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性的マゾヒズム障害

執筆者:

George R. Brown

, MD, East Tennessee State University

最終査読/改訂年月 2015年 6月

性的マゾヒズムは,性的興奮を得るために,侮辱される,叩かれる,縛られる,その他の虐待を受ける活動に意図的に参加するものである。性的マゾヒズム障害は,性的マゾヒズムのうち,著しい苦痛または機能障害を引き起こしているものである。

性的マゾヒズムはパラフィリアの一種であるが,マゾヒズム的な興味をもつ人の大半はパラフィリア障害の臨床診断基準を満たさず,その基準では,本人の行動,空想,または強い衝動によって臨床的に重大な苦痛または機能障害が生じていることが要件とされている。また,この状態が6カ月以上認められることも条件の1つである。

サドマゾヒズム的空想および同意の上での成人同士のサドマゾヒズム的性行動は,非常によくみられる。マゾヒズム的行為は儀式化して長期化する傾向がある。大半の参加者にとっては,侮辱および殴打は演技に過ぎず,参加者はそれがゲームであることを知っており,実際に屈辱や傷害を受けることは慎重に回避している。しかしながら,一部のマゾヒストでは,時間の経過とともにその行為の激しさが増していき,重篤な外傷や死につながる可能性がある。

マゾヒズム的行為は,性的興奮を得る上で当事者が好む方法である場合もあれば,唯一の方法である場合もある。患者は,例えば以下のように,マゾヒズム的空想を自分に対して行動化することがある:

  • 自分で自分を縛る

  • 自分の皮膚を刺す

  • 電気ショックを加える

  • わざと熱傷を負う

あるいは,性的サディストになってくれるパートナーを見つけだすこともある。パートナーとの行為としては以下のものがある:

  • 縛られる

  • 目隠しされる

  • 尻を叩かれる

  • むちで打たれる

  • 尿や便を浴びせられることで屈辱を受ける

  • 異性の衣服を強制的に着せられる

  • 模擬的なレイプに参加する

全てのパラフィリアと同様に,障害の診断は,臨床的に重大な苦痛または機能障害が認められる場合にのみ妥当とされる。

この障害に対する治療は無効に終わることが多い。

自己性愛的窒息症(窒息性愛)

窒息性愛は性的マゾヒズム障害の亜型と考えられている。

この障害のある人は,オルガスムの時点やその付近で自分の呼吸を制限して(部分的窒息),その体験を強めようとする。典型的には,衣類(例,スカーフ,下着)をひもとして用いて自分を窒息させる。そのひもは,しばしば部屋の中の物体(例,ドアノブ,ベッドの支柱)から吊り下げられる。

低酸素症および高炭酸ガス血症が有意になる前でも,脳からの静脈還流の閉塞により脳血流が損なわれるため,すぐに意識消失を来すことがある。意識を失ってもひもがほどけない形で自身を窒息させる患者では,永続的な脳損傷が生じたり,死亡したりすることがある。

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