Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

読み込んでいます

シゾイドパーソナリティ障害(ScPD)

執筆者:

Lois Choi-Kain

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2016年 1月
ここをクリックすると家庭版へ移動します

シゾイドパーソナリティ障害は,社会的関係からの離脱および一般的無関心ならびに自分の対人関係における感情の幅の狭さの広汎なパターンを特徴とする。診断は臨床基準による。治療は認知行動療法による。

パーソナリティ障害の概要も参照のこと。)

シゾイドパーソナリティ障害では,他者と意味のある関係をもつ能力が制限される。

一般人口の約1~3%がシゾイドパーソナリティ障害を有していると推定されている。この障害は,統合失調症または統合失調型パーソナリティ障害の家族歴がある人々でより多くみられる場合がある。

併存症がよくみられる。患者の最大半数は,少なくとも1回のうつ病エピソードを生じている。患者はしばしば他のパーソナリティ障害も有しており,最も一般的なものは統合失調型妄想型境界性,または回避性である。

病因

小児期に養育者が感情的に冷たい,無視する,そしてよそよそしい人物であったことが,対人関係は満足の得られるものではないという子供の感情を助長し,シゾイドパーソナリティ障害の発生に寄与する可能性がある。

症状と徴候

シゾイドパーソナリティ障害患者は,近親者も含め,他者との親密な関係に対する欲求をもたないようにみえる。患者には,ときに第1度親族がいる以外,親しい友人または相談相手がいない。デートすることはまれであり,結婚しない場合が多い。患者は1人でいることを好み,他者との交流の必要がない活動および趣味(例,コンピュータゲーム)を選ぶ。他者との性的行動に対する関心は,あるとしてもごくわずかである。また患者は感覚的,身体的体験による楽しさ(例,砂浜での散歩)をあまり感じないように見える。

このような患者は他者が自分のことをどのように考えているかについて,それが良いことであれ,悪いことであれ,悩まないようである。社会的交流における普通の合図に気づかないため,社会的に不器用,無関心,または自分のことに没頭しているように見えることがある。社会的状況に反応したり(例,微笑んだり,頷いたりすることにより),感情を示したりすることはまれである。患者は,挑発された場合でも,怒りを表すことに困難がある。患重要なライフイベントに適切に反応することがなく,状況の変化に対する反応が受動的にみえることがある。その結果,自分の人生に対する方向性をもたないようにみえることもある。

まれに,このような患者が自分の内面をさらけだすのを心地よく感じる場合,患者は(特に社会的交流において)苦痛を感じていることを認める。

シゾイドパーソナリティ障害の症状は長期的に安定した状態を維持する傾向があり,他のパーソナリティ障害の症状よりもその傾向が強い。

診断

  • 診断基準(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition[DSM-5])

シゾイドパーソナリティ障害の診断を下すには,以下の4つ以上により示される,社会的関係からの持続的離脱および全般的無関心ならびに対人的交流における感情の表出の少なさが認められる必要がある:

  • 家族構成員とのものを含め,親密な関係を求める欲求がない,またはそのような関係を楽しまない

  • 1人での活動を強く好む

  • 他者との性的活動に対する興味が,あるとしてもごくわずかである

  • 楽しみを得る活動がほとんどない

  • 場合により第1度親族がいること以外に,親しい友人または相談相手がいない

  • 他者からの賞賛または批判に対して明らかに無関心である

  • 感情的に冷たい,超然としている,または平板である

また,症状は成人期早期までに始まっている必要がある。

鑑別診断

医師は,シゾイドパーソナリティ障害を以下の障害と鑑別する必要がある:

  • 統合失調症および関連障害群シゾイドパーソナリティ障害患者では認知障害または知覚障害(例,パラノイア,幻覚)は認められない。

  • 自閉スペクトラム症シゾイドパーソナリティ障害患者では,社会的障害および常同的な行動または興味はそれほど顕著ではない。

  • 統合失調型パーソナリティ障害この障害は知覚および思考の歪みを特徴とし,このような特徴はシゾイドパーソナリティ障害ではみられない。

  • 回避性パーソナリティ障害シゾイドパーソナリティ障害における社会的孤立は社会的関係からの広汎な離脱および一般的無関心によるものであるのに対し,回避性パーソナリティ障害では,恥をかいたり,拒絶されたりすることへの怖れによるものである。

治療

  • 社会生活技能訓練

シゾイドパーソナリティ障害の一般的治療は全てのパーソナリティ障害に対するものと同じである。

シゾイドパーソナリティ障害に対する精神療法または薬物療法について公表された対照試験はない。

一般に,1人での娯楽を好む人にアピールする非個人的話題(例,所有物,収集物,趣味)について興味を共有する努力が,患者との関係を築き,おそらくは治療的交流を促進するのに有用な場合がある。

社会的技能の習得に焦点を当てた認知行動療法的アプローチも患者を変化させるのに有用な場合がある。

シゾイドパーソナリティ障害患者は他者に対する関心がないため,変化するよう動機づけることができない場合がある。

ここをクリックすると家庭版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP