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胃内および腸管内異物

執筆者:

Raghav Bansal

, MBBS, Ichan School of Medicine at Mount Sinai, NY;


Aaron E. Walfish

, MD,

  • Mount Sinai Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 9月
本ページのリソース

消化管異物の概要も参照のこと。)

嚥下した様々な異物が胃または腸管に詰まることがある。一部の異物は閉塞または穿孔を引き起こす。診断はX線による。一部の異物は,内視鏡的な摘出が可能である。

胃に到達する異物の80~90%は自然に消化管を通過し,10~20%が手術以外の治療を要し,外科手術を要するのは1%以下である。このため,鋭利でない異物の大半には,無症状であれば保存的管理が適切である。しかしながら,全長が6cmを超えるか,直径が2.5cmよりも大きな異物は,まれにしか胃を通過しない(1)。

薬物が入った包みの嚥下(ボディーパッキングとボディスタッフィングを参照のこと)は,薬物の漏出とそれによる過剰摂取のリスクがあるため,大きな懸念となる。包みによって機械的閉塞が起きる可能性もある。

参考文献

1.ASGE Standards of Practice Committee, Ikenberry SO, Jue TL, Anderson MA, et al: Management of ingested foreign bodies and food impactions. Gastrointest Endosc 73:1085–1091, 2011. doi: 10.1016/j.gie.2010.11.010.

症状と徴候

食道を通過した異物は,穿孔または閉塞を引き起こさない限り,無症状である。胃または腸管に穿孔が起きれば,腹痛,筋性防御,反跳痛など腹膜炎の症候がみられる。腸管が閉塞すれば,腹痛,腹部膨隆,および嘔吐がみられる。

診断

  • 画像検査

異物を同定するために腹部X線を施行することがあるが,これは消化管内の異物の通過を追跡するのに有用である。腹部X線と同時に胸部X線を施行することも,穿孔の徴候(例,横隔膜下,縦隔内,または皮下の遊離ガス)を同定する上で重要である。金属異物は携帯型金属探知器で位置を特定でき,単純X線による情報と同等の情報が得られる。単純X線で陰性であった場合は,CTが役立つ可能性がある。

ボディーパッカーの疑いがある人物は通常,警察官によって医療機関に連行されてくる。単純X線撮影で消化管内に包みがあることを確認できる場合も多い。X線撮影で陰性であった場合は,CTが役立つ可能性がある。

治療

  • 経過観察

  • ときに内視鏡的摘出術

  • まれに手術

管理方針は以下のいくつかの因子に依存する:

  • 異物の位置

  • 異物の性質

  • 症状と徴候

胃内異物

鋭利な異物は,15~35%の頻度で腸穿孔を引き起こすため,胃にある段階で回収すべきである。円形の小さな異物(例,コイン)は,その性質にもよるが,一定時間は経過観察としてよい。患者の便を調べて,異物の排出がみられなければ,48時間の間隔を置いてから,さらに以降は1週間毎にX線撮影を行う。以下の異物は内視鏡的に摘出すべきである:

  • 消化管損傷の症候を生じさせている電池

  • 消化管損傷の徴候を生じさせていないが,胃内に48時間以上とどまっている円筒型およびボタン電池

  • 先の尖った胃内異物

  • 直径が2.5cmを超える胃内異物

  • 胃内に3~4週間とどまっている円形の小さな異物(例,コイン)

  • 内視鏡で到達可能な範囲にある磁石(種類は問わない)

腸管内異物

小腸まで通過した異物の大半は,数週間ないし数カ月間かかることがあるにしても,通常は問題なく消化管を通過する。それらの異物は回盲弁の直前や何らかの狭小化が生じた部位で停滞する傾向がある。ときに,爪楊枝などの異物が消化管内に何年も停滞して,肉芽腫や膿瘍の中から発見されることがある。

シングルバルーンおよびダブルバルーン小腸内視鏡検査は,小腸にアクセスすることができ,一部の患者では小腸異物の治療に役立つことがある。

鋭利でない短い異物のうち,十二指腸より肛門側の小腸内にあって,1週間以上そこから動いておらず,かつ内視鏡的に管理できないものについては,外科的摘出を考慮すべきである。

薬物の包み

薬物の包みを摂取して薬物中毒の症候が現れた患者は,直ちに内科的治療を受けるべきある。交感神経刺激薬の毒性,腸菅閉塞,穿孔,または薬物の漏出が疑われる場合は,迅速に外科的評価を行うべきである。無症状の患者は,入院させて集中治療室で注意深くモニタリングすべきである。

薬物の包みの摂取に対しては,包みに穴が開くリスクが高いため,内視鏡的摘出術は推奨されない。異物の排出を促進するために下剤としてポリエチレングリコール溶液を経口投与する全身洗浄(whole-body irrigation)を推奨する医師もいる一方,外科的な摘出を勧める医師もいる。最良の方法は明確ではない。

要点

  • 食道を通過した異物は,穿孔または閉塞を引き起こさない限り,無症状である。

  • 腹部X線で異物を同定できる場合があり,この検査は消化管内の異物の通過を追跡するのに有用である。

  • 管理方針は異物の性質によるが,鋭利な異物は胃にある段階で回収すべきである。

  • 消化管に詰まった薬物の包みは重篤な毒性を引き起こして死に至る可能性もあるため,たとえ無症状であっても,綿密なモニタリングが必要である。

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