(間質性肺疾患 間質性肺疾患の概要 間質性肺疾患は,肺胞中隔の肥厚,線維芽細胞の増殖,コラーゲン沈着,および(疾患が進行した場合は)肺線維化を特徴とする,多様な疾患の集合である。間質性肺疾患は様々な基準によって分類しうる(例,急性か慢性か,肉芽腫性か非肉芽腫性か,原因がわかっているか不明か,肺原発性か全身性疾患に続発するものか,喫煙歴があるかないか)。... さらに読む の概要も参照のこと。)
寄生虫感染,特にヒト回虫 回虫症 回虫症は,ヒト回虫(Ascaris lumbricoides),ときにブタ回虫(Ascaris suumー近縁種であるブタの寄生虫)による感染症である。少数寄生では無症状のこともある。初期症状は肺にみられ(咳嗽,喘鳴),続いて消化管症状として,成虫が消化器の内腔(腸管,胆管または膵管)に閉塞することで仙痛または腹痛が生じる。慢性感染した小児では低栄養が生じうる。診断は,便中の虫卵および成虫,鼻腔もしくは口腔か... さらに読む が原因のこともあるが,患者の最大3分の1では病原体が同定できない。
レフレル症候群の診断は,特徴的でかつ多くの場合一過性の呼吸器症状,胸部X線所見,および末梢血中好酸球増多に基づく。他の種類の好酸球性肺疾患を除外する必要がある。例えば,急性好酸球性肺炎 急性好酸球性肺炎 急性好酸球性肺炎(AEP)は,肺間質の急速な好酸球浸潤を特徴とする,原因不明の疾患である。 (好酸球性肺疾患の概要も参照のこと。) 慢性好酸球性肺炎とは対照的に,急性好酸球性肺炎は通常再発しない急性疾患である。発生率および有病率は不明である。急性好酸球性肺炎はあらゆる年齢で発生しうるが,しばしば20~40歳の患者に生じ,男女比は2:1である。 急性好酸球性肺炎の原因は不明であるが,その他の点では健常な人における未確認の吸入抗原に対する急... さらに読む は全く異なる病態であり,その場合急性発症,重度の低酸素血症がみられるほか,発症時には一般に血中好酸球の増多がみられない。
この疾患は通常1カ月以内に消退する。
レフレル症候群の治療は対症療法であり,コルチコステロイドが用いられることがある。