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下痢および自律神経性ニューロパチーを伴うプリオン病

執筆者:

Pierluigi Gambetti

, MD, Case Western Reserve University

最終査読/改訂年月 2018年 12月

下痢および自律神経性ニューロパチーを伴うプリオン病(prion disease associated with diarrhea and autonomic neuropathy)とは,中枢神経系症状ではなく末梢神経系症状を呈する新しい遺伝性プリオン病を記載する用語である。

プリオン病の概要も参照のこと。)

下痢および自律神経性ニューロパチーを伴うプリオン病は,2013年に英国の広範な家系で同定された。最近になって類似の疾患がイタリアの家系で報告されている。

この疾患は以下の点で他のプリオン病と異なる:

  • プリオンアミロイドが中枢神経系に限局せず,末梢神経と内臓に分布する;そのため,最初は末梢神経系症状が優勢となり,中枢神経系症状は遅れて現れる。

  • プリオン遺伝子の新しい変異(Y163X変異;イタリアの家系ではY162X変異)が関連しており,この変異があるとプリオンタンパク質が短縮する;その結果,変異型のタンパク質はプリオンタンパク質を細胞膜に係留しておくアンカーを欠き,おそらくはこのことにより,プリオンタンパク質が体液中に遊離して他の組織に移動すると想定されている。

この新しいプリオン病は,新しい変異によって異常タンパク質の蓄積部位や臨床症状が根本的に変わりうるということを示すものであり,また,原因不明の慢性下痢と神経障害がみられる患者や家族性アミロイドポリニューロパチー(自律神経性ニューロパチーと末梢神経障害を引き起こす)に似た原因不明の症候群がある患者では,プリオン病の診断を考慮すべきであることを示唆している。

症状は成人期早期から始まり,具体的には慢性の水様性下痢,自律神経不全(例,尿閉,尿失禁,起立性低血圧),感覚障害を主体とする末梢性の多発神経障害などがみられる。40代または50代で認知機能の低下と痙攣発作がみられる。

この疾患は数十年かけて進行し,患者は最初に症状が現れてから最長で30年生存する。

この疾患の治療は対症療法のみである。

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