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脳感染症に関する序論

執筆者:

John E. Greenlee

, MD, University of Utah Health

レビュー/改訂 2020年 7月
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脳感染症は,ウイルス,細菌,真菌,ときに原虫または寄生虫によって引き起こされる。

脳炎の原因で最も頻度が高いのはウイルスであり,具体的には 単純ヘルペスウイルス 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 単純ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス1型および2型)は一般的に,皮膚,口腔,口唇,眼,および性器を侵す反復性感染症を引き起こす。頻度の高い重症感染症としては,脳炎,髄膜炎,新生児ヘルペスなどがあり,易感染性患者では播種性感染症もある。皮膚粘膜感染症では,紅斑上に集簇する有痛性の小水疱が生じる。診断は臨床的に行う;培養,ポリメラーゼ連... さらに読む 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 帯状疱疹ウイルス 帯状疱疹 帯状疱疹は,水痘帯状疱疹ウイルスが後根神経節で潜伏状態から再活性化される際に生じる感染症である。症状は通常,侵された皮膚分節に沿った疼痛から始まり,その後小水疱が2~3日以内に生じ,通常はこれが診断の決め手となる。治療は抗ウイルス薬であり,皮膚病変発現後72時間以内に投与するのが理想である。... さらに読む 帯状疱疹 サイトメガロウイルス サイトメガロウイルス(CMV)感染症 サイトメガロウイルス(CMV,ヒトヘルペスウイルス5型)は,重症度に大きな幅のある感染症を引き起こす。伝染性単核球症に類似するが重度の咽頭炎を欠いた症候群がよくみられる。HIV感染患者,臓器移植レシピエント,およびその他の易感染性患者において,網膜炎など重度の局所疾患が生じうる。新生児および易感染性患者では,重度の全身性疾患が発生すること... さらに読む ,またはウエストナイルウイルスなどがある。

一部の非感染性疾患が脳炎に類似することもある。自己免疫疾患の抗NMDA(N-メチル-d-アスパラギン酸)受容体脳炎がその一例であり,この疾患ではニューロンの膜タンパク質に対して自己免疫反応が起きる。

脳感染症はしばしば,脊髄を含む中枢神経系の他の部分をも侵す。脳と脊髄は通常,感染症から保護されているが,感染した場合の転帰はしばしば非常に重篤となる。

感染症は髄膜の炎症(髄膜炎 髄膜炎の概要 髄膜炎は髄膜および,くも膜下腔の炎症である。感染症,その他の疾患,または薬剤への反応によって起こりうる。重症度および急性度は様々である。典型的な所見には,頭痛,発熱,項部硬直などがある。診断は髄液検査による。治療は適応に応じて抗菌薬を投与する他に,補助的手段などがある。 ( 脳感染症に関する序論および... さらに読む )を引き起こすことがある。細菌性髄膜炎は,しばしば脳へと広がり脳炎を引き起こし,主に脳実質に感染する。同様に,脳炎を引き起こすウイルス感染症は,しばしば髄膜炎も引き起こす。厳密には,脳と髄膜の両方が感染した場合,その疾患は髄膜脳炎と呼ばれる。しかしながら,髄膜炎という用語は通常,主に髄膜を侵す感染症という意味で,脳炎という用語は通常,主に脳を侵す感染症という意味で用いられる。

中枢神経系感染症は以下の形で現れる:

急性散在性脳脊髄炎などのように,感染後の機序として脳の病態が顕在化する場合もある。

細菌やその他の感染性微生物は,以下のいくつかの経路で脳および髄膜に到達する:

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