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肺炎の概要

執筆者:

Sanjay Sethi

, MD, University at Buffalo SUNY

最終査読/改訂年月 2019年 3月

肺炎は,感染によって引き起こされる肺の急性炎症である。初期診断は通常,胸部X線および臨床所見に基づいて行う。 原因,症状,治療,予防策,および予後は,その感染が細菌性,抗酸菌性,ウイルス性,真菌性,寄生虫性のいずれであるか,市中または院内のいずれで発生したか,機械的人工換気による治療を受けている患者に発生したかどうか,ならびに患者が免疫能正常か易感染状態かによって異なってくる。

新生児肺炎も参照のこと。)

米国では毎年,推定200万~300万人が肺炎を発症し,そのうち約60,000人が死亡する。米国では,肺炎はインフルエンザと並ぶ死因の第8位であり,感染性の死因では第1位である。肺炎は最も頻度の高い致死的な院内感染症であり,発展途上国における死因全体の中で最も多い。

30歳以上の成人における肺炎の最も頻度の高い原因は以下のものである:

  • 細菌感染

肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は,全ての年齢層,環境,および地域でもっともよくみられる病原菌である。しかしながら,ウイルスから寄生虫まであらゆる種類の病原体が肺炎を引き起こしうる。

気道と肺は常に外部環境中の病原体に曝されており,特に上気道と中咽頭には,いわゆる正常細菌叢が定着している。上気道からの病原体の微小吸引は常であるが,これらの病原体は肺の宿主防御機構によって直ちに処理される。肺炎は以下の場合に起こる:

  • 防御機構が障害されている場合

  • 正常な宿主防御機構を上回る大量の細菌が吸引された場合

  • 特に毒性の強い病原体に初めて感染した場合

ときに,病原体が血流を介して,または隣接する胸壁もしくは縦隔から肺に到達し,感染が生じる。

上気道防御機構には,唾液中のIgA,プロテアーゼ,およびリゾチーム;正常細菌叢によって産生される増殖阻害物質;粘膜を覆い接着を阻止するフィブロネクチンなどがある。

非特異的な下気道防御機構には,咳嗽および粘膜線毛クリアランスなどがあり,気腔への感染を予防している。特異的な下気道防御機構には,様々な病原体特異的な免疫機構があり,IgAおよびIgGによるオプソニン化,抗菌ペプチド,サーファクタントの抗炎症作用,肺胞マクロファージによる食作用,およびT細胞を介した免疫応答などがある。これらの機構により,ほとんどの人々は感染から守られている。

多くの条件により,正常細菌叢が変化したり(例,全身疾患,低栄養,病院における曝露,抗菌薬への曝露),上述の防御機構が障害されたりする(例,精神状態の変化,喫煙,経鼻胃管または気管挿管)。そして気腔へ到達する病原体は,増殖し,肺炎を起こす可能性がある。

主として現在使用できる診断検査に限界があることから,広汎な診断検査を行っても,50%未満の患者で肺炎の原因となる特定の病原体を発見できない。しかし,同様の環境で同様の危険因子をもつ患者においては,肺炎の病原体および転帰も同様となる傾向があるため,肺炎は以下のように分類できる:

これらの分類により,治療の経験的な選択が可能となる。

間質性肺炎という用語は,肺間質の炎症および線維化を特徴とする,多様で,ときに原因不明の,互いに関連のない様々な病態を指す。

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