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心エコー検査

執筆者:

Michael J. Shea

, MD, Michigan Medicine at the University of Michigan

最終査読/改訂年月 2016年 2月
本ページのリソース

心エコー検査では,超音波を利用して心臓,心臓弁,および大血管の画像を描出する。この検査は心臓壁の厚さ(例,肥大または萎縮)や運動の評価に役立ち,虚血および梗塞に関する情報が得られる。収縮機能や左室拡張期の充満パターンの評価に利用できることから,左室肥大,肥大型または拘束型心筋症,重症心不全,収縮性心膜炎,および重度の大動脈弁逆流を評価する上で有用となりうる。また,弁疣贅および心内血栓の検出や肺動脈圧および中心静脈圧の推定など,心臓弁の構造および機能の評価にも用いられる。

方式

心エコー検査には2つの方式がある:

  • 経胸壁

  • 経食道

経胸壁心エコー検査(TTE)は,最も一般的な心エコー検査の方法である。TTEでは,胸骨左縁もしくは右縁,心尖部,胸骨切痕(大動脈弁,左室流出路,および下行大動脈を描出できる),または剣状突起下に超音波プローブを置いて行う。経胸壁心エコー検査では,心臓の主な構造のほとんどを二次元または3次元画像で描出することができる。限定的なTTE(有意な心嚢液貯留と心室機能障害の検出に焦点を置く)は,ときにICUや救急部門の重症患者にベッドサイドで施行され,集中治療専門医および救急医の多くは,経験豊富な放射線科医や心臓専門医が立ち会えない場合にこの検査を行うために訓練を受けている。

経食道心エコー検査では,内視鏡の先端に装着された超音波プローブにより,胃および食道を介して心臓を描出することができる。経食道心エコー検査は,肥満や慢性閉塞性肺疾患がある患者など,胸壁からの検査が技術的に困難な場合に心疾患を評価するために用いられる。小さな構造的異常(例,心内膜炎の疣贅または卵円孔開存)や心臓背面の構造(例,左房,左心耳,心房中隔,肺静脈の解剖)をより詳細に観察できるが,これは背面の構造が前胸壁より食道に近いためである。経食道心エコー検査では,第3肋軟骨の後方にある上行大動脈,3mm未満の構造物(例,血栓,疣贅),および人工弁も描出できる。

方法論

二次元(断層)心エコー検査は最も頻用されている方法で,コントラスト心エコー法とスペクトルドプラ心エコー法ではさらなる情報が得られる。3次元心エコー検査は,特に僧帽弁機構を外科的に修正するための評価で有用となる。

コントラスト心エコー法は,撹拌した生理食塩水(または別の超音波造影剤)を心循環に急速注入しながら二次元経胸壁心エコー検査を行うものである。生理食塩水の撹拌により微小気泡が発生するため,右心腔内に雲のようなエコーが生じ,中隔欠損が存在する場合は左心系にも認められる。通常,これらの微小気泡は肺毛細血管床を通過できないが,ある造影剤(超音波処理したアルブミンの微小気泡)は通過でき,静注後に左心系の構造に入ることができるため,心腔(特に左室)の輪郭描出に利用が可能である。

スペクトルドプラ心エコー法では,血流の速度,方向,および種類を記録できる。この方法は血流の異常(例,逆流病変に起因するもの)や速度の異常(例,狭窄病変に起因するもの)を検出する上で有用である。スペクトルドプラ心エコー法では,心臓およびその構造物の大きさや形状に関する空間的な情報は得られない。

カラードプラ心エコー法は,二次元心エコー検査とスペクトルドプラ心エコー法を組み合わせたもので,弁や流出路の周辺における血流の速度や方向だけでなく,心臓およびその構造物の大きさや形状に関する情報も得られる。血流に関する情報は色によってコード化されるが,慣例的に,プローブに近づく血流は赤色で,プローブから遠ざかる血流は青色で表示される。

組織ドプラ法では,ドプラ法を用いて(血流ではなく)心筋組織の収縮速度を測定する。それらのデータを用いて,心筋ストレイン(収縮時と弛緩時の間での長さの変化率)とストレインレート(長さの変化の速度)を算出することができる。ストレインおよびストレインレート測定値は,収縮および拡張機能の評価や負荷試験中の虚血の同定に有用となりうる。

3次元心エコー検査は,Mモードの心エコー法,ドプラ血流測定,および組織ドプラ法を統合したもので,心臓の解剖および機能をリアルタイムで3次元的に描出することができる。この手法は現在も進化を続けているが,医療保険の対象になっていないため,広く普及するには至っていない。

負荷心エコー検査

負荷心エコー検査は,運動または薬物負荷試験の実施中または実施後に心筋虚血を同定する際に用いられる,核医学検査に代わる検査法である。負荷心エコー検査では,負荷時の心外膜冠動脈における血流の不均衡によって生じた局所壁運動異常を検出する。コンピュータプログラムにより,安静時と負荷時で収縮期および拡張期の心室収縮を比較する評価が可能になる。運動および薬物負荷のプロトコルは,薬剤としてジピリダモールやアデノシンよりドブタミンが好まれる傾向があることを除けば,核医学検査の負荷試験で用いられるものと同じである。

負荷心エコー検査は,有意な症状がみられるが安静時の弁圧較差が著明に高くない患者において大動脈弁狭窄の血行動態学的な重症度を評価する上で有用である。負荷心エコー検査と核医学検査による負荷試験は,虚血の検出という点では同等である。どちらの試験法を用いるかは,しばしば利用可能性,検者の経験,および費用に基づいて決定される。

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