Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

社交恐怖症

(社交不安症)

執筆者:

John H. Greist

, MD, University of Wisconsin School of Medicine and Public Health

最終査読/改訂年月 2018年 7月
患者さん向けの 同じトピックページ はこちら

社交恐怖症は,何かを実施する特定の対人場面に曝露することに関する恐怖および不安である。それらの状況は回避されるか,耐えるのに強い不安を伴う。

社交恐怖症患者が抱く恐怖および不安は,他者の期待に沿えなかったり,社会的交流において他者による吟味を受けたりした場合に恥をかいたり,軽蔑されたりするのではないかという点に焦点が置かれている場合が多い。しばしば生じる懸念事項は,患者の不安が発汗,赤面,嘔吐,もしくは震え(ときに声の震え)を介して明らかにならないか,または考えをまとめる能力もしくは自分の考えを表現する言葉を見出す能力を喪失するのではないかということである。通常,同じ活動を1人で行った場合に不安は生じない。

社交恐怖症がよく起こる状況としては,人前でのスピーチ,芝居,および楽器の演奏などがある。他に起こりうる状況としては,他者との食事,初対面の人と会うこと,会話,証人の前での署名,または公衆トイレの使用などがある。より全般的なタイプの社交恐怖症では,様々な対人場面が不安の原因となる。

大半の患者は,自身の恐怖が不合理で,過剰であることを認識している。

診断

  • 臨床基準

診断はDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition(DSM-5)の基準に基づいて臨床的に行う。

DSM-5の診断基準を満たすには,患者に以下がみられる必要がある:

  • 他者による吟味を受ける可能性がある1つまたは複数の対人場面に関する,著明かつ持続的(6カ月以上)な恐怖または不安

恐怖には,他者による否定的評価(例,患者が屈辱を感じる,恥をかく,もしくは拒否される,または他者の気分を害する)が関わっている必要がある。さらに,以下の全てが認められる必要がある:

  • 同じ対人場面は,ほとんど常に恐怖または不安を引き起こす。

  • 患者がその状況を積極的に回避している。

  • 恐怖または不安が実際の脅威と(社会文化的な背景を考慮しても)釣り合わない。

  • 恐怖,不安,および/または回避が,著しい苦痛を引き起こしているか,または社会的もしくは職業的機能を著しく損なっている。

また,その恐怖および不安は,他の精神障害(例,広場恐怖症 広場恐怖症 広場恐怖症とは,強い不安が生じた場合に容易に逃げる方法がなく,助けも得られない可能性がある状況または場所にいることに対して恐怖や不安を抱く状態である。 (不安症の概要も参照のこと。) それらの状況は回避されるか,または耐えるためには強い不安を伴う。広場恐怖症患者の約30~50%はパニック症も併発している。 パニック症を伴わない広場恐怖症は,12カ月間で約2%の女性および1%の男性が罹患している。発症年齢のピークは20代前半であり,40歳... さらに読む パニック症 パニック発作およびパニック症 パニック発作は,身体症状および/または認知面での症状を伴う強い不快感,不安,または恐怖が,突然に,個別に,短時間発現する現象である。パニック症は,パニック発作が繰り返し発生し,典型的にはそれに付随して,将来の発作に対する恐怖,または発作を起こしやすいと考えられる状況を回避しようとする行動の変化が生じる。診断は臨床的に行う。個々のパニック発作は治療を要さないこともある。パニック症は薬物療法,精神療法(例,曝露療法,認知行動療法),またはそ... さらに読む 醜形恐怖症 醜形恐怖症 醜形恐怖症は,他者には明らかではないか軽微にしか見えないが本人は重大と認識している1つ以上の身体的欠陥にとらわれることを特徴とする。この外見についてのとらわれは,臨床的に意味のある苦痛または社会的,職業的,学業的,その他の機能面に障害を引き起こすものでなければならない。さらに,本障害の経過中のある時点において,外見へのとらわれに対する反応として,1つ以上の反復行動(例,鏡での確認,自分の外見と他人の外見の比較)が反復的かつ過剰に行われて... さらに読む )とみなすことで,より正確に特徴づけられるというわけではない。

治療

  • 認知行動療法

  • ときにSSRI

ほとんど常に社交恐怖症は慢性に経過し,治療を必要とする。

β遮断薬を使用して,人前での行為に苦痛を覚える患者の心拍数上昇,震え,発汗を抑えることがあるが,この種の薬剤は不安自体を軽減するものではない。

患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
家庭版で同じトピック をみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP