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摂食障害群に関する序論

執筆者:

Evelyn Attia

, MD, Columbia University Medical Center, New York State Psychiatric Institute;


B. Timothy Walsh

, MD, College of Physicians and Surgeons, Columbia University

最終査読/改訂年月 2014年 5月
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摂食障害群では,摂食または摂食に関連する行動に関して,以下のような持続的な障害が認められる:

  • 食物の摂取または吸収を変容させる

  • 身体的健康および/または心理社会的機能を大きく損なう

具体的な摂食障害群としては以下のものがある:

American Psychiatric AssociationのPractice Guidelines: Treatment of Patients With Eating Disorders, 3rd Editionとその対応するGuideline Watch(2012年8月),およびNational Institute for Clinical Excellence(NICE)のガイドラインを参照のこと。

回避・制限性食物摂取症

本疾患では,患者は以下の1つ以上が生じるまで,摂食を回避するか,または食物摂取を制限する:

  • 有意な体重減少,または小児では期待される成長が得られない

  • 有意な栄養欠乏

  • 経腸栄養(すなわち,栄養管を介して)または経口栄養補助食品への依存

  • 心理社会的機能の著明な障害

本疾患の診断基準には,食物の制限が食物の入手困難,文化的慣習(例,宗教的な断食),身体疾患,医学的治療(例,放射線療法,化学療法),または他の摂食障害(特に神経性やせ症ないしは神経性過食症)により引き起こされていないことと,自分の体重または体型に対する捉え方に障害が生じていることを示す証拠が認められないことが含まれている。しかしながら,食物摂取量の減少の原因となる身体疾患を有するが,典型的に予想されるよりはるかに長期間にわたり,かつ具体的な介入が必要となる程度まで,摂取量の減少を維持する患者は,回避・制限性食物摂取症とみなされる場合がある。

典型的には,回避・制限性食物摂取症は,小児期に始まり,当初は小児期によくみられる偏食(偏食の場合,小児は特定の食物または特定の色,硬さ,ないしは匂いの食物を食べることを拒否する)に類似することがある。しかしながら,そのような食物に関するこだわりは,回避・制限性食物摂取症とは異なり,通常はごく少数の食品に関するものであり,食欲,全体的な食物摂取量,ならびに成長および発達は正常である。回避・制限性食物摂取症では,栄養欠乏により生命が脅かされる可能性があり,また社会的機能(例,家族そろっての食事への参加)が著しく損なわれる可能性もある。

初診時に,医師は身体疾患のほか,他の摂食障害群,うつ病,統合失調症,および他者に負わせる作為症など,食欲および/または摂食量を障害する他の精神障害を除外する必要がある。

一般的に行動療法が用いられ,摂食を正常化するのに有用である。

異食症

異食症とは,発達上妥当な時期(例,しばしば様々な物を口に入れ,飲み込もうとする2歳未満の小児など)でなく,または文化的伝統(例,民間療法,宗教儀式,ジョージア州ピードモントでみられる粘土[カオリン]の摂取といった一般的慣習)の一部でもなく,栄養のない非食品物質を1カ月以上にわたり持続的に摂食する病態である。患者は毒性のない物質(例,紙,粘土,土,毛,チョーク,糸,羊毛)を摂食する傾向があり,通常は摂取によって医学的に重大な害が生じることはない。しかしながら,一部の患者では,摂取物が詰まることによる消化管閉塞,塗料片を摂取することによる鉛中毒,土を摂取することによる寄生虫感染症といった合併症が発生する。

異食症自体が社会的機能を損なうことはまれであるが,本疾患は機能を障害する他の精神障害(例,自閉スペクトラム症,知的能力障害,統合失調症)の患者にしばしば併発する。異食症は妊娠中にもよくみられる。自傷または詐病( 自らに負わせる作為症)を引き起こそうとして物を飲み込む行為は,異食症とはみなされない。

反芻症

反芻症では,食後に食物を吐き戻す行為を繰り返すが,悪心または不随意なえずきはみられない。食物は吐き出される場合もあれば,再び嚥下される場合もあり,嚥下する前に再び噛み直す患者もいる。本行動は1カ月以上にわたり生じている必要があり,逆流につながりうる消化器疾患(例,胃食道逆流症,ツェンカー憩室)または神経性やせ症など他の摂食障害によって引き起こされるものであってはならない。吐き戻しは週に数回,典型的には毎日生じる。

吐き戻しは意図的な行為であり(患者は自分を抑えることができないと報告することがあるが),しばしば医師が直接観察することができる。一部の患者は,その行動が社会的に望ましくないということを認識しており,口の前に手を当てたり,または食物摂取量を制限することで隠そうと試みる。逆流した内容物を吐き出す患者または食物摂取量を大幅に制限する患者では,体重減少や栄養欠乏を来すことがある。

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