精神病とは,妄想,幻覚,まとまりのない思考および発語,現実との接触の喪失を示唆する奇異で不適切な行動(緊張病を含む)などの一連の症状を指す。
統合失調感情障害は,精神病症状と気分症状が併存する場合に考慮される。診断するには,全罹病期間の50%を超える期間で意味がある気分症状(抑うつ症状または躁症状)が存在しており,かつ統合失調症の症状(妄想,幻覚,まとまりのない発語,非常にまとまりのない行動または緊張病性の行動,陰性症状)が2つ以上併存していることが必要である。
統合失調感情障害を 統合失調症 統合失調症 統合失調症は,精神病(現実との接触の喪失),幻覚(誤った知覚),妄想(誤った確信),まとまりのない発語および行動,感情の平板化(感情の範囲の狭まり),認知障害(推理および問題解決の障害),ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが,遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。通常,症状は青年期または成人期早期に始まる。診断を下すには,6カ月以上持続する症状のエピソードが1回以上は認められなければならな... さらに読む および 気分障害 気分障害の概要 気分障害は,長期間にわたる過度の悲しみ,過度の喜び,またはその両方から成る情動の障害である。気分障害は小児や青年でも発症することがある( 小児および青年における抑うつ障害ならびに 小児および青年における双極性障害を参照)。 気分障害は以下のように分類される: 双極性障害 抑うつ障害群... さらに読む と鑑別するために,症状およびその進行を長期的に評価することが必要になる場合がある。
統合失調感情障害の治療
しばしば薬物療法,精神療法,および地域支援の組合せ
統合失調感情障害は長期的な能力障害につながることが多いため,総合的な治療(薬物療法,精神療法,および地域支援を含める)が必要になる場合が多い。
躁病型の治療には, 第2世代抗精神病薬 第2世代抗精神病薬 抗精神病薬は,神経伝達物質受容体に対する特異的な親和性と活性に基づいて,従来型抗精神病薬および第2世代抗精神病薬(SGA)に分類される。SGAは,効力の面で若干優れているという点(ただし,最近のエビデンスは薬物クラスとしてのSGA全体の利点には疑問を投げかけている)と,不随意運動や関連する 有害作用の可能性が低いという点で,ある程度優れている可能性がある。最近の研究結果からは,新規の作用をもつ新しい抗精神病薬,すなわち微量アミンおよびム... さらに読む で十分なことがあるが,十分でない場合は,リチウム,カルバマゼピン,またはバルプロ酸を追加することが役立つ場合がある。
抑うつ型の治療には,まず第2世代抗精神病薬を投与する。次に,精神病状態の陽性症状が安定したら,抑うつに治療が必要であれば抗うつ薬を導入すべきであり,安全性プロファイルの理由から,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が望ましい。