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精巣捻転

執筆者:

Patrick J. Shenot

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2015年 5月
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精巣捻転とは,精巣が回転して絞扼が起きる結果,血液供給が遮断されることで生じる,緊急を要する病態である。症状は陰嚢の急性疼痛および腫脹と悪心および嘔吐である。診断は身体診察に基づき,カラードプラ超音波検査により確定される。治療は即時の用手的整復とその後の外科的介入である。

精巣鞘膜および精索の発生異常によって,精巣鞘膜への精巣の固定が不完全になることがある(bell-clapper変形— 精巣捻転につながる精巣固定の異常)。この異常があると,自然発生的または外傷後に精巣が精索を軸に回転しやすくなる。素因となるこの異常は,男性の約12%で認められる。捻転は12~18歳の間で最も頻発し,次いで多いのが乳児期である。30歳以上の男性ではまれである。捻転は左精巣でより多くみられる。

精巣捻転につながる精巣固定の異常

典型的には,各精巣の前方3分の2は精巣鞘膜で覆われており,そこには液体が蓄積する可能性がある。精巣鞘膜は精巣の後外側表面に付着し,陰嚢内での精巣の動きを制限する。固定位置が高すぎると(前側および頭側),精巣がより自由に動くことができ,捻転の可能性が高まる。A:固定位置は正常である。B:固定位置が高すぎ,精巣は横方向に回転できるため,捻転が生じる。

精巣捻転につながる精巣固定の異常

症状と徴候

直ちに生じる症状は,急速発症する重度の局所痛,悪心,および嘔吐であり,続いて陰嚢浮腫および硬結が生じる。発熱および頻尿がみられることがある。精巣は圧痛を呈し,挙上および水平位置の場合がある。解剖学的欠陥は通常両側性であるため,対側精巣も水平である可能性がある。精巣挙筋反射は通常,患側にはみられない。ときに,捻転が自然に解消されてから再発する可能性があり,その場合,あまり急性ではない発症に見えることがある。しかしながら,毎回のエピソードにおける疼痛の出現と消失は非常に急速にみられるのが通常である。

診断

  • 臨床的評価

  • しばしばカラードプラ超音波検査

捻転は速やかに同定しなければならない。同様の症状は主に精巣上体炎によって引き起こされる。精巣上体炎では,疼痛および腫脹は通常急性度がより低く,初期には精巣上体に限局する。しかしながら,どちらの病態でもしばしば全体的に腫脹および圧痛が生じるため,精巣上体炎から精巣捻転を鑑別することは困難である。通常,治療を開始するには臨床診断で十分である。

診断が疑わしい場合は,画像検査が利用可能であれば,直ちに施行することで解決することがある。陰嚢のカラードプラ超音波検査が望ましい。陰嚢シンチグラフィーでも診断可能であるが,この検査は時間がかかり,有用性も低い。

治療

  • 捻転の用手的整復

  • 手術:捻転の修復が無効の場合は緊急,その他の場合は待機的

最初の診察時に画像検査なしで直ちに用手的整復を試みることが可能であるが,その成功率は一様ではない。精巣は通常内側に回転することから,捻転を修復するには精巣を外側(例,左側精巣の捻転修復では精巣を前方—下から見て時計回り)に回転させる。捻転の修復には1回転以上が必要な場合があり,疼痛の緩和を手技の指標とする。

捻転修復が不成功に終わった場合は,数時間以内の試験切開が精巣救済の唯一の望みとなることから,即時の手術が適応となる。精巣の救済率は,6~8時間後の80~100%から12時間後のほぼ0%に急速に低下する。対側の精巣捻転を予防するため,対側精巣も固定する。捻転の用手的整復が奏効した場合は,両側精巣固定術を待機的に施行する。

要点

  • 精巣捻転は,典型的には急速に発症する重度の陰嚢痛,悪心,および嘔吐を引き起こし,続いて陰嚢浮腫および硬結が出現する。

  • 頻尿または発熱のいずれも精巣捻転を除外しないが,精巣挙筋反射は通常消失している。

  • 示唆的な臨床所見がある患者には治療を行い,画像検査は所見が疑わしい患者にのみ施行する。

  • 患側の精巣を外側に回転させ,効果がみられない場合は直ちに手術を手配する。

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