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バニオン

執筆者:

Kendrick Alan Whitney

, DPM, Temple University School of Podiatric Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 9月
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バニオンは,第1中足骨頭の内側部分の隆起である。原因は,母趾の外側への屈曲(外反母趾)など,第1中足骨または母趾の位置の変化であることが多い。二次性変形性関節症および骨棘形成がよくみられる。症状としては,疼痛および発赤,関節内側の滑液包炎,軽度の滑膜炎などがある。診断は通常,臨床的に行う。治療は通常,つま先部分の幅が広い靴,保護パッド,および矯正器具による。滑液包炎または滑膜炎に対しては,コルチコステロイド注射が有用なことがある。

足および足関節の疾患の概要も参照のこと。)

寄与因子には,過度の足の回内,きつくてつま先の尖った靴の使用,およびときに外傷などがある。関節のアライメント異常は,軟骨のびらんおよび外骨腫の形成を伴う変形性関節症を引き起こし,結果として関節運動が制限される(制限母趾[hallux limitus])または不可能になる(強剛母趾)。後期には滑膜炎が起こり,関節腫脹を引き起こす。きつい靴による圧迫に反応して,関節隆起の内側に二次的に滑液包が生じることがあり,痛み,腫大,および炎症が起こることがある( バニオン)。

バニオン

バニオンはしばしば外反母趾に起因する。きつい靴による圧迫の結果,滑液包が生じることがある。

バニオン

症状と徴候

バニオンの初期の症状は,特定の靴を履いているときの関節隆起の痛みであることがある。関節包には,いかなる段階でも圧痛がありうる。後期の症状としては,内側に生じる疼痛,熱感,発赤を伴い可動性があり波動を触れる嚢胞性の腫脹(二次的に生じた滑液包炎)や,より外側に生じる関節全体を侵す腫脹および軽度の炎症(変形性関節症の滑膜炎)などがある。制限母趾(hallux limitus)または強剛母趾があれば,他動関節運動の制限,関節の足背外側面の圧痛,および末節骨の背屈角度の増大がみられる。

診断

  • 臨床的評価

臨床所見は通常特異的である。周辺の急性の激痛,熱感,腫脹,および発赤は,痛風性関節炎または感染性関節炎を示唆し,ときに滑液の検査が必要となる。複数の関節が侵されている場合,痛風または他の全身性リウマチ性疾患を考慮すべきである。

変形性関節症の滑膜炎の臨床診断がはっきりしない場合,X線撮影を行う。本症を示唆する所見には,関節裂隙の狭小化および中足骨頭またはときに基節骨の基部から伸展する骨棘などがある。画像検査でみられる関節周囲のびらん(Martel徴候)は,痛風を示唆する。

治療

  • 幅の広いつま先部分,バニオン用パッド,矯正器具,またはこれらの組合せ

  • 合併症の治療

軽度の不快感は,つま先部分の幅が広い靴または伸縮性のある素材の靴を履くことによって軽減することがある。それで軽減しなければ,大抵の薬局で入手可能なバニオン用パッドで痛みがある部位を保護できる。また,侵された関節から圧力を分散し軽減するために,矯正器具を処方することもある。保存療法が無効な場合,異常な骨のアライメントを矯正し関節の可動性を回復させることを目指す手術を考慮すべきである。バニオンに対応するための幅の広い大きな靴は魅力がないという理由で患者が履くことを嫌がる場合,手術を考慮することがあるが,手術後は再発のリスクを減らすために矯正装置を装着すべきであることを患者に告げるべきである。

滑液包炎には,滑液包の吸引およびコルチコステロイド注射が適応となる。

変形性関節症性の滑膜炎には,経口NSAIDまたはコルチコステロイド/麻酔薬溶液の関節内注射で症状が緩和される。

制限母趾(hallux limitus)または強剛母趾には,治療は他動的なストレッチ運動を用いて関節の可動性を保つことを目指すが,それには筋攣縮を軽減するためにときに局所麻酔薬の注射を必要とする。ときに拘縮の外科的な解放が必要である。

要点

  • 足関節の過度の内がえし(回外),きつくてつま先の尖った靴の着用,およびときに外傷が,第1中足趾節関節内側における隆起(バニオン)のリスクを高める。

  • 症状としては,疼痛,滑膜の腫脹,嚢胞性の腫脹,他動関節運動の制限などがある。

  • 臨床所見を用いて診断を確定する。

  • 最初は,幅の広いもしくは伸び拡がるつま先部分,バニオン用パッド,矯正器具,またはこれらの組合せで治療する。

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