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関節疾患患者の評価

執筆者:

Alexandra Villa-Forte

, MD, MPH, Cleveland Clinic

最終査読/改訂年月 2013年 9月
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本ページのリソース

筋骨格系疾患の中には,主として関節を侵し,関節炎を引き起こすものがある。その他にも,主として骨を侵すもの(例,骨折,骨パジェット病,腫瘍),筋肉または他の関節外軟部組織を侵すもの(例,線維筋痛症),関節周囲軟部組織を侵すもの(例,滑液包炎,腱炎,捻挫)がある。関節炎には,感染症,自己免疫疾患,結晶誘発性炎症,ならびに軽度な炎症性の軟骨および骨疾患(例,変形性関節症)など,非常に多くの原因がある。関節炎は,単一の関節(単関節炎)または複数の関節(多関節炎)を対称的または非対称的に侵す。関節には骨折や捻挫が生じることもある(本マニュアルの別の箇所を参照のこと)。

病歴

医師は関節症状だけでなく,全身症状と関節外症状にも注意を向けるべきである。発熱,悪寒,倦怠感,体重減少,レイノー現象,粘膜皮膚症状(例,発疹,眼の充血または痛み,光線過敏症),消化管症状,心肺症状など,多くの症状が種々の関節疾患や結合組織疾患と関連している可能性がある。

痛みは関節疾患の最も一般的な症状である。病歴の聴取では,痛みの性質,部位,重症度,痛みが増悪または軽減する要因,および期間(初発または再発)に目を向けるべきである。医師は,痛みが増すのは関節を動かし始めるときかまたは長時間使用した後か,また痛みが起床時にあるのか日中に出現するのかを確認する必要がある。通常,表層の構造で生じる痛みは,より深部の構造で生じる痛みに比べ限局的である。遠位の小関節で生じる痛みは,近位の大関節で生じる痛みよりも限局的である傾向が強い。関節痛は,関節外の構造または他の関節からの関連痛であることがある。関節炎ではうずく痛みを生じることが多いが,神経障害では灼熱痛を生じることが多い。

こわばりは 関節を動かしにくい状態をいうが,患者にとっては,筋力低下,疲労,または一定の運動制限を指すこともある。医師は,関節を動かせないことと,痛みのせいで関節を動かそうとしないことを区別する必要がある。こわばりの特徴は,以下に記すように,原因を示唆することがある:

  • 一定時間の安静の後に関節を動かそうとする際に関節の動きに伴って起こる不快感は,リウマチ性疾患で生じる。

  • こわばりは,関節の炎症の重症度が増すにつれてより重度になり長引く。

  • Theater sign(数時間座った後にゆっくり歩かざるを得ない場合の短時間のこわばり)は変形性関節症で一般的にみられる。

  • 1時間を超えて続く末梢関節の朝のこわばりは,RA,乾癬性関節炎,またはウイルス性の慢性関節炎など,関節炎の重要な初期症状であることがある( 特徴による炎症性関節疾患と非炎症性関節疾患の鑑別を参照のこと)。

  • 腰部では,1時間を超えて続く朝のこわばりは,脊椎炎を反映していることがある。

疲労は,休みたいという欲求であり消耗を反映している。それは,筋力低下,動けないこと,および動きに伴う痛みのために動きたがらないこととは異なる。疲労は全身性炎症性疾患の活動を反映していることがある。

不安定性(関節の座屈[buckling])は関節を安定させる靱帯またはその他の構造の脆弱性を示唆し,身体診察時に負荷試験によって評価する。座屈は膝関節に最も多く起こり,内部の関節障害に起因することが最も多い。

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特徴による炎症性関節疾患と非炎症性関節疾患の鑑別

特徴

炎症性

非炎症性

全身症状

顕著,疲労を含む

まれ

発症

潜行性

通常は多関節を侵す

段階的

1つまたは少数の関節

朝のこわばり

1時間を超える

30分未満

1日のうちで最悪の時間帯

時間が経つにつれて

症状に対する活動の影響(関節痛およびこわばり)

活動に伴い軽減

安静後に悪化

使うと痛むことがある

活動に伴い悪化

安静に伴い軽減

身体診察

障害のある関節を個々に視診および触診し,可動域を測定すべきである。多関節性疾患では,特定の非関節性の徴候(例,発熱,消耗,発疹)は,全身性疾患を反映している可能性がある。

