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前立腺膿瘍

執筆者:

Gerald L. Andriole

, MD, Johns Hopkins Medicine

レビュー/改訂 2020年 11月
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起因菌は通常,好気性のグラム陰性桿菌か,比較的頻度は低いが黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。

前立腺膿瘍の症状

前立腺膿瘍の診断

  • 前立腺超音波検査および場合により膀胱鏡検査

抗菌薬療法にもかかわらず会陰部痛が持続し,持続性または再発性 尿路感染症 尿路感染症 (UTI) に関する序論 尿路感染症(UTI)は,腎臓( 腎盂腎炎)が侵される上部尿路感染症と,膀胱( 膀胱炎),尿道( 尿道炎),および前立腺( 前立腺炎)が侵される下部尿路感染症に分類される。しかしながら,実際には(特に小児では)感染部位の鑑別が困難または不可能な場合もある。さらに,感染はしばしば1つの領域から別の領域へと拡大する。尿道炎と前立腺炎も尿路が侵さ... さらに読む を呈する患者では膿瘍を疑う。これらの患者には 前立腺超音波検査 超音波検査 腎疾患および泌尿器疾患患者の評価には,しばしば画像検査が用いられる。 放射線不透過性造影剤を使用しない腹部X線撮影は,尿管ステントの位置確認や腎結石の位置および成長のモニタリングを目的として施行されることがある。しかしながら, 尿路結石症の初期診断においては,単純X線はCTより感度が低く,詳細な解剖学的情報も得られないことから,第1選択の検査ではない。 水溶性造影剤の投与後に撮像したX線写真では,腎臓および集尿系が鮮明に描出される。現在... さらに読む  超音波検査 と場合により 膀胱鏡検査 膀胱鏡検査 膀胱鏡検査は,光ファイバー製の硬性または軟性内視鏡を膀胱に挿入する検査である。 適応としては以下のものがある: 泌尿器疾患の診断の補助(例, 膀胱腫瘍, 膀胱内の結石, 前立腺肥大症) 尿道狭窄の治療 尿管X線撮影またはJJ(ダブルJ)ステント(腎盂および膀胱に留置する遠位端がコイル状になったステント)留置のための膀胱へのアクセス さらに読む 膀胱鏡検査 を施行すべきである。

しかしながら,膿瘍の多くは前立腺の手術中または内視鏡検査中に偶然発見され,側葉部の前立腺部尿道へのふくらみ,または器具操作中の破裂によって膿瘍が明らかにされる。膿尿および細菌尿がよくみられるが,尿は正常のこともある。血液培養が陽性となる患者もいる。

前立腺膿瘍の治療

  • 抗菌薬

  • ドレナージ

治療としては,適切な抗菌薬の投与に加えて,経尿道的排膿または会陰部切開による吸引および排膿を行う。培養結果を待たずに,フルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)で経験的抗菌薬療法を開始する。

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