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慢性好酸球性肺炎

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado Denver

最終査読/改訂年月 2016年 4月

慢性好酸球性肺炎(CEP)は,肺における好酸球の慢性的かつ異常な集積を特徴とする,原因不明の疾患である。

好酸球性肺疾患の概要も参照のこと。)

CEPは実際は慢性というわけではない;むしろ,再発性の急性または亜急性疾患である(そのため,再発性好酸球性肺炎という名称の方がふさわしい)。CEPの有病率および発生率は不明である。病因としてアレルギー体質が疑われている。ほとんどの患者は非喫煙者である。

症状と徴候

患者はしばしば,咳嗽,発熱,進行性の息切れ,喘鳴,および盗汗を特徴とする劇症病態を呈する。臨床像から市中肺炎が示唆されることがある。> 50%の症例で,喘息が疾患に随伴,または先行する。症状が再発する患者では,体重減少がみられることがある。

診断

  • 胸部X線

  • 肺炎の感染性の原因の除外

  • 気管支肺胞洗浄

特徴的症状および典型的な画像所見のある患者で本症を疑う。診断にはまた,血算,赤沈,ときに鉄検査,および適切な培養による感染性の原因の除外が必要である。末梢血好酸球増多,赤沈の顕著な亢進,鉄欠乏性貧血,および血小板増多は,全て頻繁に認められる。

中肺野および上肺野において最も多くみられる胸部X線所見である,両側性末梢性陰影または胸膜下陰影は,肺水腫のネガ像(photographic negative of pulmonary edema)と呼ばれ(みられるのは全患者の 25%未満であるが),本疾患の特徴を実質的に反映している。同様のパターンがCTで認められることがあるが,硬化像の分布は多様で片側性病変のことさえある。診断確定のために通常は気管支肺胞洗浄が行われる。

気管支肺胞洗浄液で好酸球が40%を超える場合は,CEPを強く示唆する;気管支肺胞洗浄を繰り返し行うことが疾患経過の記録に役立つこともある。

治療

  • コルチコステロイドの全身投与

  • ときに吸入コルチコステロイド,経口コルチコステロイド,またはその両方による維持療法

CEP患者は,一様にコルチコステロイドの静注または経口投与に反応する;反応しなければ別の診断が示唆される。初期治療はプレドニゾン40~60mg,1日1回である。臨床的改善はしばしば著明かつ急速であり,しばしば48時間以内に起こる。症状およびX線異常所見は,14日以内にほとんどの患者で,1カ月までにはほぼ全ての患者で完全に消失する。症状および胸部単純X線は,ともに信頼性があり,治療の有効な指標である。CTは画像所見の異常の検出に対しより高い感度を有するが,繰り返し実施することに利点はない。末梢好酸球数,赤沈値,およびIgE値もまた,治療中の臨床経過のフォローアップに使用できる。しかしながら,必ずしも全ての患者で臨床検査の結果が異常であるとは限らない。

多くの患者で治療中止後,または頻度はより低いがコルチコステロイドの漸減中に,症状または画像所見上で再発がみられる。初回エピソードの後,数カ月から数年後に再発が起こりうる。そのため,コルチコステロイド療法が長期間(数年間)必要となる可能性がある。吸入コルチコステロイド(例,フルチカゾンまたはベクロメタゾン500~750μg,1日2回)が効果的なこともあり,特に経口コルチコステロイドの維持量を減量する場合に有用である。

再発は治療の失敗,予後不良,またはより高い合併症発生率を示唆するわけではないと考えられる。患者は初回エピソード時と同様,依然としてコルチコステロイドに反応する。回復した患者の中には気流閉塞(airflow obstruction)が定着する場合もあるが,その異常に臨床的意義かあるかどうかは通常決めかねる。

CEPは,不可逆的な線維化の結果,ときに生理学的に重要な拘束性肺機能異常へと進行することがあるが,異常は通常軽度であるため,CEPが他の疾患または死亡の原因となることは極めてまれである。

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