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脊髄性筋萎縮症(SMA)

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 9月
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脊髄性筋萎縮症には,脊髄前角細胞および脳幹運動核の進行性変性による骨格筋萎縮を特徴とする,いくつかの病型の遺伝性疾患が含まれる。臨床症候は乳児期または小児期から始まる。臨床像は病型によって異なり,筋緊張低下,反射低下,吸啜・嚥下・呼吸困難,発達遅滞などがみられ,重症型では生後まもなく死亡することもある。診断は遺伝子検査による。治療は支持療法による。

末梢神経系疾患の概要も参照のこと。)

脊髄性筋萎縮症は通常,5番染色体短腕にある単一遺伝子座の常染色体劣性変異によるホモ接合性欠失に起因する。病変は中枢神経系にも及ぶため,純粋な末梢神経系疾患ではない。

4つの主要な型が存在する:

脊髄性筋萎縮症I型(Werdnig-Hoffmann病)は,胎児が子宮内にいる間からみられ,生後6カ月頃までに症状が現れる。罹患した乳児には,筋緊張低下(しばしば出生時に認められる),反射低下,舌の線維束性収縮,および顕著な吸啜・嚥下困難があり,最終的には呼吸困難を来す。通常は呼吸不全により,95%が生後1年以内に,4歳までには全例が死亡する。

脊髄性筋萎縮症II型(中間型)では,通常は生後3~15カ月で症状が出現する;お座りができるようになるのは患児の25%未満で,歩いたり這ったりすることは全くできない。小児では弛緩性の筋力低下および線維束性収縮がみられるが,幼児では認めにくいこともある。深部腱反射も消失する。嚥下困難を認めることもある。患児の大半が2~3歳までに車椅子生活を余儀なくされる。多くの場合は呼吸器系合併症により,若くして死に至ることがしばしばある。しかしながら,小児期に自然に進行が停止することもあり,その場合は非進行性の筋力低下が永続的に残り,重度の脊柱側弯症およびその合併症のリスクが高くなる。

脊髄性筋萎縮症III型(Wohlfart-Kugelberg-Welander病)は通常,生後15カ月から19歳までに症状が出現する。所見はI型のそれと類似するが,進行はより緩徐であり,期待余命もより長い;一部の患者では寿命も正常である。家族性の症例の中には,特定の酵素欠損(例,ヘキソサミニダーゼ欠損)により二次的に生じるものもある。対称性の筋力低下および萎縮が近位から遠位へ進行し,大腿四頭筋および股関節屈筋群に始まり,下肢で最も著明に現れる。後には上肢も侵される。期待余命は呼吸器系合併症が発生するか否かにより異なる。

脊髄性筋萎縮症IV型は劣性遺伝,優性遺伝,またはX連鎖遺伝であり,成人期(30~60歳)に発症し,主に近位部の筋力低下および萎縮が緩徐に進行する。この疾患と下位運動ニューロン優位の筋萎縮性側索硬化症の鑑別は困難なことがある。

診断

  • 電気診断検査

  • 遺伝子検査

原因不明の筋萎縮および弛緩性筋力低下が(特に乳児および小児で)みられた場合は,脊髄性筋萎縮症の診断を疑うべきである。

筋電図および神経伝導検査を行うべきであり,その範囲には脳神経が支配する筋を含めるべきである。伝導は正常であるが,罹患筋では(臨床症状がみられないことも多いが)神経支配が失われている。

確定診断は遺伝子検査により行い,約95%の患者で原因の突然変異が検出される。

筋生検がときに行われる。血清酵素(例,CK,アルドラーゼ)がわずかに上昇することもある。

家族歴が陽性であれば羊水穿刺が行われ,これによりしばしば診断がつく。

治療

  • 支持療法

特異的な治療法はなく,治療は支持療法が中心となる。

進行がみられないか遅い患者には,脊柱側弯症および拘縮を予防するための理学療法,装具,および特別な器具が有益となりうる。理学療法士および作業療法士を通して補助器具を用い,自分で食事をしたり,文字を書いたり,コンピュータを使えるようにすることで,患児の自立性および自己管理能力が改善される可能性がある。

要点

  • 乳児および小児で原因不明の筋萎縮および弛緩性筋力低下がみられた場合は,脊髄性筋萎縮症の評価を行う。

  • 筋電図は筋の脱神経を示す。

  • 遺伝子検査を用いて,脊髄性筋萎縮症の有無および病型を確定する。

  • 患者を理学療法士および作業療法士に紹介し,生活機能を独りで行えるよう訓練させる。

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