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裂肛

(肛門裂創;肛門潰瘍)

執筆者:

Parswa Ansari

, MD,

  • Assistant Professor and Program Director in Surgery
  • Hofstra Northwell-Lenox Hill Hospital, New York

最終査読/改訂年月 2016年 10月
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裂肛は,肛門管の扁平上皮における急性の縦走する裂傷,または慢性の卵円形の潰瘍である。重度の疼痛を特に排便時に引き起こし,ときに出血を伴う。診断は視診による。治療は,局所の清潔,便軟化剤,外用療法のほか,ときにボツリヌス毒素注射および/または外科的手技である。

肛門直腸疾患の評価およびAmerican Society of Colon and Rectal Surgeonsの「Practice parameters for the management of anal fissures」も参照のこと。)

裂肛は,硬い便あるいは太い便の排出または頻回の軟便の排出によって生じる裂傷に起因すると考えられている。外傷(例,肛門性交)はまれな原因である。裂肛は内括約筋の痙攣を引き起こすことがあり,血液供給が減少し,裂肛が持続する。

症状と徴候

裂肛は通常,後方正中部に起こるが,前方正中部に起こることもある。正中線を外れた裂肛は,特定の病因,特にクローン病に起因することがある。裂肛の下端に肛門皮垂(見張りいぼ)が認められる場合があり,上端には拡大(肥大)乳頭がみられることがある。

乳児では急性裂肛が生じることがあるが,慢性裂肛はまれである。慢性裂肛は,癌,梅毒の初期病変,結核,クローン病による潰瘍と鑑別する必要がある。

裂肛は疼痛および出血を起こす。疼痛は典型的には排便時または排便直後に起こり,数時間持続した後,次の排便まで鎮静化する。診察は愛護的に行う必要があるが,観察を可能にするため,殿部を十分に広げなければならない。

診断

  • 臨床的評価

裂肛の診断は視診による。所見から特異的な原因が示唆されるか,外観や部位が通常と異なるのでなければ,それ以上の検査は必要ない。

治療

  • 便軟化剤

  • 保護的軟膏,坐浴

  • ニトログリセリン軟膏,外用カルシウム拮抗薬,またはA型ボツリヌス毒素の注射

(Cochrane Reviewの抄録「nonsurgical and surgical therapy for anal fissure」も参照のこと。)

裂肛は,排便時の外傷を最小限に抑える保存的治療にしばしば反応する(例,便軟化剤,オオバコ,食物繊維)。保護的な亜鉛華軟膏,または下部直腸に潤滑をもたらし,便を軟らかくする無刺激性坐薬(例,グリセリン)の使用は治癒を補助する。排便後毎回および必要に応じて,表面麻酔薬(例,アミノ安息香酸エチル,リドカイン)の投与ならびに温湯(熱湯ではない)での10~15分間の坐浴により,一時的に苦痛が和らぐ。

外用0.2%ニトログリセリン軟膏,0.2%ニフェジピンクリーム,2%ジルチアゼムゲル,および内括約筋へのA型ボツリヌス毒素注射は,肛門括約筋を弛緩させるとともに最大肛門静止圧を低下させ,治癒を助ける。保存的治療が不成功に終わった場合は,反復的な内肛門括約筋の痙攣を抑制するために手術(内肛門括約筋切開術または制御下での肛門拡張術)が必要となる。

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