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共同注視麻痺

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM,

  • Weill Cornell Medical College
  • New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 2月

共同注視麻痺は,水平方向(最も多い)または垂直方向のいずれか一方向に両眼を動かすことができない状態である。

注視麻痺では水平注視麻痺が最もよくみられる;上方注視麻痺も多少みられるが,下方注視麻痺はさらに少ない。

水平注視麻痺

水平共同注視は大脳半球,小脳,前庭核,および頸部からの神経入力により制御されている。これらの部位からの神経入力情報は水平注視中枢(橋網様体傍正中部)に収束し,統合されて最終的な指令を形成し,この指令は近接する第6脳神経核(同側の外直筋を制御する)に送られる一方,内側縦束(MLF)を介して対側の第3脳神経核とそれに制御される内直筋にも送られる。同時に,対立する眼筋への制御シグナルが出される。

最も頻度が高く深刻な水平注視障害は,水平注視中枢および第6脳神経核を侵す橋病変によるものである。脳卒中は一般的な原因の1つで,病変と同側の水平注視障害を来す。脳卒中による麻痺では,眼球はいかなる刺激に対しても反応しない可能性がある(例,随意的または前庭反応)。軽度の麻痺の場合は,眼振または固視持続困難のみを生じることがある。

もう1つの一般的な原因は,前頭回より吻側の対側大脳半球における病変である。この病変は典型的には脳卒中によって生じる。その結果生じる麻痺は通常時間とともに軽快する。脳幹反射を介した水平共同注視(例,冷水による温度刺激に対する反応)は保たれる。

垂直注視麻痺

上方注視および下方注視は,前庭系から上行し,両側のMLFを介して,第3および第4脳神経核,カハール間質核,ならびにMLF吻側間質核へと至る線維経路からの入力情報に依存する。それとは別の系で,おそらく大脳半球から下降し,中脳視蓋前域を介して第3および第4脳神経核に至るものがある。MLF吻側間質核が神経入力情報を統合し,垂直注視の最終的な指令を形成する。

垂直注視は加齢とともにより制限されるようになる。

一般的に,垂直注視麻痺は,中脳病変,通常は梗塞および腫瘍に起因する。上方注視麻痺では,瞳孔が散大していることがあり,上方注視時に垂直眼振が起こる。

Parinaud症候群(中脳背側症候群)は,上方共同注視麻痺のことであり,松果体腫瘍または,より頻度は低いが中脳視蓋前域の腫瘍または梗塞によることもある。この症候群の特徴は,上方注視障害,眼瞼後退(Collier徴候),下方注視傾向(落陽現象),輻輳・眼球後退性眼振,ならびに瞳孔が散大(約6mm)し,光にあまり反応しないが調節にはより強く反応する現象(対光近見反応解離)である。

下方注視麻痺

上方注視が保たれた下方注視障害は,通常は進行性核上性麻痺を示唆するものであり,その他の原因はまれである。

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