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ビタミンB 6

(ピリドキシン)

執筆者:

Larry E. Johnson

, MD, PhD,

  • University of Arkansas for Medical Sciences
  • Central Arkansas Veterans Healthcare System

最終査読/改訂年月 2016年 9月
本ページのリソース

ビタミンの概要も参照のこと。)

ビタミンB6には,一群の密接に関連した複合体(ピリドキシン,ピリドキサール,ピリドキサミン)が含まれる。これらは体内でピリドキサールリン酸に代謝され,血液,中枢神経系,および皮膚代謝において多くの重要な反応に関わる補酵素として作用する。ビタミンB6は,ヘム生合成および核酸生合成,ならびに脂質,炭水化物,アミノ酸の代謝に重要である( ビタミンの供給源,機能,および作用)。

ビタミンB 6 欠乏症および依存症

ビタミンB6はほとんどの食物に含まれているため,食事による欠乏症はまれである。二次性欠乏症が,様々な病態に起因して生じることがある。症状としては,末梢神経障害,ペラグラ様症候群,貧血,痙攣発作などがあり,痙攣発作(特に乳児の場合)は抗てんかん薬で治療しても消失しないことがある。代謝障害(依存症)はまれである;代謝障害により痙攣発作,知的障害,貧血など様々な症状が起こる。診断は通常,臨床的に行う;ビタミンB6の状態を容易に評価する臨床検査はない。治療は,ビタミンB6の経口投与,および可能な場合は,原因の治療による。

病因

食事によるビタミンB6欠乏症は,まれではあるが,過剰な調理によって食物中のビタミンB6が枯渇しうるため発生する可能性がある。

二次性ビタミンB6欠乏症は,以下に挙げるものによって起こることが最も多い:

まれに,代謝要求の増大(例,甲状腺機能亢進症で)の結果として二次性欠乏症が生じる。

まれに生じる先天性代謝異常がピリドキシン代謝に影響を及ぼすことがある。

症状と徴候

ビタミンB6欠乏症により,末梢神経障害,ならびに脂漏性皮膚炎,舌炎,および口角炎を伴うペラグラ様症候群が起こり,成人では,抑うつ,錯乱,脳波異常,および痙攣発作が起こることもある。

まれに,乳児において,欠乏症または依存症により痙攣発作が起こる。痙攣発作は(特に乳児で)抗てんかん薬による治療に反応しないことがある。

正球性,小球性,または鉄芽球性貧血が発生することもある。

診断

  • 臨床的評価

以下の場合はビタミンB6欠乏症を考慮すべきである:

  • 痙攣発作がみられる全ての乳児

  • 抗てんかん薬による治療に反応しない痙攣発作がみられる全ての患者

  • 他のビタミンB群の欠乏症がある全ての患者,特にアルコール依存症またはタンパク質-エネルギー低栄養の患者

ビタミンB6欠乏症の診断は,通常,臨床的に行う。ビタミンB6の状態についての認められた臨床検査はなく,血清ピリドキサールリン酸の測定が最も一般的である。

パール&ピットフォール

  • 抗てんかん薬で乳児の痙攣発作が止まらない場合,可能性のあるビタミンB6欠乏症を治療するためにピリドキシン投与を考慮する。

治療

  • ピリドキシン

  • 可能な場合,危険因子の除去

二次性ビタミンB6欠乏症に対しては,可能であれば原因(例,ピリドキシンを不活化する薬剤の使用,吸収不良)を是正すべきである。

通常,ピリドキシン50~100mgを1日1回経口投与すれば,成人の欠乏症は是正される。イソニアジドを服用している患者の大半には,ピリドキシン30~50mg/日の1日1回経口投与も行うべきである。代謝要求の増大による欠乏症には,1日当たりの推奨摂取量を超える用量が必要になることがある。先天性代謝異常症の症例の大半には,高用量のピリドキシンが効果的となりうる。

要点

  • ビタミンB6欠乏症は通常,ピリドキシンを不活化する薬剤(例,イソニアジド),タンパク質-エネルギー低栄養,吸収不良,アルコール依存症,または過剰喪失によって引き起こされる。

  • 欠乏症により,末梢神経障害,脂漏性皮膚炎,舌炎,および口角炎が起こることがあり,成人では,抑うつ,錯乱,および痙攣発作が起こることがある。

  • 臨床所見に基づいて欠乏症を疑い,診断する。

  • 二次的原因を是正する,またはピリドキシンを補給する。

ビタミンB 6 中毒

大用量(500mg/日超)のピリドキシン摂取(例,効力は証明されていないが,手根管症候群または月経前症候群を治療するための服用)は,進行性の感覚性運動失調や重度の位置覚および振動覚障害などの,手袋靴下型に分布する末梢神経障害を引き起こすことがある。触覚,温度覚,および痛覚は影響を受けにくい。運動神経および中枢神経系は,通常侵されない。

ビタミンB6中毒の診断は臨床的に行う。

ビタミンB6中毒の治療はビタミンB6摂取の中止による。回復は緩徐であり,患者によっては完全に回復しない。

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