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脆弱X関連振戦/失調症候群(FXTAS)

執筆者:

Hector A. Gonzalez-Usigli

, MD, HE UMAE Centro Médico Nacional de Occidente

最終査読/改訂年月 2018年 12月

脆弱X関連振戦/失調症候群(fragile X-associated tremor/ataxia syndrome)は,主に男性に発生して振戦,運動失調,および認知症を引き起こす遺伝性疾患である。振戦は一般的な初期症状であり,続いて運動失調,パーキンソニズム,やがて認知症が現れる。診断は遺伝子検査によって確定する。振戦はしばしばプリミドン,プロプラノロール,および/または抗パーキンソン病薬により軽減できる。

前変異をもつ個人は保因者とみなされる。前変異をもつ男性の娘には,前変異が遺伝する(息子には遺伝しない)。これらの娘の子(FXTAS前変異をもつ男性の孫)に前変異が遺伝する可能性は50%であり,母から子に受け継がれるときに完全な変異に発展する可能性がある(よって,脆弱X症候群を引き起こす)。

FXTASは前変異をもつ男性の約30%,前変異をもつ女性の5%未満に生じる。

FXTASを発症するリスクは年齢とともに上昇する。

症状と徴候

FXTASの症状は成人期後期に気づかれるようになる。CGGリピートが多いほど,症状は重症で,発症は早くなる。

振戦 振戦 振戦は,相補的に機能する拮抗筋同士の律動的かつ振動性の不随意運動であり,典型的には手,頭部,顔面,声帯,体幹,または下肢に生じる。診断は臨床的に行う。治療法は原因と病型によって異なるが,具体的には誘因の回避(生理的振戦),プロプラノロールまたはプリミドン(本態性振戦),理学療法(小脳振戦),レボドパ(パーキンソン振戦)のほか,ときに脳深部刺激術または視床切除(生活に支障を来す薬剤抵抗性の振戦)も用いられる。... さらに読む は,しばしば本態性振戦と誤診されるが,よくみられる初期症状である。運動失調(進行性に悪化する),続いてパーキンソニズム 二次性および非定型パーキンソニズム 二次性パーキンソニズムとは,パーキンソン病と類似した特徴を有するが,病因が異なる疾患群である。非定型パーキンソニズムとは,パーキンソン病の特徴の一部を示すが,一部の異なる臨床的特徴および異なる病因をもつ,パーキンソン病以外の神経変性疾患の一群である。診断は臨床的評価およびレボドパへの反応による。可能な場合は原因に対する治療を行う。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む ,最終的には認知症が生じる。

パール&ピットフォール

  • 本態性振戦と診断された患者に運動失調やパーキンソニズムの徴候が生じた場合は,FXTASを考慮する。

認知症は短期記憶の喪失に始まり,思考が緩慢になり,問題解決が困難になる。抑うつ,不安,忍耐力低下,敵意,および情緒不安定が生じる場合がある。

運動症状が生じた後の期待余命は,約5~25年の範囲である。

前変異をもつ女性では,おそらくもう一方のX染色体の存在が保護的に作用するため,通常症状は比較的軽度である。これらの女性では早期の閉経,不妊,および卵巣機能障害のリスクが高い。

診断

  • 遺伝子検査

FXTASが疑われる場合は,患者に知的障害のある孫がいるかどうか,また娘に早期閉経または不妊があったかどうかを問診すべきである。また,脆弱X症候群を有する患者の祖父母に,FXTASを示唆する症状があるかどうかを尋ねるべきである;症状がある場合は,脆弱X症候群と判明している患者を除いて,子供および/または孫の遺伝カウンセリング 出生前遺伝カウンセリング (Professional.See also page 遺伝医学の一般原則。) 出生前遺伝カウンセリングは,将来親となる全ての者に対して提供されるものであり,理想的には受胎前に先天性疾患の危険因子を評価するものである。先天異常の予防に役立つ特定の予防策(例,催奇形因子の回避,葉酸の補充ーProfessional... さらに読む が推奨される。

MRIを施行する;中小脳脚に特徴的な高信号が認められる場合がある。

FXTASの診断は遺伝子検査によって確定する。

治療

要点

  • 脆弱X関連振戦/失調症候群(FXTAS)は50歳以上の男性の約1/3000にみられ,脆弱X症候群は男性で最も頻度の高い知的障害の原因であり,関連遺伝子の変異によって生じる。

  • 問診では,患者に知的障害のある孫がいるかどうか,また娘に早期閉経または不妊があったかどうかを尋ね,脆弱X症候群の患者の祖父母に,FXTASを示唆する症状があったかどうかを尋ねる。

  • 診断確定のため遺伝子検査を行う。

  • 振戦の治療には,プリミドン,プロプラノロール,および/または抗パーキンソン病薬を使用する。

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