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特発性細菌性腹膜炎 (SBP)

執筆者:

Steven K. Herrine

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2016年 5月

特発性細菌性腹膜炎(SBP)は,感染源が不明な腹水の感染症である。臨床像としては,発熱,倦怠感,腹水症状,悪化する肝不全などがみられる。診断は腹水検査による。治療はセフォタキシムまたはその他の抗菌薬による。

SBPは肝硬変による腹水で特に多くみられる。この感染症は重篤な続発症や死につながることもある。SBPの最も一般的な起因菌は,グラム陰性の大腸菌(Escherichia coli)や肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)とグラム陽性の肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)であるが,関与する微生物は通常1種類のみである。

症状と徴候

腹水の症状と徴候がみられる。通常は不快感があり,典型的にはびまん性,持続性で,軽度から中等度である。

SBPの徴候には,発熱,倦怠感,脳症,悪化する肝不全,原因不明の臨床状態の悪化などがある。腹膜刺激徴候(例,腹部圧痛,反跳痛)がみられるが,腹水の存在によりいくらか軽減される場合がある。

診断

  • 診断的穿刺

SBPの臨床診断は困難となる場合もあり,診断するには,この疾患を強く疑い,診断的穿刺と穿刺液の培養を積極的に行う必要がある。培養を開始する前に腹水を血液培地に移すことで,培養の感度を約70%にまで高めることができる。PMN数が250/μLを超えれば,SBPと診断できる。さらに血液培養も適応となる。SBPの起因菌は通常1種類であるため,培地に混合細菌叢がみられる場合は,腹部臓器の穿孔または検体の汚染が示唆される。

治療

  • セフォタキシムまたはその他の抗菌薬

SBPと診断された場合は,セフォタキシム(2g,静注,4~8時間毎)などの抗菌薬を(グラム染色と培養の結果を待つ間)少なくとも5日間,PMN数が250/μL未満になるまで投与する。抗菌薬により生存の可能性が高まる。SBPは最大70%の患者で1年以内に再発するため,予防的抗菌薬の適応であり,キノロン系薬剤(例,ノルフロキサシン400mg,経口,1日1回)が最も広く使用されている。

静脈瘤出血を伴う腹水患者への抗菌薬の予防投与はSBPのリスクを低減する。

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