紅斑,腫脹,変形,および皮膚の擦過傷または穿刺傷とともに,安静時の関節の肢位に注意する。障害のある関節を障害のない反対側の関節または検者の関節と比較する。

関節を愛護的に触診し,圧痛,熱感,および腫脹の有無とその部位に注意する。圧痛が関節裂隙に沿っているか,または腱付着部もしくは滑液包部にあるかの判定が特に重要である。正常の陥凹または間隙を満たす柔らかい腫瘤,膨隆,または組織(関節液貯留または滑膜増殖を示す)がないか注意する。腫脹した関節を触診すると,ときに関節液貯留,滑膜肥厚,および関節包または骨の膨隆を鑑別できることがある。小関節(例,肩鎖関節,脛腓関節,橈尺関節)が,当初は隣接する大関節から生じると考えられた痛みの原因であることがある。骨の膨隆(しばしば骨棘に起因する)に注意する。

自動関節可動域(患者が関節を動かすことのできる最大域)を最初に評価する;制限があれば,機械的異常ばかりではなく,筋力低下,痛み,またはこわばりを反映していることがある。次に他動関節可動域(検者が関節を動かすことができる最大域)を評価する;他動的な可動域制限は,一般的に筋力低下または痛みよりむしろ機械的異常(例,瘢痕,腫脹,変形)を反映している。炎症を起こしている関節(例,感染症または痛風のため)を自動的および他動的に動かすと,非常に痛むことがある。

その関節の運動もしくは触診で痛みを再現できない場合は,関連痛の可能性が示唆される。

関節障害のパターンに注意すべきである。多関節の対称性の障害は全身性疾患(例,RA)で一般的である;単関節(1つの関節を侵す)もしくは非対称性の少関節(4カ所以下を侵す)の障害は変形性関節症および乾癬性関節炎でより一般的である。末梢の小関節は通常RAで侵されることが多く,より大きな関節および脊椎は脊椎関節症で侵されることが多い。しかし,完全な障害パターンは疾患早期には明白でないことがある。

crepitus(捻髪音),すなわち運動によって生じるはっきりとしたまたは聞き取れる程度のきしるような音に注意する。crepitusはでこぼこになった関節軟骨または腱により生じる可能性がある;crepitusが生じる動作を特定すべきであり,その動作でどの構造が関与するか示唆される可能性がある。

それぞれの関節で特異的な特徴を探るべきである。

肘関節

関節疾患が原因である滑膜の腫脹および肥厚は,橈骨小頭と肘頭との間の外側面に起こり,膨隆を生じる。肘関節の180°の完全伸展を試みるべきである。腱炎のように関節炎ではない,もしくは関節外の問題では完全に伸展できるが,伸展の制限は関節炎の初期変化である。関節周辺の部位を診察して,腫脹がないか確認する。リウマチ結節は硬く,特に前腕伸展側に沿って生じる。痛風結節はときに皮下のクリーム色の凝集物として視認可能であり,痛風を示唆する。肘頭滑液包の腫脹は,肘頭先端上に生じ,嚢胞性であり,関節運動を制限しない;感染症,外傷,痛風,およびRAが可能性のある原因である。肘リンパ節は内側上顆の上に生じる;手の炎症の結果生じることがあるが,サルコイドーシスまたはリンパ腫を示唆している可能性もある。

肩関節

痛みが肩関節の周辺部に関連痛として波及することがあるため,肩の触診では,肩甲上腕関節,肩鎖関節,胸鎖関節,烏口突起,鎖骨,肩峰突起,肩峰下滑液包,二頭筋腱,上腕骨の大結節および小結節,ならびに頸部を含めるべきである。肩甲上腕関節の関節液貯留は,烏口突起と上腕骨頭の間に膨隆を引き起こすことがある。可能性のある原因には,RA,変形性関節症,化膿性関節炎,Milwaukee shoulder( 塩基性リン酸カルシウム結晶沈着症),およびその他の関節障害などがある。

肩腱板の障害により起こる運動制限,筋力低下,痛み,およびその他の可動性の障害は,患者に両腕を外転して頭上に挙上し,その後徐々に下げるよう試みさせることにより迅速に特定できる。抵抗に逆らう特異的な方法が,どの腱が侵されているかの判定に役立つことがある。筋萎縮および神経学的異常を調べるべきである。

