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HIV関連腎症

執筆者:

Frank O'Brien

, MD, Washington University in St. Louis

レビュー/改訂 2020年 1月
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HIV関連腎症の特徴は,巣状分節性糸球体硬化症の臨床所見と同様の所見であり,生検の特徴はしばしば虚脱型糸球体症(巣状分節性糸球体硬化症の亜型)である。

診断

  • 腎生検

ネフローゼ症候群または腎症を呈し,かつAIDSと診断されているかAIDSの症状がみられる患者では,HIV関連腎症を疑う。HIV関連腎症は,HIV感染者で高頻度に発生し腎疾患をもたらす他の多くの疾患とは鑑別されるべきであり,これには血栓性微小血管症(溶血性尿毒症症候群 溶血性尿毒症症候群 溶血性尿毒症症候群(HUS)は,血小板減少症,微小血管障害性溶血性貧血,および急性腎障害を特徴とする急性の劇症疾患である。HUSは通常,感染後の小児に発生し,典型的には志賀毒素産生菌(例,大腸菌[ Escherichia coli O157:H7])の感染後であるが,成人でもみられる場合がある。診断するには,直接抗グロブリン試験陰性の溶血性貧血を含む,特徴的な臨床検査値異常を証明する必要がある。治療は支持療法(ときに血液透... さらに読む 溶血性尿毒症症候群 および 血栓性血小板減少性紫斑病 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は,血小板減少症と微小血管障害性溶血性貧血を特徴とする急性の劇症疾患である。その他の臨床像として,意識レベルの変化や,ときに腎不全などがみられる。診断するには,直接抗グロブリン試験陰性の溶血性貧血とADAMTS13レベルの低下を含む,特徴的な臨床検査値異常を証明する必要がある。治療法は血漿交換,コルチコステロイド,リツキシマブ,およびまれにカプラシズマブである。... さらに読む 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) ),免疫複合体性糸球体腎炎,薬剤性間質性腎炎(インジナビルおよびリトナビルに起因)および 横紋筋融解症 横紋筋融解症 横紋筋融解症は,骨格筋組織の分解が起きる臨床症候群である。症状および徴候として筋力低下,筋肉痛,赤褐色尿があるが,この三徴が全てみられる患者は全体の10%未満である。横紋筋融解症の診断は,病歴聴取と典型的には正常上限の5倍を超えるクレアチンキナーゼ(CK)高値の確認による。治療は支持療法であり,輸液のほか,誘因となる原因の治療と合併症があればその治療を行う。 重症例では生命を脅かす... さらに読む (スタチン系薬剤に起因)などがある。

超音波検査を施行した場合,腎は拡大しエコー輝度が高い。

典型的には腎生検を施行する。光学顕微鏡検査は,毛細管の多様な重症度の虚脱(虚脱型糸球体症)およびメサンギウム基質の様々な程度の増加を示す。尿細管細胞は,著明な退行性変化と尿細管萎縮または小嚢胞状拡張を示す。間質の免疫細胞浸潤,線維化,および浮腫が一般的に認められる。 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは,自己免疫を原因とする慢性,多臓器性,炎症性の疾患であり,主に若年女性に起こる。一般的な症状としては,関節痛および関節炎,レイノー症候群,頬部などの発疹,胸膜炎または心膜炎,腎障害,中枢神経系障害,血球減少などがある。診断には,臨床的および血清学的な基準が必要である。重症で進行中の活動性疾患の治療には,コルチコステロイドおよび免疫抑制薬を必要とする。 全症例のうち,70~90%が女性(通常妊娠可能年齢)に起こる。... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) におけるものと同様の管状網状封入体が内皮細胞内に認められるが,より効果的なHIV療法により,現在ではまれである。

巣状分節性糸球体硬化症からHIV関連腎症を鑑別する際には,正常血圧および持続的な腎腫大が有用である。

治療

  • HAART(highly active antiretroviral therapy)およびアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

HIV感染症のコントロールは腎障害を最小限にする上で有用であると考えられる;実際,HAARTを受けHIV感染症が良好にコントロールされている患者では,HIV関連腎症はまれである。ACE阻害薬は,いくらか有益と考えられる。コルチコステロイドの役割は十分に定義されていない。 腎移植 腎移植 腎移植は最もよく行われる実質臓器移植である。( 移植の概要も参照のこと。) 腎移植の主な適応は以下の通りである: 末期腎不全 絶対的禁忌としては以下のものがある: 移植片の生着を危うくしかねない併存症(例,重度の心疾患,悪性腫瘍),これらは徹底的なスクリーニングにより検出可能 さらに読む 後の転帰は,一部の医療施設では極めて良好である。

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