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気道腫瘍

執筆者:

Anne S. Tsao

, MD, University of Texas M.D. Anderson Cancer Center

最終査読/改訂年月 2016年 3月

気道は,原発性気管気管支腫瘍,気道に近接し気道に浸潤または気道を圧迫する原発性腫瘍,もしくは気道に転移する腫瘍により侵されうる。

原発性気管腫瘍はまれである(0.1/100,000人)。この腫瘍はしばしば悪性で,局所進行期で発見される。最も頻度が高い悪性の気管腫瘍には,腺様嚢胞癌,扁平上皮癌,カルチノイド,および粘表皮癌などがある。最も頻度が高い良性気道腫瘍は扁平上皮乳頭腫であるが,多形性腺腫および顆粒細胞腫ならびに良性軟骨腫も生じうる。

症状と徴候

患者はしばしば以下の症状で受診する:

  • 呼吸困難

  • 咳嗽

  • 呼気性喘鳴(wheezing)

  • 喀血

  • 吸気性喘鳴(stridor)

扁平上皮癌に伴って喀血が生じることがあり,早期診断に結びつく可能性があるが,腺様嚢胞癌に呼気性喘鳴または吸気性喘鳴が伴う頻度はさらに高い。嚥下困難および嗄声が初期症状であることもあり,これらは通常進行例を示唆する。

診断

  • 気管支鏡下生検

気道狭小化の症状(例,吸気性喘鳴,呼吸困難,呼気性喘鳴)は生命を脅かす気道閉塞の前兆となりうる。そのような症状について,原因が不明の場合,徐々に発現する場合,その他の気道症状(例,原因不明の喀血)を伴う場合,および標準治療にあまり反応しない場合(例,喘息の治療によって呼気性喘鳴が緩和しない),可能性のある原因として気道腫瘍を考慮すべきである。

気道腫瘍が疑われた場合,直ちに気管支鏡検査により患者を評価する必要がある。気管支鏡検査により気道閉塞を解除できると同時に,診断のための検体を得ることもできる。癌が発見された場合,病期診断のためにより広範な検査が行われる。

予後

予後は組織型によって異なる。

扁平上皮癌は,所属リンパ節に転移する傾向および縦隔構造に直接浸潤する傾向があり,局所および所属リンパ節における再発率が高い。たとえ根治的な外科的切除を行っても,5年生存率はわずか20~40%である。

腺様嚢胞癌は典型的には緩徐進行性であるが,肺に転移する傾向,および神経周囲に浸潤する傾向があり,切除後の再発率が高い。しかしながら,この癌は増殖速度が遅いため,患者の5年生存率は60~75%と高い。

治療

  • 手術

  • ときに放射線療法

  • 閉塞解除手技

原発性気道腫瘍は,可能ならば外科的切除によって根治的に治療すべきである。気管,喉頭気管,または気管分岐部の切除術が最もよく実施される手技である。一次再吻合により,気管は最大で全長の50%を安全に切除できる。肺癌または甲状腺癌が気道に浸潤する場合,気道を再建するのに十分な組織が得られると評価で示唆されるならば,ときに手術が実施可能である。十分な切除縁が得られない場合は,補助放射線療法が推奨される。

大部分の原発性気道腫瘍は,転移,局所進行,または併存症のため,切除不能である。気管支腔内の腫瘍の場合,治療目的の気管支鏡検査で機械的に腫瘍をくり抜き出すことができる。閉塞を解除する他の方法には,レーザー蒸散法,光線力学療法,凍結療法,および気管支内の密封小線源治療などがある。気管を圧迫する腫瘍は,気道ステント留置,放射線療法,またはそれらの併用で治療する。

要点

  • 原発性気道腫瘍はまれであり,悪性であることが多く,一般的に発見時点では局所進行期である。

  • 緩徐に進行する,原因不明の,または難治性の呼吸困難,咳嗽,呼気性喘鳴,喀血,または吸気性喘鳴がある患者では,気道腫瘍を疑う。

  • 治療は局所切除,または切除の適応がない場合は,その他の局所破壊療法によって行う。

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