぶん依存して変動する。低血糖を誘発してコルチゾール値を上昇させるインスリン負荷試験は,多くの施設において視床下部-下垂体-副腎系の機能を検査する標準的手法とされているが,重度の遷延性低血糖を避けるには注意深いモニタリングが必要である。

副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)試験を用いて原因が視床下部性か下垂体性かを識別できるが,臨床ではまれにしか行われない。CRHを100μg(または1μg/kg)静注すると,正常な反応では血漿ACTH値が30~40pg/mL(6.6~8.8pmol/L)上昇するが,下垂体機能不全患者は反応せず,一方で視床下部疾患の患者は通常反応を示す。

治療

  • ヒドロコルチゾンまたはプレドニゾン

  • フルドロコルチゾンは適応とならない

  • 疾患併発時の用量増量

グルココルチコイドの補充は,アジソン病 治療 アジソン病は潜行性で通常は進行性の副腎皮質の機能低下である。低血圧,色素沈着など種々の症状を引き起こし,心血管虚脱を伴う副腎クリーゼにつながる恐れがある。診断は臨床的に行われ,血漿副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)高値および血漿コルチゾール低値の所見によってなされる。治療は原因に応じて異なるが,一般にはヒドロコルチゾンや,ときに他のホルモンを用いる。 (副腎機能の概要も参照のこと。)... さらに読む 治療 について記載した方法と同様である。具体的なホルモン欠乏の種類と程度は各症例で異なる。正常では,コルチゾール分泌は早朝に最大となり夜は最小となる。そのため,ヒドロコルチゾン(コルチゾールと同じ)は典型的な1日総用量である15~30mgを2回または3回に分割して投与する。1つの投与法として,総用量の半量を午前中に投与し,残りの半量を昼食時と夕方で分割して投与する(例,10mg,5mg,5mg)方法がある。また,3分の2を午前中に投与し,3分の1を夕方に投与することもある。不眠症をもたらすことがあるため,就寝直前の投与は一般に避けるべきである。あるいは,プレドニゾンを午前中に4~5mg経口投与し,場合により午後にも追加で2.5mg経口投与してもよい。急性熱性疾患時または外傷後に,内分泌疾患以外でコルチコステロイド投与を受けている患者では内因性ヒドロコルチゾン産生を増大させる目的でコルチコステロイドの追加投与が必要となることがある。

正常な副腎がアルドステロンを産生するため,フルドロコルチゾンは不要である。

要点

  • 二次性副腎機能不全では,下垂体性の原因,または頻度は低いが視床下部性の原因による副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏がみられる(コルチコステロイドの長期使用による抑制も含まれる)。

  • その他の内分泌腺機能低下症(例,甲状腺機能低下症,成長ホルモン欠乏症)が併存する場合がある。

  • アジソン病と異なり色素沈着は起こらず,血性ナトリウム値および血性カリウム値は比較的正常である。

  • ACTHおよびコルチゾールはいずれも低値である。

  • グルココルチコイドの補充が必要であるが,ミネラルコルチコイド(例,フルドロコルチゾン)は不要である。

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