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周期性四肢運動障害(PLMD)およびレストレスレッグス症候群(RLS)

執筆者:

Karl Doghramji

, MD, Jefferson Sleep Disorders Center, Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2014年 10月

周期性四肢運動障害(PLMD)とレストレスレッグス症候群(RLS)は,下肢または上肢の異常運動やときに感覚異常を特徴とし,それらにより睡眠が妨害されることがある。

PLMDおよびRLSは中高年により多くみられ,RLS患者の80%以上がPLMDを合併する。

機序は不明であるが,中枢神経系におけるドパミン神経伝達の異常が関与していると考えられる。これらの疾患は以下の状況で発生しうる:

  • 単独で発生する

  • 薬剤からの離脱中に発生する

  • 刺激物質,特定の抗うつ薬,またはドパミン拮抗薬の使用に伴って発生する

  • 妊娠中に発生する

  • 慢性腎不全,慢性肝不全,鉄欠乏症,貧血,糖尿病,神経疾患(例,多発性硬化症,パーキンソン病),またはその他の疾患を有する患者で発生する

原発性RLSには遺伝が関与している可能性があり,原発性RLSの患者の3分の1以上で家族歴がみられる。危険因子には,座位時間の長い生活習慣,喫煙,肥満などがある。

ナルコレプシーおよびレム睡眠行動障害の患者では周期性四肢運動障害がよくみられる。

症状と徴候

PLMDは,睡眠中に下肢または上肢に繰り返し(通常は20~40秒毎に)筋収縮または蹴るような運動がみられるのが特徴である。通常,患者は夜間の睡眠分断や日中の過度の眠気を訴える。一般的には,異常運動とそれに続く短時間の覚醒を自覚せず,四肢の異常感覚は認めない。

RLSは,下肢,腕,または頻度は低いがその他の部位を動かしたくなる抗いがたい衝動を特徴とする感覚運動疾患であり,通常は上肢または下肢に錯感覚(例,皮膚の上を虫が這うまたは伝うような感覚)やときに疼痛を伴う;安静時または横になっているときに症状がより顕著で,就寝時前後に最も激しくなる。患者は症状を緩和しようとして,患肢を伸ばす,蹴る,歩き回るなどして動かす。その結果,入眠困難,頻回の夜間覚醒,またはその両方を来す。

診断

  • RLSについては,病歴のみ

  • PLMDについては,睡眠障害またはEDSの病歴,および睡眠ポリグラフ検査

診断は患者またはベッドパートナーの病歴から示唆されることがある。例えば,PLMD患者では一般的に,不眠症,EDS,入眠直前または睡眠中の過剰な筋収縮などがみられる。

PLMDの診断確定には睡眠ポリグラフ検査が必要であり,通常筋電図上で反復性のバーストがみられる。RLSの診断後には,PLMDの合併の有無を判断するために睡眠ポリグラフ検査を施行してもよいが,RLSの診断そのものには睡眠ポリグラフ検査は不要である。

いずれかの疾患を有する患者には,その発症に寄与しうる疾患に対して内科的評価(例,貧血および鉄欠乏症に対する血液検査,肝・腎機能検査)を行うべきである。

治療

  • RLSに対して:プラミペキソール,ロピニロール,ロチゴチンパッチ,またはガバペンチン エナカルビルに加え,フェリチン値が50ng/mL未満の場合は鉄サプリメント

  • PLMDに対して:通常はRLSと同じ治療

RLSには様々な薬剤(例,ドパミン作動薬,ベンゾジアゼピン系薬剤,抗てんかん薬,ビタミンおよびミネラル)が使用されている。

ドパミン作動薬は,しばしば効果的であるが,症状増強現象(augmentation―次回投与前にRLS症状が悪化し,腕などの他部位に波及する),リバウンド(薬剤中止時または薬剤効果消失後に症状が悪化する),悪心,起立性低血圧,不眠症などの有害作用を生じることがある。3つのドパミン作動薬,プラミペキソール,ロピニロール,およびロチゴチン(パッチが用いられる)が効果的であり,症状増強現象以外に重篤な有害作用が少ない:

  • プラミペキソール0.125mgを中等度から重度の症状が出現する2時間前に経口投与し,さらに必要に応じて,症状が緩和されるまで2晩毎に0.125mgずつ増量を続ける(最大用量0.5mg)。

  • ロピニロール0.25mgを症状出現の1~3時間前に経口投与し,必要に応じて一晩に0.25mgずつ増量する(最大用量4mg)。

  • ロチゴチンパッチ(1mg/24時間)は,最初は日中の任意の時間帯に貼付し,必要に応じて1週間毎に1mg/24時間ずつ増量する(最大用量3mg/24時間)。

レボドパ/カルビドパを使用することもあるが,通常は症状増強現象およびリバウンドをより生じにくい他の薬剤が好まれる。

ガバペンチンは,RLSの症状緩和に役立つ可能性があり,RLSに疼痛を伴う場合に用いられる。用量は300mg,就寝時から開始し,1週間毎に300mg増量してもよい(最大用量:900mg,経口,1日3回)。しかしながら,この薬剤はRLSの治療に対して承認されていない。

ガバペンチン エナカルビルは,ガバペンチンのプロドラッグであり,RLS症状の緩和に役立つ可能性があり,この適応に対して承認されている。推奨用量は600mg,1日1回であり,午後5時頃に食事とともに服用する。最も頻度の高い有害作用としては,傾眠やめまいなどがある。

プレガバリンは,非ドパミン作動性α2δリガンドであり,RLSの症状緩和に役立つ可能性があり,プラミペキソールと比べて症状増強現象が起こりにくい。プレガバリンは疼痛を伴うRLS にも有用となりうる。RLSには1日1回,300mgで使用されてきた。めまいと傾眠は最も頻度の高い有害作用である。しかしながら,RLSの治療に対するこの薬剤の使用は大規模には研究されていない。

ベンゾジアゼピン系薬剤は,睡眠維持を改善しうるが四肢の動きは軽減されない;耐性および日中の眠気を回避するよう慎重に用いるべきである。

オピオイドも,RLSおよび疼痛のある患者に効果を示すことがあるが,耐性,有害作用,および乱用の可能性があるため,他に選択肢がない場合にのみ使用する。

フェリチンの値を測定すべきであり,値が低ければ(50μg/L未満),硫酸鉄325mgに加え,100~200mgのビタミンCを就寝時に投与する必要がある。患者は良好な睡眠衛生を心がけるべきである。

PLMDに対しては,特異的な治療法はないが,通常はRLSに対する治療法が用いられ,しばしば役立つ。しかしながら,治療にはさらなる研究が必要である。

要点

  • PLMDは,睡眠中に下肢または上肢に起こる反復性の筋収縮および蹴るような運動であり,しばしば夜間の睡眠分断を伴い,日中の過度の眠気の原因となる。

  • RLSは,下肢,腕,またはより頻度は低いがその他の身体の部分を動かしたくなる抗いがたい衝動を特徴とし,通常は錯感覚を伴い,しばしば入眠困難および/または頻回の夜間覚醒の原因となる。

  • RLSは臨床的に診断するが,PLMDが疑われる場合は睡眠ポリグラフ検査を考慮する。

  • PLMDに対する特異的な治療法はないが,RLSに対する治療法がしばしば有用となる。

  • RLSには,ドパミン作動薬またはガバペンチン エナカルビルを試みる;これらの薬剤はしばしば効果的である。

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