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髄膜腫

執筆者:

Roy A. Patchell, MD

, MD, Barrow Neurological Institute

最終査読/改訂年月 2012年 12月
本ページのリソース

髄膜腫は,隣接する脳組織を圧迫しうる髄膜の良性腫瘍である。症状は腫瘍の位置によって異なる。診断は造影MRIによる。治療法としては切除や定位放射線手術などがあり,ときに放射線療法も行われる。

特に直径2cm未満の髄膜腫は,最も頻度の高い頭蓋内腫瘍の1つである。髄膜腫は男性より女性で多くみられる唯一の脳腫瘍である。これらの腫瘍は40~60歳で発生する傾向があるが,小児期に発生することもある。これらの良性腫瘍は硬膜の存在する所であればどこにでも発生する可能性があり,最も多い部位は静脈洞付近の円蓋部,頭蓋底部,および後頭蓋窩であり,まれに脳室内にもみられる。多発性髄膜腫が発生することもある。髄膜腫は脳実質を圧迫するが,脳実質には浸潤しない。隣接する骨への浸潤および骨変形を引き起こすことがある。多くの組織型があり,いずれも類似の臨床的経過をたどるが,一部は悪性化する。

症状と徴候

症状は,圧迫される脳の部位,また腫瘍の位置によって異なる( 部位別に分類した髄膜腫の症状を参照のこと)。高齢者における正中線上の腫瘍は,他の局所的な神経所見をほとんど伴わずに認知症を引き起こすことがある。

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部位別に分類した髄膜腫の症状

部位

所見

頭蓋底

視力障害

動眼神経麻痺

眼球突出

大脳円蓋部

焦点発作

認知障害

最終的には頭蓋内圧亢進症の徴候

斜台および錐体骨先端部

歩行障害

四肢運動失調

第5,第7,および第8脳神経の異常が推定できる障害

大後頭孔

同側の後頭部の疼痛

麻痺が同側の上肢に始まり,同側の下肢,その後対側の上肢および下肢へと進行する

ときにLhermitte徴候

脳神経の障害(例,嚥下困難,構音障害,眼振,複視,顔面の知覚鈍麻)

嗅溝

嗅覚脱失

ときに乳頭浮腫および視力障害

傍矢状または大脳鎌

痙性不全麻痺または感覚消失,通常は対側下肢に始まるが,ときに両側下肢に及ぶ

認知障害

上方または下方に進展する後頭蓋窩テント腫瘍

水頭症

蝶形骨翼:

内側(海綿静脈洞内へ増殖)

動眼神経麻痺

顔面のしびれ

中心(前方に向かい眼窩内に増殖)

視力障害

眼球突出

外側(球状の腫瘤またはmeningioma en plaque*として)

痙攣発作

頭痛

鞍結節

視力障害

ときに画像検査で確認できる骨変化

*meningioma en plaqueとは,硬膜内に進展し,硬膜の肥厚および隣接骨への浸潤を伴うものであり,ときに側頭骨内にも増殖することがある。

診断

  • MRI

診断は他の脳腫瘍の場合と同様であり,通常は常磁性造影剤を用いたMRIによる。骨の異常(例,脳萎縮,脳円蓋周囲の骨化過剰,鞍結節の変化)がCTまたは単純X線で偶然発見されることがある。

治療

  • 症状がある髄膜腫と増大する髄膜腫に対しては,外科的切除または放射線療法

症状のない小さな髄膜腫(特に高齢成人の場合)は,経時的な神経画像検査によるモニタリングで十分である。

症状がある髄膜腫と増大する髄膜腫は,可能であれば切除すべきである。腫瘍が大きい場合,血管(通常は周囲の静脈)に侵入している場合,または脳の重要な部分(例,脳幹)に近い場合は,腫瘍自体より大きな損傷につながるため,手術は延期する。

定位放射線手術は外科的に到達困難な髄膜腫に対して用いられ,またそれ以外の髄膜腫に対しても待機的に行われる。外科的切除後に腫瘍組織が残存する場合や患者が高齢の場合にも用いられる。

定位放射線手術が施行できない場合,または髄膜腫が再発した場合は,放射線療法が有用となりうる。

要点

  • 髄膜腫は,通常良性の髄膜腫瘍であるが,常に良性であるとは限らない。

  • 典型的には40~60歳で発生し,女性により多い。

  • 腫瘍の位置によって症状は大きく異なる。

  • 症状がある腫瘍と増大する腫瘍は切除し,切除後も腫瘍が残存する場合,または完全に切除できない場合は,定位放射線手術を用いる。

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