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閉じ込め症候群

執筆者:

Kenneth Maiese

, MD, Rutgers University

最終査読/改訂年月 2019年 6月
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閉じ込め症候群は,四肢麻痺および下位脳神経が麻痺しているが意識は覚醒している状態であり,合図として用いる眼球運動以外,表情を示す,動く,話す,意思を伝達することができない。

症状と徴候

患者の認知機能は正常であり,覚醒しており,開眼および正常の睡眠-覚醒サイクルがある。患者は聞くことができ,見ることができる。しかしながら,顔面下部の運動,咀嚼,嚥下,発話,呼吸,四肢の運動はいずれもできない。垂直方向の眼球運動は可能であり,開眼と閉眼または特定回数の瞬きで質問に答えることができる。

診断

  • 臨床的評価

診断は主として臨床的に行う。反応性の評価に通常利用される運動(例,疼痛刺激からの回避)がみられないために,意識がないと誤認される可能性がある。そのため,動くことのできない全ての患者に,瞬きまたは垂直眼球運動をするよう求めることにより,患者の理解力を確認すべきである。

植物状態 植物状態および最小意識状態 植物状態(vegetative state)は,大脳半球の極度の機能障害により反応性および覚醒状態が欠如した状態であり,自律神経反射,運動反射,および睡眠-覚醒サイクルを維持できるだけの間脳および脳幹機能は十分に保たれている。患者は眼球運動,あくび,侵害刺激に対する不随意運動などの複雑な反射を示すが,自己と外界を認識していない。最小意識状態(minimally conscious... さらに読む の場合と同様に,治療可能な疾患を除外するために 脳画像検査 診断 が適応となる。CTまたはMRIによる脳画像検査を行い,橋病変の異常の同定に役立てる。診断に疑問が残る場合,脳機能のさらなる評価のため,PET(陽電子放出断層撮影),SPECT(単一光子放出型コンピュータ断層撮影),または機能的MRIを施行する。

閉じ込め症候群の患者では,脳波を測定すると正常な睡眠-覚醒パターンを認める。

予後

予後は原因および患者が受けられる補助のレベルによって変わる。例えば,一過性の虚血または椎骨脳底動脈分布域の小さな脳卒中による閉じ込め症候群は,完全に回復する可能性がある。原因が部分的に可逆的な場合(例,ギラン-バレー症候群),数カ月かかって回復しうるが,完全回復はまれである。

予後良好因子としては以下のものがある:

  • 水平眼球運動の早期回復

  • 運動野への磁気刺激に対する誘発電位の早期回復

不可逆性または進行性の疾患(例,後頭蓋窩および橋を侵す悪性腫瘍)は通常死に至る。

治療

  • 支持療法

閉じ込め症候群の患者に対しては,支持療法が治療の中心であり,具体的には以下を行うべきである:

特異的な治療法はない。

言語療法士が瞬目および眼球運動によるコミュニケーションの合図の作成を手伝うこともある。

認知機能は完全に正常でコミュニケーションが可能であるため,治療に関する決定は患者自身が行うべきである。

治療に関する参考文献

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