膝関節

膝関節では,患者の立位時および歩行時に,腫脹(例,関節液貯留,膝窩嚢胞),四頭筋萎縮,関節不安定性などの著しい変形が明らかであることがある。患者を仰臥位にして膝関節を触診し,膝蓋骨,大腿顆,脛骨粗面,脛骨高原,腓骨頭,内側および外側の関節裂隙,膝窩,ならびに四頭筋腱および膝蓋腱を確認すべきである。内側および外側の関節裂隙は内側および外側の半月板の位置に対応しており,膝をゆっくりと屈伸しながら触診することにより位置を確認できる。圧痛を伴う関節外の滑液包(内側関節裂隙の下にある鵞足包など)と,真性の関節内障害とを鑑別すべきである。

膝の少量の貯留液の検出は困難なことが多く,膨隆徴候を手がかりにすると最もよく検出される。患者を仰臥位にして筋肉を弛緩させ,膝を完全に伸展して下肢をわずかに外旋させる。膝の内側面をさすり,この領域から貯留液を全て押し出す。片手を膝蓋上嚢部に置き,膝の外側面を愛護的にさするまたは圧すると,液貯留があれば内側で視認可能な液の波動や膨隆が生じることがある。大量の液貯留は,視覚的にまたは膝蓋跳動により確認できる。関節液貯留は,RA,変形性関節症,痛風,および外傷などの多くの関節疾患により生じる。

膝の180°の完全伸展を試み,屈曲拘縮の有無を調べる。膝蓋骨が自由に痛みなく動かせるかどうか調べる。

股関節

診察は歩行の評価から始める。跛行は,重篤な股関節炎患者によくみられ,痛み,下肢の短縮,屈曲拘縮,筋力低下,または膝の障害により引き起こされることがある。内旋の可動域減少(変形性股関節症または股関節の滑膜炎の初期変化)または,屈曲,伸展,もしくは外転の可動域減少が通常はみられる。患者の腸骨稜の上に片手を置くと,股関節の動きと間違えることがある骨盤の動きが認められる。屈曲拘縮は,反対側の股関節を最大限に屈曲させて骨盤を安定させた状態で,下肢の伸展を試みることにより確認できる。大腿骨大転子上の圧痛は,関節内の障害よりも滑液包炎(関節外)を示唆する。他動関節可動域における痛み(患者を仰臥位にし股関節および膝関節を90°曲げた状態で内外に回旋することにより評価する)は,関節内の原因があることを示唆する。しかし,患者には同時に関節内の障害と関節外の障害があることがある。

その他

手の診察については,本マニュアルの別の箇所で考察されている( 手の疾患の概要および評価および 複数の関節の痛み)。足および足関節の診察については, 足および足関節の疾患の概要を参照のこと。頸部および背部の診察については, 頸部痛および背部痛の評価を参照のこと。

検査

臨床検査および画像検査では,しばしば病歴および身体診察よりも得られる情報が少ない。一部の患者では必要な検査もあるが,詳細な検査は必要ではないことが多い。血液検査は,病歴および診察所見に基づいて選択すべきである。

血液検査

一部の検査は,特異的ではないが,以下に挙げるように,特定の全身性リウマチ性疾患の可能性を裏付ける上で役立つことがある:

  • SLEにおける抗核抗体(ANA)および抗二本鎖DNA抗体

  • RAにおけるリウマトイド因子および抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体

  • 脊椎関節症(例,炎症性背部痛の症状がありX線所見が正常)におけるHLA-B27

  • ある種の血管炎における抗好中球細胞質抗体(ANCA)(ときに全身性の障害を疑う場合に有用)

白血球数,赤沈,C反応性タンパクなどの検査は,関節炎が感染症またはその他の全身性疾患による炎症性のものであるかどうかの確認に役立つことがあるが,これらの検査は特異度,感度ともにあまり高くはない。例えば,赤沈の亢進またはC反応性タンパク値の上昇は関節の炎症を示唆するか,あるいは関節以外で炎症を引き起こす多くの病態(例,感染症,癌)に起因している場合がある。また,そのようなマーカーは全ての炎症性疾患で上昇するとは限らない可能性もある。

画像検査

画像検査は不要であることが多い。特に単純X線は主に骨の異常を明らかにするが,ほとんどの関節疾患は骨を主に侵すものではない。しかし画像検査は,比較的限局性で説明のつかない持続性または重度の関節異常および特に脊椎異常の初期評価に役立つことがある;画像検査により原発性もしくは転移性の腫瘍,骨髄炎,骨梗塞,(石灰性腱炎でみられるような)関節周辺の石灰化,または身体診察で見落とされることがある深部構造のその他の変化が明らかになることがある。慢性のRA,痛風,または変形性関節症が疑われる場合,びらん,嚢胞,および骨棘を伴う関節腔の狭小化がみられることがある。偽痛風では,関節内の軟骨にピロリン酸カルシウムの沈着がみられることがある。

