(プリオン病の概要 プリオン病の概要 プリオン病は,進行性で治療不能の致死的な脳変性疾患である。 主要な病型としては以下のものがある: クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD),原型(通常は孤発性) 変異型CJD(vCJD;プリオンに汚染された牛肉を摂取することで感染する) Variably protease-sensitive... さらに読む も参照のこと。)
GSSは世界中でみられるが,その発生数はクロイツフェルト-ヤコブ病 クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD) クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)は,最も頻度の高いヒトプリオン病である。世界中で発生しており,いくつかの発症様式と病型がある。CJDの症状としては認知症,ミオクローヌス,その他の中枢神経系障害などがあり,CJDの発症様式と病型にもよるが,通常は発症後4カ月から2年で死に至る。治療は支持療法による。 (プリオン病の概要も参照のこと。) CJDには3つの発症様式がある(1):... さらに読む (CJD)の100分の1である。CJDと比較すると,GSSは発症年齢が低く(40歳 vs 60歳),期待余命も長い(5年 vs 6カ月)。
患者には不安定歩行,構音障害,眼振などの小脳機能不全 小脳疾患 小脳疾患には,先天奇形,遺伝性運動失調症,後天性の病態など様々な原因がある。症状は原因により異なるが,典型的には運動失調(筋肉の協調障害)などである。診断は臨床的に行い,しばしば画像検査や,ときに遺伝子検査が用いられる。原因が後天性で可逆的なものでない限り,治療は通常,支持療法である。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。) 小脳は3つの部分で構成される: 古小脳(前庭小脳):片葉小節葉を含み,内側に位置する。古小脳は身体の... さらに読む が認められる。注視麻痺,難聴,認知症,パーキンソニズム 症状と徴候 二次性パーキンソニズムとは,パーキンソン病と類似した特徴を有するが,病因が異なる疾患群である。非定型パーキンソニズムとは,パーキンソン病の特徴の一部を示すが,一部の異なる臨床的特徴および異なる病因をもつ,パーキンソン病以外の神経変性疾患の一群である。診断は臨床的評価およびレボドパへの反応による。可能な場合は原因に対する治療を行う。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む ,反射低下,および伸展性足底反応もよくみられる。CJDと比べてミオクローヌスの頻度がはるかに低い。
特徴的な症候と家族歴がある患者,特に45歳以下の患者では,GSSを考慮すべきである。遺伝子検査により診断を確定できる。
GSSの治療は支持療法のみである。