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広場恐怖症

執筆者:

John H. Greist

, MD, University of Wisconsin School of Medicine and Public Health

最終査読/改訂年月 2014年 5月
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広場恐怖症とは,強い不安が生じた場合に容易に逃げる方法がなく,助けが得られない状況または場所に追い込まれてしまうことに対して恐怖や予期不安を抱く状態である。

それらの状況は回避されるか,または耐えるためには強い不安を伴う。広場恐怖症患者の約30~50%はパニック症( パニック発作およびパニック症)も併発している。

パニック症を伴わない広場恐怖症は,12カ月間で約2%の女性および1%の男性が罹患している。発症年齢のピークは20代前半であり,40歳以上での初発はまれである。

恐怖および不安を引き起こす状況または場所の一般的な例としては,銀行やスーパーマーケットのレジの行列に並ぶこと,映画館や教室の中で長い列の中央に座ること,バスや飛行機などの公共交通機関を利用することなどがある。患者によっては,広場恐怖症を引き起こす典型的な状況でパニック発作を起こした後に,広場恐怖を発症することもある。そのような状況では単に不快感を覚えるだけで,その後もパニック発作を起こすことのない患者,または後になって初めてパニック発作を起こす患者もいる。広場恐怖症はしばしば社会的機能の妨げになり,重症例では家から出られなくなることもある。

診断

  • 臨床基準

診断はDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition(DSM-5)の基準に基づいて臨床的に行う。

DSM-5の診断基準を満たすには,患者が以下の状況のうち2つ以上に関する,著明で,持続する(6カ月以上)恐怖または不安を有する必要がある:

  • 公共交通機関を利用すること

  • 開放された空間(例,駐車場,市場)にいること

  • 閉鎖された空間(例,店,映画館)にいること

  • 列に並ぶこと,または人ごみの中にいること

  • 自宅外に1人でいること

恐怖には,その状況から逃れることが困難であろう,または恐怖もしくはパニック発作により行動不能になっても助けは得られないであろうとの考えを伴っている必要がある。さらに,以下の全てが認められることも求められる:

  • 同じ状況は,ほとんど常に恐怖または不安を引き起こす。

  • 患者がその状況を積極的に回避している,および/または他者の同伴を必要とする。

  • 恐怖または不安が実際の脅威と(社会文化的な背景を考慮しても)釣り合わない。

  • 恐怖,不安,および/または回避が,著しい苦痛を引き起こしているか,または社会的もしくは職業的機能を著しく損なっている。

また,その恐怖および不安は,別の精神障害(例,社交不安症,醜形恐怖症)として,より正確に特徴づけられ得ない。

治療

  • 認知行動療法

  • ときにSSRI

無治療の場合,通常,広場恐怖症は重症度が軽快および増悪を繰り返す。おそらく,一部の患者が自己流で曝露療法を行っているため,広場恐怖症は正式な治療なしで消失することがある。しかし,広場恐怖症が機能を妨げる場合,治療が必要である。

広場恐怖症には認知行動療法が効果的である。認知行動療法では,極端な捉え方や誤った信念を認識してコントロールするように患者を指導すると同時に,曝露療法の指導を行う( 限局性恐怖症 : 曝露療法)。

広場恐怖症患者の多くでは,SSRIによる薬物療法が有益となる。

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