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脊髄硬膜外膿瘍

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM,

  • Weill Cornell Medical College
  • New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 10月

脊髄硬膜外膿瘍は,硬膜外腔に脊髄の機械的圧迫につながりうる膿の蓄積が生じた状態である。診断はMRIまたは(MRIが施行できない場合は)脊髄造影とその後のCTによる。治療は抗菌薬のほか,ときに膿瘍ドレナージによる。

脊髄疾患の概要も参照のこと。)

脊髄硬膜外膿瘍は通常,胸椎または腰椎領域に生じる。基礎疾患としてしばしば感染症があり,その部位は離れている(例,心内膜炎,皮膚のせつ,歯の膿瘍)こともあれば,近接している(例,化膿性脊椎炎,褥瘡,後腹膜膿瘍)こともある。約3分の1の症例では原因を特定できない。最も頻度の高い原因菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)であり,次いで大腸菌(Escherichia coli)と混合性の嫌気性菌である。ときに,胸椎の結核性膿瘍が原因のこともある(Pott病)。まれに,同様の膿瘍が硬膜下腔に起こる。

症状と徴候

脊髄硬膜外膿瘍の症状は,局所性または根性の背部痛および叩打痛から始まって重症化する;疼痛は臥位で悪化することがある。発熱がよくみられる。脊髄圧迫が生じることがあるが,腰髄神経根の圧迫は馬尾症候群につながる場合があり,脊髄円錐症候群の神経脱落症状に類似する障害(例,下肢不全麻痺,サドル型感覚脱失,膀胱および腸機能障害— 脊髄症候群)を来す。障害は数時間から数日で進行する。

診断

  • MRI

神経脱落症状を予防または最小限に抑えるために速やかな治療が必要であるため,非外傷性の有意な背部痛がある患者では,特に脊椎上に限局性の叩打痛がある場合や,発熱がみられるか最近の感染歴または歯科処置歴がある場合には,脊髄硬膜外膿瘍を疑うべきである。特徴的な神経脱落症状はより特異的であるが,遅れて出現する場合があるため,そのような神経脱落症状の出現を待って画像検査を遅らせることは,転帰の悪化につながる可能性が高い。

脊髄硬膜外膿瘍の診断はMRIによるが,MRIが利用できない場合は,脊髄造影とそれに続いてCTを施行してもよい。血液および感染部位からの検体の培養を行う。

膿瘍が完全に髄液の流れを閉塞している場合,腰椎穿刺は脊髄ヘルニアの誘因になる可能性があるため禁忌である。単純X線はルーチンに適応とはならないが,施行すれば約3分の1の患者で骨髄炎が認められる。赤沈値は上昇するが,この所見は非特異的である。

治療

  • 抗菌薬

  • 膿瘍が神経学的障害を引き起こしている場合,緊急ドレナージ

抗菌薬投与と場合により膿瘍穿刺吸引の併用で十分な場合もあるが,膿瘍が神経学的障害(例,麻痺,腸または膀胱機能障害)を引き起こしている場合は,直ちに外科的ドレナージを施行する。膿のグラム染色および培養を行う。培養結果が出るまでは,脳膿瘍の場合と同様,黄色ブドウ球菌と嫌気性菌をカバーする抗菌薬を投与する。膿瘍が神経外科処置後に発生した場合は,グラム陰性細菌をカバーするためにアミノグリコシド系薬剤を追加する。

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