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末梢動脈瘤

執筆者:

John W. Hallett, Jr.

, MD, Medical University of South Carolina

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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末梢動脈瘤とは,動脈壁の脆弱化により末梢動脈が異常に拡張した状態である。

末梢動脈瘤の約70%は膝窩動脈瘤で,20%は腸骨・大腿動脈瘤である。これらの部位の動脈瘤は,腹部大動脈瘤 腹部大動脈瘤(AAA) 典型的には,腹部大動脈の直径が3cm以上になった場合に腹部大動脈瘤とみなされる。原因は多因子から成るが,動脈硬化が関係している場合が多い。ほとんどの動脈瘤は症状を引き起こすことなく徐々に(およそ年10%のペース)大きくなり,大半が偶然発見される。破裂のリスクは動脈瘤の大きさに比例する。診断は超音波検査またはCTにより行う。治療は外科手術または血管内ステントグラフト内挿術による。... さらに読む 腹部大動脈瘤(AAA) を伴っていることが多く,50%以上が両側性である。破裂は比較的まれであるが,これらの動脈瘤は血栓塞栓症につながることがある。末梢動脈瘤の発生率は女性より男性ではるかに高く(1:20以上),発症時の平均年齢は65歳である。腕の動脈の動脈瘤は比較的まれであるが,上肢の虚血,遠位部の塞栓,脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中とは,神経脱落症状を引き起こす突然の局所的な脳血流遮断が生じる多様な疾患群である。脳卒中には以下の種類がある: 虚血性(80%):典型的には血栓または塞栓によって生じる 出血性(20%):血管の破裂によって生じる(例,くも膜下出血,脳内出血) 明らかな急性脳梗塞の所見(MRIの拡散強調画像に基づく)を伴わない一過性(典型的には1時間... さらに読む 脳卒中の概要 の原因となりうる。

感染性動脈瘤はあらゆる動脈に起こりうるが,大腿動脈で最も多くみられる。通常はサルモネラ,ブドウ球菌,または梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum―梅毒性動脈瘤を引き起こす)による。

末梢動脈瘤は通常,発見時には無症状である。血栓症または塞栓症(あるいはまれに動脈瘤破裂)が生じれば,四肢に疼痛,冷感,蒼白,錯感覚,脈拍喪失などがみられる。感染性動脈瘤は局所的な疼痛,発熱,倦怠感,体重減少などを引き起こす。

診断は超音波検査,MRアンギオグラフィー,またはCTによる。膝窩動脈瘤は,身体診察で拡大した拍動性の動脈が発見される場合に疑われ,画像検査により診断確定となる。

四肢の動脈瘤では破裂リスクは低い(膝窩動脈瘤で5%未満,腸骨・大腿動脈瘤で1~14%)。このため,下肢動脈瘤の外科的修復は待機的に行うことが多い。動脈径が正常の2倍まで増大するか,症状が現れた場合に適応となる。一方,腕の動脈瘤は重篤な合併症(例,血栓塞栓症)のリスクがより大きいため,全例で外科的修復が適応となる。動脈の病変部を切除してグラフトで置換する。外科的修復後の救肢率は,無症状の患者で90~98%,症状のある患者で70~80%である。

特定の患者では,ステント留置術が修復における別の選択肢となる。

要点

  • 末梢動脈瘤は主に男性に発生し,好発部位は膝窩動脈である。

  • 合併症はまれであるが,破裂や血栓塞栓症などがある。

  • 下肢動脈瘤は,症状がある場合または動脈径が正常の2倍以上ある場合に治療する;上肢動脈瘤は重篤な合併症(例,脳卒中)のリスクが高いため,全て治療すべきである。

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