筋骨格の画像検査では,単純X線を最初に行うことが多いが,しばしばMRI,CT,または超音波検査よりも感度が低く,特に早期の疾患ではその場合が多い。MRIは,単純X線では見えない骨折に対する最も正確な検査であり,特に股関節および骨盤の骨折,ならびに膝関節の軟部組織および関節内の障害に対して有効である。CTは,MRIが禁忌または利用できない場合に有用である。超音波検査,関節造影,および骨シンチグラフィーは,特定の条件下で有用であることがあり,また骨,関節滑膜,またはその他の組織の生検についても同様である。

関節穿刺

関節穿刺は,関節を針で穿刺して関節液を吸引する方法である。液貯留がある場合に,関節穿刺を正しく行えば,通常は関節液を吸引できる。関節液の検査は感染を除外し,結晶誘発性関節炎を診断し,またそれら以外の場合は関節液貯留の原因を確認する最も正確な方法である。この手技は,急性または説明のつかない単関節の液貯留がある全ての患者,および説明のつかない多関節の液貯留がある患者に適応となる。

肩関節の関節穿刺

患者を,腕を体側につけ手を大腿部に乗せた状態での座位とし,肩甲上腕関節を穿刺する。烏口突起のわずかに下方および外側で,前方から後方へと関節窩に向けて針を挿入する。後方からのアプローチも可能である。

肩関節の関節穿刺

肘関節の関節穿刺

患者の肘関節を60°曲げて手関節を回内させた状態で,腕尺関節を穿刺する。上腕骨外側上顆と尺骨の間で,腕尺関節の外側面に針を挿入する。

肘関節の関節穿刺

関節穿刺は厳密な無菌操作で行う。感染またはその他の発疹のある部位から針を関節に挿入するのは禁忌である。穿刺を行う前に検体採取の準備を済ませておくべきである。リドカインまたはジフルオロエタンのスプレーによる局所麻酔を用いることが多い。神経,動脈,および静脈(通常は関節の屈側面にある)を避けるために,多くの関節ではその伸側面に穿刺する。ほとんどの大関節に20Gの針が使える。上肢および下肢の少関節には,22Gまたは23Gの針でおそらく容易に挿入できる。できるだけ多くの体液を採取すべきである。特異的な解剖学的目印を用いる( 肩関節の関節穿刺肘関節の関節穿刺,および 膝関節の関節穿刺を参照のこと)。

膝関節の関節穿刺

患者を仰臥位にし,膝関節を伸展させた状態で,膝関節およびそれに続く膝蓋上嚢を穿刺できる。膝蓋骨の頭側端のすぐ下に,外側から針(通常は20G)を挿入できる。あるいは,膝蓋の頭側半の下に,内側から針を挿入できる。

膝関節の関節穿刺

手のMCP関節,足のMTP関節,および手足の指節間関節には,22Gまたは23Gの針を用いてそれぞれ同様に穿刺する。針を背面から,伸筋腱のいずれかの側面に向かって挿入する。関節の牽引は,ときに関節腔を拡げて侵入を容易にするために有用である。

関節液の検査

ベッドサイドで,色や透明度など,関節液の肉眼的な特徴を評価する。

肉眼的な特徴によって,多くの貯留液を暫定的に,非炎症性,炎症性,または感染性に分類できる( 関節液の分類を参照のこと)。貯留液は出血性のこともある。各種の貯留液は,特定の関節疾患を示唆する( 関節液の分類に基づく鑑別診断* を参照のこと)。いわゆる非炎症性貯留液は,実際には軽度に炎症性であるが,変形性関節症のような疾患を示唆する傾向があり,その場合炎症は重度でない。

