原発性肝癌は通常,肝細胞癌である。肝癌の初期の臨床像は非特異的であるのが通常で,これが診断の遅れにつながる。予後は通常,不良である。
その他の原発性肝癌
その他の原発性肝癌は,一般的でないかまれである。診断には通常,肝生検を要する。予後は一般的に不良である。
限局性の癌は切除可能な場合もある。切除または肝移植は生存期間の延長につながりうる。
Fibrolamellar carcinoma
これは肝細胞癌の特殊型であり,悪性化した肝細胞の周囲に層状の線維性組織が張りめぐらされた特徴的な形態像を示す。通常は若年成人に発生し,既存の肝硬変,HBV,HCV,その他の既知の危険因子との関連性は報告されていない。α-フェトプロテイン(AFP)値の上昇はまれである。
予後は肝細胞癌より良好であり,多くの患者は腫瘍の切除後,数年にわたり生存する。
胆管癌
肝芽腫
血管肉腫
嚢胞腺癌
参考文献
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Razumilava N, Gores GJ, Lindor KD. Cancer surveillance in patients with primary sclerosing cholangitis. Hepatology 54(5):1842-1852, 2011.