( プリオン病の概要 プリオン病の概要 プリオン病は,進行性で治療不能の致死的な脳変性疾患である。 主要な病型としては以下のものがある: クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD),原型(通常は孤発性) 変異型CJD(vCJD;プリオンに汚染された牛肉を摂取することで感染する) Variably protease-sensitive... さらに読む も参照のこと。)
VPSPrの発生率は1億人当たり1~2例である。
VPSPrは,異常プリオンタンパク質(PrPSc)の特徴という点では Gerstmann-Sträussler-Scheinker病 Gerstmann-Sträussler-Scheinker病(GSS) Gerstmann-Sträussler-Scheinker病(GSS)は,典型的には中年期に発症する常染色体優性遺伝の脳のプリオン病である。 (プリオン病の概要も参照のこと。) GSSは世界中でみられるが,その発生数はクロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)の100分の1である。CJDと比較すると,GSSは発症年齢が低く(40歳 vs 60歳),期待余命も長い(5年 vs... さらに読む (GSS)と類似する。しかしながら,GSSとは異なり,プリオンタンパク質遺伝子の変異は同定されていない。
臨床像は クロイツフェルト-ヤコブ病 クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD) クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)は,最も頻度の高いヒトプリオン病である。世界中で発生しており,いくつかの発症様式と病型がある。CJDの症状としては認知症,ミオクローヌス,その他の中枢神経系障害などがあり,CJDの発症様式と病型にもよるが,通常は発症後4カ月から2年で死に至る。治療は支持療法による。 (プリオン病の概要も参照のこと。) CJDには3つの発症様式がある(1):... さらに読む のそれとは異なり,PrPScはプロテアーゼによる分解に対する抵抗性が比較的低い;他のものと比べてプロテアーゼに対する感受性が高い変異型もあり,疾患名のvariably protease-sensitiveはこのことに由来する。
患者は精神症状,発話障害(失語および/または構音障害),および認知障害を呈する。運動失調およびパーキンソニズムを呈することもある。平均発症年齢は70歳であり,生存期間は24カ月である。約40%の患者に認知症の家族歴がある。
VPSPrの診断は困難である。MRI,脳波検査,ならびに14-3-3タンパク質およびタウタンパク質に対する検査は通常役に立たず,PrP遺伝子のコード領域に変異は観察されていない。
VPSPrの治療は支持療法のみである。