(足および足関節の疾患の概要も参照のこと。)
種子骨炎は中足骨痛の一般的な原因である。半月状の2つの種子骨は,歩行運動で足を補助する。内側の骨は脛側種子骨,外側の骨は腓側種子骨である。足の構造の変化(例,母趾の外側偏位に起因する種子骨の側方変位)による種子骨の直接的外傷または位置的変化が,種子骨に痛みを生じさせることがある。種子骨炎はダンサー,ジョギングをする個人,および足のアーチが高いまたはハイヒールを履く個人に特によくみられる。バニオンがある人の多くに脛側の種子骨炎がみられる。
症状と徴候
診断
治療
痛みを生じる靴を単に履かないことで十分であることがある。種子骨炎の症状が持続する場合,厚底の靴および矯正器具を処方して,種子骨への圧迫を減らすことに役立てる。転位のない骨折がある場合,保存療法で十分なことがあり,さらに平らな硬性の固定用の靴(surgical shoe)による関節の固定が含まれることもある。NSAIDおよびコルチコステロイド/局所麻酔薬溶液の注射が有用なことがある。治療抵抗性の症例では種子骨の外科的除去が有用となることがあるが,足の生体力学および運動性を侵害する可能性があるため,これについては議論がある。炎症がみられる場合,治療には保存的な処置に加えて症状の軽減に有用なコルチコステロイド/麻酔薬溶液の局所注射などがある。