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皮膚むしり症

執筆者:

Dan J. Stein

, MD, PhD, University of Cape Town

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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皮膚むしり症は,皮膚をむしる行為を繰り返し,それにより皮膚病変が生じることにより特徴づけられる。

皮膚むしり症の患者は,美容以外の理由で(すなわち,患者が魅力的でない,またはがんではないかと思い込んだ病変を除去するためではない)皮膚を繰り返しむしる,または掻破する。健康な皮膚をむしる患者もいれば,胼胝,ざ瘡,または痂皮などの軽微な病変をむしる患者もいる。

皮膚を若干自動的に(すなわち,十分に意識することなく)むしる患者もいれば,この行動をより意識している患者もいる。むしりは強迫観念または外見に関する悩みに誘発されるものではないが,緊張感または不安感が先行して,それが皮膚をむしることで軽減することがあり,しばしば満足感を伴う。

皮膚むしりは,様々な年齢で始まる可能性があるが,青年期に始まることが多い。本障害の時点有病率は約1~2%である。患者の約75%が女性である。

症状と徴候

通常,皮膚むしりは慢性に経過し,症状は一進一退を繰り返す。皮膚むしりの部位は時間の経過とともに変化することがある。皮膚むしりのパターンは患者により異なる。複数の部位に瘢痕がみられる患者もいれば,ごく少数の病変に集中する患者もいる。多くの患者は皮膚病変を衣服または化粧でカモフラージュしようと試みる。

皮膚むしりに様々な行動または儀式を伴う場合もある。患者は引きはがしの対象とする特定の種類の痂皮を入念に探すことがある;また痂皮を必ず特定の方法で(指または器具のいずれかを用いて)引きはがそうと試みたり,痂皮がはがれた後にそれを噛んだり,飲み込んだりすることがある。

典型的には,皮膚むしり症患者は皮膚をむしる行動をやめたり頻度を減らしたりしようと試みるが,不成功に終わる。

患者は皮膚をむしった部位の外見や自分の行動をコントロールできないことに当惑したり,恥ずかしく感じることがある。その結果,患者は他者から皮膚病変を見られる可能性のある社会的状況を避けることがある;患者は典型的には,家族以外の他者の前で皮膚をむしることはない。患者は主に社会的状況を避けることで,その他の領域の機能(例,職業,学業)が障害されることがある。

重度の場合,皮膚むしりにより瘢痕化,感染,過度の出血,さらには敗血症が起きることもある。

診断

  • 臨床基準

皮膚むしり症の診断基準を満たすには,典型的には患者が以下に該当する必要がある:

  • 視認可能な皮膚病変の発生につながっている(ただし,一部の患者は病変を衣服または化粧で隠そうと試みる)

  • むしる行為をやめようと繰り返し試みている

  • その行為により著しい苦痛または障害を経験している

苦痛には当惑感または恥辱感(例,自分の行動をコントロールできないことや皮膚病変による美容上の結果による)を含めてもよい。

治療

  • N-アセチルシステイン

  • SSRI

  • 認知行動療法(通常は習慣逆転法)

皮膚むしり症の具体的な症状に合わせて個別化した認知行動療法が,現時点で第1選択の精神療法である。行動療法の側面が強い習慣逆転法が最もよく研究されており,具体的には以下で構成される:

  • 気づきの訓練(例,セルフモニタリング,行動の引き金になる因子の特定)

  • 刺激統制法(皮膚むしりを始める可能性を低下させるために状況を変えること―例,誘因の回避)

  • 競合反応訓練(皮膚むしりの代わりに,こぶしを握りしめる,編み物をする,手の上に座るなど他の行動を行うよう指導する)

治療に関する参考文献

  • 1. Grant JE, Chamberlain SR, Redden SA, et al: N-Acetylcysteine in the treatment of excoriation disorder: A randomized clinical trial.JAMA Psychiatry 73 (5):490–496, 2016.doi: 10.1001/jamapsychiatry.2016.0060.

要点

  • 皮膚むしり症では,皮膚むしりは強迫観念または外見に関する悩みに誘発されるものではないが,緊張感または不安感が先行して,それが皮膚むしりにより軽減することがあり,しばしばその後に満足感を覚える。

  • 典型的には,皮膚むしり症患者は皮膚をむしる行動をやめたり頻度を減らしたりしようと試みるが,不成功に終わる。

  • 皮膚むしり症は視認可能な皮膚病変の発生につながる。

  • 個別の皮膚むしり症状を治療するために個別化した認知行動療法(習慣逆転法など)および/またはN-アセチルシステインもしくはSSRIを用いて治療する。

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