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AIDS胆管障害

執筆者:

Ali A. Siddiqui

, MD, Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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AIDS胆管障害(AIDS cholangiopathy)は,様々な日和見感染症によって引き起こされる胆道狭窄に続発する胆道閉塞である。

抗レトロウイルス療法が確立される以前は,AIDS AIDS ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症は,2つの類似したレトロウイルス(HIV-1およびHIV-2)のいずれかにより生じ,これらのウイルスはCD4陽性リンパ球を破壊し,細胞性免疫を障害することで,特定の感染症および悪性腫瘍のリスクを高める。初回感染時には,非特異的な熱性疾患を引き起こすことがある。その後に症候(免疫不全に関連するもの)が現れ... さらに読む AIDS 患者の25%で胆管障害が発生し,特にCD4陽性細胞数が低い(100/μL未満)患者では非常に多くみられていた。最も一般的な病原体はCryptosporidium parvumである。その他にも,サイトメガロウイルス サイトメガロウイルス(CMV)感染症 サイトメガロウイルス(CMV)は,重症度に大きな幅のある感染症を引き起こす。伝染性単核球症に類似するが重度の咽頭炎を欠いた症候群がよくみられる。HIV感染患者とまれに臓器移植レシピエントやその他の易感染性患者において,網膜炎など重度の局所疾患が生じうる。新生児および易感染性患者では,重度の全身性疾患が発生することがある。臨床検査による診断は重症例において役に立ち,培養,血清学的検査,生検,抗原または核酸の検出などを行う。ガンシクロビルお... さらに読む 微胞子虫類 微胞子虫症 微胞子虫症は,微胞子虫による感染症である。症候性の疾患は主にAIDS患者で発生し,慢性の下痢,播種性感染,角膜疾患などがみられる。診断は生検標本,便,尿,その他の分泌物,または角膜擦過物での虫体の証明による。治療はアルベンダゾールまたはフマギリン(感染種および臨床症候群に応じて)により,眼疾患に対してはフマギリン点眼薬を併用する。 (腸管内寄生原虫および微胞子虫による感染症の概要も参照のこと。)... さらに読む Cyclospora属原虫などがある。ほとんどの患者で,乳頭部狭窄や肝内または肝外の硬化性胆管炎 硬化性胆管炎 硬化性胆管炎は,斑状の炎症,線維化,肝内および肝外胆管の狭窄を特徴とする慢性の胆汁うっ滞性症候群を示す。進行するにつれ,胆管が破壊されていき,肝硬変,肝不全,そしてときに胆管癌の発生に至る。 (胆道機能の概要も参照のこと。) 硬化性胆管炎は原発性(原因不明)の場合と免疫不全による続発性(幼児では先天性,成人ではAIDS胆管障害として後天性)の場合があり,しばしば混合感染(例,サイトメガロウイルス,Cryptosporidium),his... さらに読む が発生する。半数以上の患者では両方が発生する。

一般的な症状としては,右上腹部痛,心窩部痛,下痢などがある。少数の患者では発熱と黄疸 黄疸 黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受けて水... さらに読む 黄疸 がみられる。通常,重度の疼痛は乳頭部狭窄を示唆する。より軽度の疼痛は硬化性胆管炎 硬化性胆管炎 硬化性胆管炎は,斑状の炎症,線維化,肝内および肝外胆管の狭窄を特徴とする慢性の胆汁うっ滞性症候群を示す。進行するにつれ,胆管が破壊されていき,肝硬変,肝不全,そしてときに胆管癌の発生に至る。 (胆道機能の概要も参照のこと。) 硬化性胆管炎は原発性(原因不明)の場合と免疫不全による続発性(幼児では先天性,成人ではAIDS胆管障害として後天性)の場合があり,しばしば混合感染(例,サイトメガロウイルス,Cryptosporidium),his... さらに読む を示唆する。下痢は小腸感染を反映し,クリプトスポリジウム症 クリプトスポリジウム症 クリプトスポリジウム症は,クリプトスポリジウム(Cryptosporidium属原虫)による感染症である。主な症状は水様性下痢で,しばしば他の消化管疾患の徴候を伴う。免疫能が正常な患者では通常は自然治癒するが,AIDS患者では持続性かつ重症となる可能性がある。診断は便中の原虫または抗原の同定による。免疫能が正常な人の治療に,必要であればニタゾキサニドを用いる。AIDS患者には,HAART(highly... さらに読む クリプトスポリジウム症 が多い。

診断

  • 通常は超音波検査およびERCP

治療

  • 内視鏡的処置

内視鏡的乳頭括約筋切開術は,ERCPの施行中に行われることが多く,乳頭部狭窄のある患者では疼痛,黄疸 黄疸 黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受けて水... さらに読む 黄疸 ,および胆管炎 総胆管結石症および胆管炎 総胆管結石症は,胆管内に結石が存在する病態であり,それらの結石は胆嚢内または胆管内で形成される。結石により胆道仙痛,胆道閉塞,胆石性膵炎,または胆管炎(胆管の感染と炎症)が引き起こされる。胆管炎が発生すると,狭窄,うっ滞,および総胆管結石症につながりうる。診断には通常,磁気共鳴胆道膵管造影またはERCPによる画像検査が必要となる。早期の内視鏡的または外科的減圧が必要である。 (胆道機能の概要も参照のこと。)... さらに読む を大きく軽減することができる。単独または優位な狭窄には,内視鏡下でステントを留置することができる。感染症治療のために抗菌薬療法を行うが,それ単独では胆道傷害の軽減や症状の緩和は望めない。

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