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関節液の分類

診察

正常

出血性

感染性

炎症性

非炎症性

肉眼的観察

外観

透明

血性

混濁または化膿性

黄色,混濁

淡黄色,透明

ルーチンの臨床検査

培養

陰性

陰性

しばしば陽性

陰性

陰性

PMN %*

25未満

通常は85を超える

50を超える

25未満

白血球数*

200/μL未満

血液量に影響される

5,000~100,000超/μL

1,000~50,000/μL

200~1000/μL

*感染性関節炎における白血球数および多形核白血球(PMN)%は,微生物の毒性があまり強くない場合(例,淋菌性,ライム関節炎,結核性,または真菌性の関節炎)または部分的に治療されている場合にはより低値となる。SLEおよびその他の結合組織病における一部の貯留液は,曖昧な炎症性を示すのみであり,白血球数は500~2000/μLである。非感染性の貯留液は,白血球数が100,000/μLに達することはめったにない。

関節液について一般的に行われる臨床検査には,細胞数測定,白血球分画,グラム染色および培養(感染症が懸念される場合— 関節および骨の感染症),ならびに細胞および結晶を調べるための湿潤標本を用いた鏡検(wet drop examination)などがある。しかし,正確な検査は,どの診断を疑うかによって異なることが多い。

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関節液の分類に基づく鑑別診断*

貯留液の種類

考えられる原因

出血性

抗凝固薬

血管腫

凝固障害

神経因性(神経障害性)関節症

色素性絨毛結節性滑膜炎

壊血病

血小板減少症

骨折がある外傷または骨折がない外傷

腫瘍

感染性

患者特性に依存する,様々な微生物( 急性の感染性関節炎の原因となる一般的な微生物を参照のこと)

炎症性

急性の結晶性滑膜炎(痛風および偽痛風)

強直性脊椎炎

クローン病

ライム病

部分的に治療した,もしくは毒性の弱い細菌感染症

乾癬性関節炎

反応性関節炎(以前はライター症候群と呼ばれていたものを含む)

RA

リウマチ熱

SLE(軽度の炎症)

滑膜の梗塞(例,鎌状赤血球症により生じる)

潰瘍性大腸炎

非炎症性

アミロイドーシス

エーラス-ダンロス症候群

肺性肥大性骨関節症

変形性関節症を起こす代謝性疾患

神経因性(神経障害性)関節症

変形性関節症

離断性骨軟骨炎

骨軟骨腫症

骨壊死(鎌状赤血球症により生じる骨壊死を含む)

全身性強皮症

リウマチ熱

SLE

鎮静化しつつあるまたは早期の炎症

外傷

* 分類については 関節液の分類を参照。この鑑別診断は一部を記載したものにすぎない。

一部の疾患は複数の分類にまたがる(例,神経障害性関節症は出血性の場合も非炎症性の場合もある;全身性強皮症は炎症性の場合も非炎症性の場合もある)。

結晶検出のために行う,関節液の湿潤標本(wet drop preparation)の偏光を用いた顕微鏡検査(関節液が1滴だけ必要)は,痛風,偽痛風,およびその他の結晶誘発性関節症の確定診断に不可欠である( 結晶誘発性関節炎)。光源の上に偏光器を置き,標本と検者の眼の間に偏光器をもう1つ置くと,輝いた白い複屈折性の結晶が見えるようになる。補償された偏光は,市販の顕微鏡に付属する鋭敏色板を挿入することにより得られる。スライドガラスの上に透明な粘着テープを2本貼り,これを下の偏光器の上に置くことにより,補償器の効果を再現できる。このような手作りのシステムは,市販の偏光顕微鏡と比較検証すべきである。最も一般的にみられる結晶は痛風の診断根拠(尿酸一ナトリウム,負の複屈折性を示す針状結晶)および偽痛風の診断根拠(ピロリン酸カルシウム,正の複屈折性を示すもしくは複屈折性を示さない菱形もしくは桿状の結晶)となるものである。結晶が湿潤標本(wet drop)で非定型に見える場合は,それほど一般的ではない結晶(コレステロール,液状脂質の結晶,シュウ酸塩,クリオグロブリン)またはアーチファクト(例,沈着したコルチコステロイド結晶)を考慮すべきである。

関節液に関する他の所見で,ときに特異的な診断が下されるか,または示唆されるものには以下がある:

  • 特異的な微生物(グラム染色または抗酸菌染色により同定可能)

  • 骨髄片または脂肪小滴(骨折による)

  • 反応性関節炎で最もよくみられるReiter細胞(ライト染色した塗抹標本で貪食されたPMNを有する単球)

  • アミロイドの断片(コンゴレッド染色により同定可能)

  • 鎌状赤血球(鎌状赤血球の異常ヘモグロビン症[sickle cell hemoglobinopathy]により生じる)

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