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間質性膀胱炎

執筆者:

Patrick J. Shenot

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2016年 9月

間質性膀胱炎は,疼痛(恥骨上部,骨盤,腹部),頻尿,尿失禁を伴う尿意切迫を引き起こす非感染性の膀胱炎である。診断は病歴および他の疾患の臨床での除外ならびに膀胱鏡および生検による。治療により大部分の患者は改善するが,治癒はまれである。多くの治療法があるが,具体的には食習慣の変更,膀胱訓練,ペントサン,鎮痛薬,膀胱内療法などがある。

排尿の概要も参照のこと。)

間質性膀胱炎の発生率は不明であるが,従来考えられていたよりも多いようであり,他の臨床症候群(例,慢性骨盤痛)の基礎をなしている可能性がある。疾患感受性は白人でより高く,症例の90%は女性で発生している。

原因は不明であるが,病態生理は保護作用のある尿路上皮のムチンが失われ,尿中カリウムおよびその他の物質が膀胱壁に浸透し,知覚神経の活性化および平滑筋損傷が関与していると考えられる。肥満細胞がこの過程を媒介している可能性があるが,その役割は不明である。

症状と徴候

間質性膀胱炎は初期には無症候性であるが,膀胱壁の損傷とともに長年のうちに症状が出現し,悪化する。恥骨上部および骨盤に圧迫感または疼痛が起こり,通常は頻尿(最高60回/日)または尿意切迫を伴う。これらの症状は膀胱が充満するにつれて悪化し,排尿すると低下するが,一部の患者では症状は排卵,月経,季節性アレルギー,身体的もしくは精神的ストレス,または性交の際に悪化する。カリウム含有量の多い食品(例,柑橘類,チョコレート,カフェイン入り飲料,トマト)により増悪する場合がある。タバコ,アルコール,および香辛料の効いた食品も症状悪化の原因となる可能性がある。膀胱壁に瘢痕が生じると,膀胱の伸展性と容量が減少し,それにより尿意切迫や頻尿が発生または増悪する。

診断

  • 臨床的評価

  • 膀胱鏡検査およびときに生検

診断は,類似の症状を引き起こすより一般的な障害(例,UTI,骨盤内炎症性疾患,慢性前立腺炎または前立腺痛,憩室炎)を検査により除外した後,症状により示唆される。膀胱鏡検査が必要であり,ときには良性膀胱(Hunner)潰瘍がみられ,膀胱癌を除外するため生検が必要である。標準化された症状尺度または膀胱内塩化カリウム注入(カリウム感受性試験)を用いた症状の評価により,診断精度が向上する場合があるが,まだルーチンに施行されるまでには至ってない。

治療

  • 生活習慣の改善

  • 膀胱訓練

  • 薬剤(例,ペントサンポリ硫酸ナトリウム,三環系抗うつ薬,NSAID,ジメチルスルホキシド注入)

  • 手術は最後の手段である

生活習慣の改善

最大90%の患者は治療により改善するが,治癒はまれである。治療の一環として,タバコ,アルコール,カリウム含有量の高い食品,香辛料の効いた食品の摂取を回避すべきである。

治療の選択

生活習慣の改善に加えて,必要に応じて膀胱訓練,薬物療法,膀胱内療法,および手術を用いる。ストレス軽減およびバイオフィードバック(骨盤底筋を強化するため,例,ケーゲル体操)が役立つ場合がある。有効性が証明された治療法はないが,手術が考慮される前に2種類以上の非外科的治療を併用することが推奨される。

薬物療法

最も頻用される薬剤はペントサンポリ硫酸ナトリウム(尿路上皮のグリコサミノグリカンと類似する ヘパリン様分子)で,用量は100mg,経口,1日3回であり,膀胱を保護する粘膜の復旧に役立つ可能性がある。2~4カ月は改善がみられないことがある。経口の薬物治療に反応しない患者には,ペントサン100mgまたはヘパリン40,000単位とリドカイン80mgを含む溶液15mLおよび炭酸水素ナトリウム3mLの膀胱内注入が有益となることがある。三環系抗うつ薬(例,イミプラミン25~50mg,経口,1日1回)および標準用量のNSAIDが疼痛を軽減する場合がある。抗ヒスタミン薬(例,ヒドロキシジン10~50mg,1日1回,就寝前)は,肥満細胞の直接阻害,またはアレルギー誘発の遮断により有用な場合がある。

ジメチルスルホキシドをカテーテルを介して膀胱に注入し15分間滞留させることで,サブスタンスPが減少し肥満細胞の顆粒化が誘発される場合があり,50mL,1~2週毎を6~8週続け,必要に応じて繰り返すことにより,患者の最大半数で症状の軽減が認められる。BCGワクチンおよびヒアルロン酸の膀胱内注入療法は研究段階にある。

外科的手技およびその他の手技

膀胱水圧拡張術,Hunner潰瘍の膀胱鏡下切除,仙骨神経根(S3)刺激は,一部の患者にとって助けとなる。

手術(例,膀胱部分切除術,膀胱拡大術,膀胱造設,尿路変向術)は,他の全ての治療に不応で耐えがたい疼痛を有する患者のための最後の手段である。予後は予測できず,一部の患者では症状が持続する。

要点

  • 間質性膀胱炎は,慢性骨盤痛および頻尿を引き起こす傾向のある非感染性の膀胱炎である。

  • 診断には症状に対する他の原因(例,UTI,骨盤内炎症性疾患,慢性前立腺炎または前立腺痛,憩室炎)の除外,膀胱鏡,生検が必要である。

  • 治癒はまれであるが,最大90%の患者は治療により改善する。

  • 治療には食事の変更,膀胱訓練,薬剤(例,ペントサンポリ硫酸ナトリウム,三環系抗うつ薬,NSAID,ジメチルスルホキシド注入)などが含まれる可能性がある。

  • 手術は,他の全ての治療に反応せず,耐えられない疼痛がある患者を対象とする,最後の手段である。

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