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E型肝炎

執筆者:

Anna E. Rutherford

, MD, MPH, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2019年 1月
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E型肝炎は,糞口感染で伝播するRNAウイルスにより引き起こされる疾患であり,食欲不振,倦怠感,黄疸などウイルス性肝炎の典型的な症状を引き起こす。妊娠中を除き,劇症肝炎や死亡はまれである。診断は抗体検査による。治療は支持療法である。

E型肝炎ウイルス(HEV)には4つのゲノタイプが存在する。いずれのゲノタイプも急性ウイルス性肝炎を引き起こす可能性がある。

ゲノタイプ1型および2型は通常,水道の糞便汚染に関連した飲用水を介したアウトブレイクや,ヒトからヒトへの糞口感染を引き起こす。アウトブレイクが中国,インド,メキシコ,パキスタン,ペルー,ロシア,中央アフリカ,および北アフリカで発生している。これらのアウトブレイクには,A型肝炎ウイルス A型肝炎,急性 A型肝炎は,糞口感染で伝播するRNAウイルスにより引き起こされる疾患であり,年長の小児と成人では,食欲不振,倦怠感,黄疸などウイルス性肝炎の典型的な症状を引き起こす。幼児では無症状の場合がある。先進国では劇症肝炎や死亡はまれである。慢性肝炎は起こらない。診断は抗体検査による。治療は支持療法である。予防接種と過去の感染が防御的に働く。 (肝炎の原因および急性ウイルス性肝炎の概要も参照のこと。)... さらに読む の流行に類似した疫学的特徴が認められる。散発例もみられる。米国または西欧でアウトブレイクが発生したことはない。先進諸国で発生する症例のほとんどは発展途上国から帰国した旅行者が発症したものであるが,旅行に関連しない症例も散発的に報告されている。

散発例では,アウトブレイクよりゲノタイプ3型および4型が原因である場合が多い。伝播は食物を介して起き,加熱調理をしていないか不十分な肉の摂取によって生じる可能性があり,実際の症例では豚肉,鹿肉,および甲殻類の摂取との関連が報告されている。

症状と徴候

診断

  • IgM抗体検査(施行可能な場合)

急性肝炎の初期診断 急性ウイルス性肝炎の初期診断 急性ウイルス性肝炎は,多様な伝播様式と疫学的性質を有する一群の肝親和性ウイルスによって引き起こされる,肝臓のびまん性炎症である。ウイルス感染による非特異的な前駆症状に続いて,食欲不振,悪心,しばしば発熱または右上腹部痛がみられる。黄疸がしばしばがみられ,典型的には他の症状が消失し始める頃に発生する。ほとんどの症例で自然消失するが,慢性肝炎に進行する場合もある。ときに,急性ウイルス性肝炎から急性肝不全に進行する(劇症肝炎を示唆する)。診断... さらに読む では,ウイルス性肝炎を黄疸がみられる他の疾患と鑑別する必要がある(急性ウイルス性肝炎に対する診断アプローチの簡略図 急性ウイルス性肝炎に対する診断アプローチの簡略図 急性ウイルス性肝炎は,多様な伝播様式と疫学的性質を有する一群の肝親和性ウイルスによって引き起こされる,肝臓のびまん性炎症である。ウイルス感染による非特異的な前駆症状に続いて,食欲不振,悪心,しばしば発熱または右上腹部痛がみられる。黄疸がしばしばがみられ,典型的には他の症状が消失し始める頃に発生する。ほとんどの症例で自然消失するが,慢性肝炎に進行する場合もある。ときに,急性ウイルス性肝炎から急性肝不全に進行する(劇症肝炎を示唆する)。診断... さらに読む を参照)。急性ウイルス性肝炎が疑われる場合は,以下の検査によってA型,B型,C型肝炎ウイルスのスクリーニングを行う:

  • A型肝炎ウイルスに対するIgM抗体(IgM-HAV抗体)

  • B型肝炎表面抗原(HBs抗原)

  • B型肝炎ウイルスコアに対するIgM抗体(IgM-HBc抗体)

  • C型肝炎ウイルスに対する抗体(HCV抗体)およびC型肝炎ウイルスRNA(HCV-RNA)PCR

A型,B型,C型肝炎の検査は陰性であるが,ウイルス性肝炎の典型症状がみられ,患者が最近流行地域に旅行していた場合は,検査が可能であれば,HEVに対するIgM抗体(IgM-HEV抗体)を測定すべきである。

治療

  • 支持療法

  • E型慢性肝炎には,場合によりリバビリン

E型肝炎も含めて,急性ウイルス性肝炎を軽減できる治療法はない。

予備的な研究から,E型慢性肝炎の治療におけるリバビリンの抗ウイルス効果が示唆されている。

アルコールは肝傷害を悪化させることから,飲酒は控えるべきである。一般的に指示される床上安静を含めた食事や活動の制限には,科学的根拠がない。

胆汁うっ滞性肝炎では,コレスチラミン8gを1日1回または1日2回経口投与することでそう痒を軽減できる。

ウイルス性肝炎は,地域または州の保健局に報告すべきである。

予防

良好な衛生状態の維持と標準の普遍的予防策(ユニバーサルプリコーション)がE型肝炎の糞口感染の予防に役立つ。煮沸により感染リスクが低下するとみられている。ヒトからヒトへの感染はまれであるため,感染患者の隔離は適応とはならない。

E型肝炎ワクチンは,現時点では中国で使用可能になっているが,米国では使用できない。ワクチンは,男性では症候性感染の予防において約95%の効力があるとみられており,かつ安全である。その他の集団における効力,防御効果の持続期間,および無症候性感染の予防における効力は不明である。

要点

  • E型肝炎は通常,糞口感染により伝播する。

  • ほとんどの患者は自然に回復するが,妊婦では劇症肝炎および死亡のリスクが高い。

  • ゲノタイプ3型は,易感染性患者では慢性肝炎を引き起こすことがある。

  • 流行地域への旅行者ではE型肝炎を疑い,可能であればIgM-HEV抗体検査を施行する。

  • 支持療法を行うとともに,E型慢性肝炎にはリバビリンの使用を考慮する。

  • 中国ではワクチンが使用可能である。

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