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良性高血圧性細動脈腎硬化症

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良性高血圧性細動脈腎硬化症は,コントロール不良の慢性高血圧を原因とする進行性の腎障害である。慢性腎臓病の症候が出現することがあり(例,食欲不振,悪心,嘔吐,そう痒,傾眠,錯乱),また高血圧に続発した標的臓器障害の徴候も出現する可能性がある。診断は主として臨床的であり,超音波検査およびルーチンの臨床検査の所見によって裏付けられる。治療は厳格な血圧コントロールおよび腎機能の維持である。

良性腎硬化症から末期腎臓病には,ごくわずかの割合の患者のみが進行する。しかしながら,慢性高血圧および良性腎硬化症は一般的にみられるため,良性腎硬化症は末期腎臓病患者における最も多い診断の1つである。同疾患は,悪性細動脈腎硬化症から区別するために良性と呼ばれており,悪性細動脈腎硬化症は高血圧緊急症 高血圧緊急症 高血圧緊急症は,標的臓器(主に脳,心血管系,および腎臓)障害の徴候を示す重症高血圧である。診断は血圧測定,心電図,尿検査,血清BUNおよびクレアチニンの測定による。治療法は,静注薬(例,クレビジピン[clevidipine],フェノルドパム[fenoldopam],ニトログリセリン,ニトロプルシド,ニカルジピン,ラベタロール,エスモロール... さらに読む と同義語である。

危険因子としては以下のものがある:

黒人はリスクが上昇しており,高血圧の治療不十分が黒人でより多くみられることに起因するのか,あるいは黒人が高血圧性腎障害に対して遺伝的に高い感受性を有することに起因するのかは不明である。

症状と徴候

診断

  • 高血圧の既往

  • 腎不全を示唆する血液検査

  • 高血圧による標的臓器障害の徴候

  • 慢性腎臓病のその他の原因がないこと

診断は,高血圧患者のルーチンの血液検査が腎機能の増悪(例,クレアチニンおよび血中尿素窒素の上昇,高リン血症)を示唆する場合に疑われることがある。診断は通常,病歴に加えて,身体診察で高血圧に関連する標的臓器障害の所見(例,網膜変化,左室肥大)を認めることで推測される。高血圧がタンパク尿および腎不全の出現前から存在している必要があり,他に腎不全の原因となる病態が臨床的に疑われてもならない。

また尿検査により腎不全のその他の原因(例,糸球体腎炎,高血圧緊急症)が示唆されてもならない。尿検査では,尿沈渣にわずかながらの細胞または円柱が認められるはずで,タンパク質排泄量は通常1g/日未満である(ときにより高く,ネフローゼレベルである)。

腎不全の他の原因を除外するため,超音波検査を施行すべきである。腎臓の縮小が明らかになることがある。腎生検は依然として診断がつかない場合にのみ施行する。

予後

予後は,通常血圧コントロールの適切性および腎不全の程度により異なる。通常,腎障害は緩徐に進行し,患者の1~2%のみが5~10年後に臨床的に有意な腎機能障害を発症する。

治療

  • 血圧コントロール

治療は厳格な血圧コントロール 治療 高血圧とは,安静時の収縮期血圧(130mmHg以上),拡張期血圧(80mmHg以上),またはその両方が高値で維持されている状態である。原因不明の高血圧(本態性高血圧)が最も多くを占める。原因が判明する高血圧(二次性高血圧)は通常,睡眠時無呼吸症候群,慢性腎臓病,または原発性アルドステロン症に起因する。高血圧は重症となるか長期間持続しない限... さらに読む 治療 である。血圧の目標は< 140/90mmHgである。ほとんどの専門家は,タンパク尿を呈する患者にアンジオテンシンII受容体拮抗薬またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を使用することを提案している。カルシウム拮抗薬およびサイアザイド系利尿薬を第1選択薬として用いることができ,ほとんどの患者は血圧コントロールのために併用療法を必要とする。体重減少,運動,塩分および水分の制限もまた血圧コントロールに役立つ。慢性腎臓病 予後 慢性腎臓病(CKD)とは,腎機能が長期にわたり進行性に悪化する病態である。症状は緩徐に現れ,進行すると食欲不振,悪心,嘔吐,口内炎,味覚異常,夜間頻尿,倦怠感,疲労,そう痒,精神的集中力の低下,筋収縮,筋痙攣,水分貯留,低栄養,末梢神経障害,痙攣発作などがみられる。診断は腎機能検査に基づき,ときに続いて腎生検を施行する。治療は主に基礎疾患... さらに読む 予後 は管理されるべきである。

要点

  • 慢性高血圧は良性高血圧性細動脈腎硬化症を引き起こす可能性があり,それにより慢性腎臓病や,まれに末期腎臓病につながることがある。

  • 慢性高血圧が腎機能不全の発症に先行している場合は,本疾患の可能性を疑う。

  • 腎不全の他の原因を検出するため,超音波検査を施行する。

  • ほとんどの患者はACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬で治療するが,他の薬剤も使用することがある。

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