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造影剤腎症

執筆者:

Navin Jaipaul

, MD, MHS, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2019年 2月
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造影剤腎症は,造影剤の静脈内投与後の腎機能の悪化であり,通常は一時的である。診断は,造影剤投与後24~48時間の血清クレアチニンの進行性の上昇に基づく。治療は支持療法による。造影剤投与前後の等張食塩水による水分補給は,予防として有用であると考えられる。

造影剤腎症はヨード造影剤(いずれも腎毒性)によって惹起される急性尿細管壊死 急性尿細管壊死(ATN) 急性尿細管壊死(ATN)は,急性尿細管細胞損傷および機能障害を特徴とする腎障害である。一般的な原因は,腎血流低下を引き起こす低血圧または敗血症と腎毒性薬剤である。病態は,腎不全が発生しない限り無症候性である。低血圧,重症敗血症,または薬物曝露後に高窒素血症が出現した場合に本疾患を疑い,臨床検査値と体液量増加に対する反応によって腎前性の高窒素血症と鑑別する。治療は支持療法による。... さらに読む 急性尿細管壊死(ATN) である。しかしながら,より新しい造影剤ではリスクが低く,これらは非イオン性で,その浸透圧は約1400~1800mOsm/kg(またはmmol/kg)である従来の造影剤と比較して低い。例えば,第二世代低浸透圧造影剤(例,イオヘキソール,イオパミドール,イオキサグル酸)は,浸透圧が約500~850mOsm/kg(またはmmol/kg)であり,これは血液の浸透圧より依然として高い。さらに新しい等浸透圧造影剤の最初の薬剤であるイオジキサノールは,浸透圧が290mOsm/kg(またはmmol/kg)であり,血液とほぼ等しい。

造影剤毒性の正確な機序は不明であるが,腎血管収縮と直接的な細胞毒性作用が,おそらく活性酸素種の形成を通して何らかの形で組み合わさり,急性尿細管壊死をもたらすと推測される。

ほとんどの患者は症状を示さない。腎機能は通常,後に正常まで回復する。

造影剤腎症の危険因子

腎毒性の危険因子は以下のものである:

診断

  • 血清クレアチニン測定

診断は,造影検査後24~48時間の血清クレアチニンの進行性の上昇に基づく。

  • クレアチニン値の上昇が処置後48時間以上に遅延

  • アテローム塞栓症のその他の所見の存在(例,下肢の網状皮斑またはつま先の青みを帯びた変色)

  • 持続的な腎機能不良で,段階的に増悪する場合がある

  • 一過性の好酸球増多または好酸球尿およびC3補体価低値(アテローム塞栓症が真剣に考慮される場合は測定)

治療

  • 支持療法

治療は支持療法による。

予防

造影剤腎症の予防としては,可能であれば造影剤の使用を避け(例,虫垂炎の診断にCTを用いない),危険因子を有する患者で造影剤が必要となる場合は,最も浸透圧の低い非イオン性造影剤を低用量で使用する。

造影剤を投与する場合は,等張食塩水(すなわち,154mEq/Lまたはmmol/L)による軽度の体液量増加が理想的であり,造影剤投与の6~12時間前に1mL/kg/時で投与を開始し,撮影後も6~12時間にわたり継続する。重炭酸ナトリウム(NaHCO3)溶液を使用してもよいが,生理食塩水と比較して利点は証明されていない。体液量増加は,軽度の腎疾患の既往があり低用量造影剤に曝露する患者に対して最も役立つと考えられる。心不全 心不全(HF) 心不全は心室機能障害により生じる症候群である。左室不全では息切れと疲労が生じ,右室不全では末梢および腹腔への体液貯留が生じる;左右の心室が同時に侵されることもあれば,個別に侵されることもある。最初の診断は臨床所見に基づいて行い,胸部X線,心エコー検査,および血漿ナトリウム利尿ペプチド濃度を裏付けとする。治療法としては,患者教育,利尿薬,ア... さらに読む 心不全(HF) 患者では,体液量増加は回避すべきである。検査前後は腎毒性薬剤の使用を避ける。

ときに抗酸化物質のアセチルシステインが高リスク患者に投与されるが,その有益性は証明されていない。投与のプロトコルは様々であるが,検査前日および当日にアセチルシステイン600mg,経口,1日2回を生理食塩水の点滴とともに投与することができる。

慢性腎臓病患者と高用量の造影剤投与が必要な患者での急性腎障害を予防する上で,処置前後の持続的静静脈血液濾過が,より侵襲性の低い他の戦略と比べて有益であるとは証明されておらず,実際的でもない。このため,同処置は推奨されない。末期腎臓病に対して定期的に血液透析 血液透析 血液透析では,患者の血液をポンプで血液透析器に送り込むが,透析器は中空糸でできた細管の束またはサンドイッチ状に平行に挟んだ半透膜シートで構成される2つの液体コンパートメントを有する。いずれの構造においても,第1のコンパートメントの血液は半透膜の片側に沿ってポンプで送られ,膜を隔てた他方では電解質輸液(透析液)が別個のコンパートメントで血液とは反対方向にポンプで送られる。(その他の腎代替療法[RRT]については,腎代替療法の概要を参照のこ... さらに読む を受けている患者で造影剤の使用が必要になった場合,有意な腎機能(例,尿産生量 > 100mL/日)が残存していない限り,典型的には処置後の予防的血液透析の追加は必要ない。

要点

  • ほとんどの患者がヨード造影剤の使用から臨床的な結果を伴わずに回復するものの,これらの造影剤はいずれも腎毒性である。

  • 造影検査の24~48時間後に血清クレアチニン値が上昇する場合は,造影剤腎症を疑う。

  • 造影剤腎症のリスクを,可能な場合は造影剤の使用および用量の最小化ならびに体液量の増加により,特にリスクを有する患者で低下させる。

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